モイセイヴィチ, ベンノ(1890-1963)
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生地オデッサを出て1908年にロンドンに居を定め、デビューを果たした後の若きモイセイヴィッチに、HMVよりアコースティックによる録音のオファーがかかり、巨人の初期の演奏という貴重な財産が残されることとなりました。小品を気負わず、しかし入念に弾きこむ繊細さ、ウェーバーの「無窮動」にみられる苦労の見えない卓越した技巧とグランド・スタイルが、すでにこの頃には完成していたことがわかります。一方で印象派の曲を、アコースティックな録音でありながらはっきりと聞き取れる、幽玄な表現を披露しており、彼がいかに表現力の幅の広い演奏家であったか、再認識させられることでしょう。(2007/01/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.111116 |
20世紀前半から半ばに欠けてはピアノの演奏スタイルが変動した時期でした。リストなどの流れを直接くむロマンティックな派(フリードマンやレヴィーンなど)やその衣鉢を継ぐ者(ホロヴィッツ)に加え、新思考(プロコフィエフ)や原典主義(シュナーベル)も台頭し、やがては現代につながるスタイルが現れてきました。スタイルは様々あれど、いずれも個性的かつ巨匠の風格をもった演奏家達でありました。このCDに収められているのは、そうした各様式・時代の象徴ともいうべき名ピアニスト達の演奏の数々です。(2003/11/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110783-84 |
ロマン派の時代に入り、協奏曲は「競争」曲、すなわちソロイストとオケが、互いに華々しい名人芸でしのぎを削るものへと変化しました。リストを筆頭に、サン=サーンス、グリーグの作品もその系譜に連なるのは指摘するまでもありません。しかしともすればソロイストはオケに対抗せんと、過剰に攻撃的になることもしばしばありました。しかしモイセイヴィッチは協奏曲においても常に悠然と構え、繊細かつ雄大なアプローチを崩していません。細かなフィギュレーションは入念に磨きこまれ、フォルテシモで音が割れるようなことは決してありません。彼のトレードマークとも言える軽妙な指さばきは、「ハンガリー幻想曲」のフリスカの部分やサン=サーンスの2楽章のスケルツォで発揮されています。(2002/08/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110683 |
20世紀初頭、いまだロマンティシズムの嵐吹き荒れるピアノ界において、轟然たる大音響や超絶技巧ではなく、繊細さと優美な音楽性をもって光星を放ったピアニストがモイセイヴィッチです。子供の情景における率直なアプローチ、古典的な面影を漂わせつつ、細部まで磨き揚げられたはったりのないヘンデル変奏曲。華々しい火花こそ見られなくとも、彼の演奏におけるアプローチは巨匠ラフマニノフをも魅了したのでした。展覧会の絵では、思わぬアクシデントを「キエフの大門」でおかしたりもしていますが、この組曲を壮大に俯瞰するという一面も見せています。(2001/09/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110668 |
モイセイヴィチのショパン録音集第2集はOp.28の前奏曲とバラードです。この偉大なるピアニストは、ショパンの作品の中でも最も多彩な作品群である前奏曲を極めて有機的に結び付け、感情と音楽性を理想的に表出しています。遅い曲ではたっぷりと歌い、早い曲、特に16番や24番などの激しさを持ち合わせる曲では見事なまでのコントロールを見せつけます。しかし何度も録音されたバラードは彼にとって満足の行くものではなかったのでしょうか・・・?(2008/07/16 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.111118 |
ロシアのオデッサで生まれたモイセイヴィチは「比類なきラフマニノフ演奏家」として知られていますが、ショパンに関してもすばらしい解釈を聴かせます。このショパンの第3集には第2次世界大戦の始まりから、1952年代の初め、78回転レコードの終焉までの彼の芸術が記録されています。中には2つのヴァージョンの「舟歌」(トラック2はレコードにならなかったもの)も含まれており、彼の芸術を聴き比べるにはまたとないアルバムとなっております。上品さを併せ持つ力強い打鍵から放たれる音は、まるで光を反映する水しぶき。煌めく美しさにしばし呆然とすること間違いなしです。ボーナス・トラックのラフマニノフ編曲によるメンデルスゾーンは彼の十八番。彼の才能を全世界に知らしめた伝説の名演です。(2010/08/18 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110770 |
ホロヴィッツの名演によって、豪奢でスリリングなイメージが定着して以来、「躍起」に演奏されるようになってしまった第1番。しかしこの協奏曲はソリストの華麗な名技の発揮だけではなく、繊細で多彩な音のパレットを要求される作品でもあります。モイセイヴィッチは剛性な要素よりも、バランスと色彩感に勝る演奏を披露しており、この曲へのもう一つのアプローチの仕方を指し示しています。2番の「巨大」な第1楽章でも持ち前の優美さをもって、しかし矮小に陥ることなく楽々と弾きこなしているのは、まさにモイセイヴィッチの天賦のなせる技でしょう。(2001/12/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110655 |
20世紀初頭、新しい音楽的美学が台頭する中、なおロマン派の旗を掲げた多くのピアニストたちが存在しました。その筆頭であるローゼンタール、ホフマンらに続き名声を博したのがモイセイヴィッチです。苦労を感じさせない大きな技巧とともに、繊細さと旋律線を歌わせる能力に秀でた彼の演奏は、ラフマニノフにも高く評価されたことで知られています。そうした彼の能力は、ロマン派の大曲のみならず、このCDに納められた近代の小曲でも遺憾なく発揮されています。とりわけ、J.シュトラウスIIの「こうもり」によるワルツのパラフレーズは、ゴドウスキーによるワルツ編曲シリーズの史上最初の録音として注目に値するでしょう。(2003/03/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110689 |