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鈴木大介(1970-)

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    ギターは謳う(鈴木大介)

    名手・鈴木大介が、50歳の節目を迎えて満を持して放つ、全曲ニューレコーディングによる心震える究極のポピュラー名曲集。武満が鈴木のデビューのきっかけを作ったことはつとに有名だが、没後25年にあたる今年、名器イグナシオ・フレタ・エ・イーホスを用いて「ギターのための12の歌」の再録に臨んだ。その他、長くジャズ・ミュージシャンやシンガーに歌われ続けているスタンダード・ナンバーやシャンソン、生誕100周年を迎えたアルゼンチン・タンゴのアストル・ピアソラのナンバーなど珠玉の名曲全22曲が満載。物語のギタリスト 鈴木大介が50歳を迎えた節目に、武満徹がアレンジした〈ギターのための12の歌〉の3度目のフルレコーディングに臨んだ。武満が鈴木のデビューのきっかけを作ったこと、今年が没後25年にあたること、そして名器イグナシオ・フレタ・エ・イーホス1964(以下フレタ)という素晴らしいギターを入手したことが重なって、再録の気持ちに駆られたのだそうだ。4曲のみ収めたカセット・テープを武満が聴いた1995年のレコーディング同様、今回も鈴木によるアドリブが加えられている。 それだけではない。長くジャズ・ミュージシャンやシンガーに歌われ続けているスタンダード・ナンバーやシャンソン、また生誕100周年を迎えたアルゼンチン・タンゴのアストル・ピアソラが残した名曲も収録された。ジャズのレコーディングのようにオーヴァーダヴィングなし、ほとんどがファースト?サード・テイクで完了されたため、音楽的にスムーズだ。加えて、レコーディング・スペックがDSD11.2MHzという、最高峰のハイフィディリティで録音されたから、目の前で鈴木がギターを弾いているような臨場感がある。 そして、アルバムには『ギターは謳う?MyGuitar’sStory』というタイトルがつけられた。中川ヨウ/YoNakagawaMyGuitar’sStory序 2020年は武満徹さんの生誕90周年でした。そして今年2021年は武満徹さん没後25年になります。 この間、武満さんが編曲した『12の歌』を数度にわたってコンサートと放送のために演奏、録音する機会を得ましたが、時を同じくして世界は新型コロナウイルスによる未曾有のパンデミックを経験させられています。 コンサートはネット配信や人数制限のもとに行われるようになり、音楽の受容には、僕の周囲でも様々な変化が起きました。僕はギタリストですので、たった一人で誰もいないコンサートホールからライヴ演奏を配信することもありました。もしかするとインターネットの向こうで、一人で聴いていてくださった方もいらしたはずですし、弾きながら、1対1という感触を持ったこともほんとうです。そのような体験を経て、制限された人数のお客様たちとホールで対峙すると、まるで自分とお客様のおひとりおひとりが無数に張り巡らされた糸でつながっているような感覚になりました。音楽は何人で演奏していても、何人で聴いていてもらっても、かならずひとりひとりの心に帰るものであるということをあらためて認識したのです。 ギターで“謳う”のは、声にならない詞(ことば)に思いをこめるということです。いつおさまるとも知れぬ不安のなかで、“歌”を奏でることにのせる気持ちはますますふくらんでゆきました。第二次世界大戦に疲弊した日本で音楽を志し、世界的に愛される作曲家となられた武満さんが、高度成長期の激動の後にようやく安定した生活を取り戻したかのようだったであろう1977年に、“ひとつの地球が歌うことへの讃美”として編まれた曲集を、僕はコロナによって誰もが等しく危機に直面している地球で弾いている、そのことを思った時、まさに自分にとってもう一度この作品集を録音する機会がやってきているのだと気づきました。 今回は、僕にとって3回目の全曲録音になります。最初の録音では収録時間の都合で繰り返しを省略せざるをえなかったため、その4年後という早い時期に再録音したので、およそ20年ぶりの録音になります。 『12の歌』に添えて、ローラン・ディアンスの名アレンジや、自分の編曲でさらにいくつかの美しい“歌”を収録したい気持ちが最初にありました。この20年間、編曲や作曲に多くの機会をいただけたことは得難い経験となり、わずかではありますが自信ともなりました。そして今回は自編の選曲やアレンジについて、中川ヨウさんからたくさんの貴重なアドヴァイスと励ましをいただけたことに心から感謝しています。また、前作『シューベルトを讃えて』からディレクションしてくださっているアールアンフィニ・レーベルの武藤敏樹さんにも録音とテイク選びにご助言いただきました。お世話になったたくさんの皆さん、音楽を助けてくれている多くの素敵な皆さんに囲まれて、僕の側にずっといてくれた歌たちをこのようなアンソロジーにできたことをとても嬉しく思います。鈴木大介■鈴木大介(ギター)DaisukeSuzuki、Guitar作曲家の武満徹から「今までに聴いたことがないようなギタリスト」と評されて以後、アンサンブルとコンチェルトを含む膨大なレパートリーでの、明晰な解釈力と洗練された技術によって常に注目を集める。マリア・カナルス国際コンクール第3位、アレッサンドリア市国際ギター・コンクール優勝。近年はジャズやタンゴのアーティストたちとの演奏活動や、自作品によるライヴ演奏も行い、また多くのアレンジは録音やコンサート共に好評で、様々なギタリストに提供され演奏されている。また、美術作品からインスパイアされたプログラムにも積極的で、これまでに国立新美術館「オルセー展」、ブリヂストン美術館「ドビュッシー展」、東京都現代美術館「田中一光展」を始めとする多くの美術展でのコンサートを成功させている。楽譜は現代ギターから『12のエチュード』『キネマ楽園ギター名曲集』『DaisukeSuzukiTheBestCollectionforGuitarsolo』を発売。2021年2月20日には、武満徹没後25年を記念して、『武満徹映画とテレビ・ドラマのための音楽鈴木大介によるギター編曲作品集』が日本ショットより出版された。これまでに30作以上ものCDを発表し、いずれも高い評価を得ている。第10回出光賞、第56回芸術選奨新人賞を受賞。(2021年8月現在)■アールアンフィニ(ArtInfini)についてアールアンフィニ・レーベルは、株式会社ソニー・ミュージックダイレクトと、株式会社ミューズエンターテインメントとのパートナーシップによるクラシック専門レーベルです。世界的に活躍する才能溢れるアーティストのCDアルバムを定期的に制作、リリースしています。アールアンフィニはフランス語で「永遠の芸術」の意味。一貫してマーケットに迎合することなく、アーティストが表現したいことを純粋に追求しています。制作過程においては、全てのアルバムにおいてDSD方式でプロダクションされたマスターを使用、スイス・マージングテクノロジー社のDAWピラミクスにてDSD11.2MHz、またはDXDフォーマットでのレコーディングを行っています。マイクロフォンが捉えた信号を極力劣化させないようラインの最短化を図り、ステージ上のマイクロフォンの直近で収録されたアナログ信号をDSD、DXD信号に変換後、RAVENNA(AES67)で伝送しています。また動的リスクを回避するため記録媒体は厳選されたSSDを使用、さらにレコーディング?編集?マスタリングまで全ての電力は、高品位なリチウムイオンバッテリーで供給されます。アナログ、デジタル領域共に、まさに究極とも言える高品位化を実現しています。(2021/09/22 発売)

