フィンランド放送交響楽団
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ONDINEレーベルで大活躍中の指揮者ハンヌ・リントゥ。彼は2013年までタンペレ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務め、現在はフィンランド放送交響楽団の首席指揮者を務めています。前作のメシアン「トゥーランガリラ交響曲」では、オーケストラの機能性と音響効果を存分に生かした素晴らしい演奏を繰り広げましたが、今回は、更に興味深いルチアーノ・ベリオの一連の作品の登場です。ベリオ(1925-2003)については今更説明の必要もないイタリアの現代作曲家で、様々な技法を駆使した作品を書きましたが、1950年代からは当時の妻であった歌手キャシー・バーベリアンとともに、声楽の限界を追求したことでも知られています。ボッケリーニの曲を元にした「4つの変奏」はミラノ・スカラ座の委嘱作品で、この時の劇場のオープニングナンバーの作曲を依頼されたベリオが、そのオーケストレーションの妙技を駆使して書いた変奏曲です。和声的には全く現代的なところのない、極めて愉快な音楽です。「カルモ」は彼の友人の一人、ブルーノ・マデルナの死への追悼の音楽。マデルナが愛したテキストを用いた歌曲(?)です。そして「シンフォニア」。こちらは既によく知られている作品であり、タイトルの「シンフォニア」とは交響曲の伝統ではなく、多様な声の合流という意味を持つ奇妙な作品です。一番わかりやすいのは、第3楽章におけるマーラーをはじめとした何人かの作曲家の作品の引用でしょう。様々な音楽が断片的に浮かび上がる様子は、マーラーの原曲における魚の鱗が光を反射する様にも似ています。複雑な曲ですが、聞いていてこれほど面白い作品もないかも知れません。(2014/11/26 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1227-5 |
1875年、当時のロシア帝国との国境付近のカキサルミに生まれた作曲家メラルティン(1875-1937)。このアルバムでは世界初録音を含む3つの作品を、ハンヌ・リントゥとフィンランド放送交響楽団の演奏でお聴きいただけます。1910年に作曲された交響詩「夢想」はアレクサンドル・ジロティのために書かれた大規模な作品。まさにフィンランドを象徴するかのような印象的なフレーズと、またリヒャルト・シュトラウスを思わせるオーケストラの響き、ドビュッシー風の和声を持つこの大作、彼自身も自信作と認識していたようですが、結局のところ長い間忘れ去られてしまい、2013年にリントゥがヘルシンキで再演を行うまでの81年間は眠ったままとなっていました。「マルヤッタ」はカレワラ(フィンランドの民族叙事詩)に基づく声楽曲で、シベリウスの「大気の精」と同じ出自を持ち、また同じ歌手アイノ・アクテのために書かれています。もう1曲のバレエ「青い真珠」は1930年、彼の晩年の作品でフィンランド初の長編バレエ曲です。ここではリントゥとキョリョネンによって8曲の組曲として再編成されたものが演奏されています。(2016/07/27 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1283-2 |