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カペラ・アムステルダム

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    グロス:撮影中、お静かに!/ゲール:ヨーロッパの喜劇/シェイベル:入れ替わった楽譜(エボニー・バンド/ヘルベルス)

    【「退廃音楽」の復権に貢献したエボニー・バンド、ラスト・アルバム】オーボエ奏者兼指揮者であるヴェルナー・ヘルベルスが率いるエボニー・バンドは、2つの世界大戦の間にヨーロッパで興った不条理主義的かつジャズの影響を受けた音楽を積極的に取り上げ、ナチスによって「退廃音楽」の汚名を着せられた後、散逸してしまったこれらの作品を発掘し、紹介することに力を注いできました。その活動は32年の間に200以上のコンサートを行い、数十曲を出版、15枚のCD(うちCHANNEL CLASSICSから11枚)をリリースするという成果を生んでおり、そのアーカイヴはハーグのthe Netherlands Music Instituteに移管され、広く公開されるべく保存されています。その活動を締めくくる一枚がこちら。ユダヤ人商人の息子としてウィーンに生まれシュレーカーに作曲を学んだウィルヘルム・グロスは、交響曲や室内楽、多数の舞台音楽を手がけました。ナチスの迫害を逃れて晩年にはアメリカに渡りヒュー・ウィリアムズの変名でポピュラー音楽も作曲、プレスリーが歌った「Harbour Lights」やビートルズもカバーした「Red Sails in the Sunset」などを生み出しましたが、心臓発作のため40代中盤で亡くなってしまいます。彼が、バルトークの《青ひげ公の城》も手掛けたベーラ・バラージュの台本により作曲したショート・オペラ《Achtung、 Aufnahme!!》が初演されたのは1930年のこと。映画の撮影を巡るゴタゴタをジャズのイディオムをふんだんに盛り込んだ音楽で描いています。シェーンベルクに師事しベルリンで指揮者と劇場音楽の作曲家として活躍していたヴァルター・ゲールも、ユダヤ系であったため職を失った後イギリスへ渡り、ジョージ・ウォルターの名で活躍しました。彼が1930年に書いたレヴュー『Komodien in Europa』は国際連盟や世界経済を皮肉ったもの。ブタペストに生まれたマティアーシュ・シェイベル(マティアス・サイバー)はコダーイに師事したのち、客船付きオーケストラのチェリストとして世界を周るうちに様々な音楽を習得、フランクフルトの音楽院にドイツ初のジャズのクラスが発足した時にはその指導者を務めましたが、彼も国を追われイギリスで活躍、アニメ映画「動物農場」の音楽も手掛けました。彼がミハイ・シゲティという作曲家と共同で手掛けたラジオ・ドラマ『Die vertauschten Manuskripte』は1931年に放送されたもので、奔放と純情という異なる性格の2人の女性と付き合う男が、それぞれのために書いた曲を逆に渡してしまうのですが、女性たちはそれにより自分の新しい一面を発見していくという不条理を含んだ物語で、全編をジャズ・バンドが伴奏しています。ゲールとシェイベルの2作品は、ヘルベルスが作品のエッセンスを凝縮して編曲した版で収録されています。(2023/07/07 発売)

    レーベル名:Channel Classics
    カタログ番号:CCS46823

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    ブライアーズ:ピアノ協奏曲「ソルウェイ・キャナル」(ファン・ラート/カペラ・アムステルダム/オランダ放送室内フィル/タウスク)

    1994年に「タイタニック号の沈没」を発表、世界中に衝撃を与えたイギリス生まれの作曲家、ギャビン・ブライアーズ(1943-)。彼はもともとベーシストとして活躍したのですが、ある時、ジャズの演奏と決別し、アメリカに渡って作曲を学びます。彼の作風は、その時々に変化し、ある時は実験的であり、ある時は瞑想的な作品を生み出しています。このピアノ協奏曲は、ピアノと管弦楽、合唱までを交えた規模的には大きな作品ですが、内容は「ソルウェイ運河」と題されているとおり、一日中運河を眺めているかのような、穏やかで印象派的な世界が展開されています。茫洋としたオーケストラの響きにに時折アクセントを付けるピアノの音色、その川の流れの中を合唱(詩はスコットランドのE.モーガン)が入り込み、音の風景を塗りつぶしていきます。混沌とした響きの中に、何となく突き刺さるものが感じられる作品です。他の2曲はピアノの独奏曲です。こちらも単なるヒーリング・ミュージックとは一線を画すものです。(2011/04/13 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572570