    レーベル名:ART_INFINI
    カタログ番号:MECO-1064

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    日本のギター作品集 3 - 武満徹/林光/十河陽一(福田進一/和谷泰扶)

    NAXOSの数あるシリーズの中でも大人気を誇る、ギタリスト福田進一が演奏する「日本のギター作品集」の第3集。このアルバムでは、独奏曲だけでなく、世界的にも珍しいハーモニカとギターのための日本人によるオリジナル作品を収録。美しい日本の秋への憧憬を描いています。武満徹の創造的かつ見事な編曲によって、誰もが知っている旋律が現代的に生まれ変った「ギターのための12の歌」からの3曲、隠れキリシタンの伝承歌に基づく北爪道夫の「オラショ」、原始的な島で生活する家族の悲哀を描いた映画「裸の島」から林光による悲哀に満ちたメイン・テーマ、2つの楽器の可能性を極限まで追求した十河陽一の「たまゆら」と二橋潤一の「秋の歌」など、どれも張り詰めた緊張感の中に極上の美しさを有した音楽です。特に、吉松隆の「忘れっぽい天使」は、作曲家本人がこの演奏を聴いて、「自分の曲ながら一瞬聞き惚れてしまった」(吉松隆:HPより引用)というほどの完成度の高さを誇ります。(2016/11/23 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573595

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    日本のギター作品集 4 - 武満徹/野平一郎/野平多美(福田進一)

    日本を代表するギタリスト・福田進一が、ナクソスの名プロデューサー、ノーバート・クラフトの協力を得て「日本のギター作品」を世界に紹介するシリーズの第4弾。今作では、国際的に活躍するフルート奏者・工藤重典をゲストに迎え、水と自然の風景にまつわる作品群を収録。武満作品のほか、作曲家・ピアニスト・教育者として、現在もっとも多忙な音楽人として知られる野平一郎と、その妻・野平多美の作品が紹介されています。福田進一、工藤重典、野平夫妻、共にパリ留学時代から40年近くに亘る音楽家たちの友情が結実したアルバムとなりました。最初の3曲は武満作品。冒頭の「海へ」は、英語の「S(Es)-E-A」から導き出された3つの音を基に展開する、武満の独創的な音楽。広大で、神秘的な海の情景を描いた作品は聴き手の様々なイマジネーションをかきたてます。続く「波の盆」は美しいメロディに彩られたTVドラマの音楽。原曲のオーケストラを、福田の愛弟子である鈴木大介がギター用に編曲したもの。そして「海へ」と親和性の高い「エア」を収録。巨匠オーレル・ニコレの70歳記念コンサートのめに作曲されたフルート独奏曲であり、これが武満の遺作となりました。続いてシリーズ初登場となる野平一郎の作品。「波の記憶」は福田進一によって2011年2月に初演され、今回の録音の為に2017年に改訂されたな作品。チョーキング、打楽器音、弦を擦るなど、様々な特殊奏法が盛り込まれ、楽音としての波が徐々に異世界の音へと変貌していくユニークな作品。さらに野平多美の「Water drops」は一滴の水が落ちるときの不規則性をギターの豊かな音色で表現した作品。万華鏡を思わせる美しい響きに満ちた曲です。野平夫妻による6曲の日本の歌の編曲は、よく知られたメロディに新たな光をあてたアレンジが聴きもの。夫妻各々の作風の違いも楽しめます。アルバム最後、アンコール風に収められた「荒城の月」は、ピアソラの名曲「タンゴの歴史」へのオマージュとなっています。(2018/08/29 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573911

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    浪漫の香り(鈴木大介)

    【8弦ギターで紡ぐ、ロマン派ギタリスト&作曲家たちの夢のまほろば】クラシックギター界を代表する鈴木大介が、自身初となる8弦ギターでロマン派の作品を収録しました。シューベルト、メンデルスゾーン、ショパンの名曲の数々、そして同時代のオリジナル作品であるJ.メルツやN.コスト等聴きどころ満載の意欲作です。クラシックギターならではの、そこはかとない薫り立つような響きをまといながら、往時のギタリストや作曲家たちのまほろばを、是非一緒に旅して下さい。 2022年の6月から、いつも素晴らしいギターを製作してくださる名工 今井勇一さんによる8弦ギターを弾き始めた。通常の6本の弦に加えて、7弦には5弦より1オクターブ低いA音、8弦には6弦より全音低いD音を張るのが僕の標準的な調弦で、そこから曲の調性に合わせて変化をさせている。 このギターを使って最初に演奏する作品として思い浮かんだのは、19世紀の音楽。 ここに録音されたメルツ、コスト以外にも、カルリ、レゴンディ、レニャーニ他、多くの多弦ギタリストが活躍したロマン派のギター音楽には、得難い魅力と未だに明かされぬ謎が息づいている。ピアノの進化、オーケストラの巨大化、音楽マーケットのマス化という荒波をギターという小舟で渡りきるために、彼らは道標となる星を探し続けた。そのひとつと目された多弦ギターの試みは(19)世紀の終わりを待たずに潰(つい)えてしまうのだが、当時の楽器の構造、弦の材質、音楽会(界)の状況などに思いを巡らせると、ひょっとするとコストもメルツもボブロヴィッツもアレクサンドロフも、夢見た音楽の姿を確かに完成されたものとしては手に入れられぬうちに、幻のような志(こころざし)の半ばにいたのかもしれない、と感じられるようになってきた。歴史に‘Whatif’を持ち込んでしまうリスクを承知しながらも、機能性、運動性の高い現代の多弦ギターと精度の高い弦を用いて彼らの楽譜を弾くことはあながち的外れではないのでは…。 メルツやコストの多弦ギターのためのオリジナル曲を極力音域やオクターブ、そしてアーティキュレーションの変更なしに演奏したものと、彼らが憧れたシューベルトやメンデルスゾーンの音楽をあらたに編曲したもの、あるいはショパンへのボブロヴィッツ、シューベルトへのアレクサンドロフの憧憬の詰まった編曲を一枚のアルバムにすることで、ロマン派のギタリストたちの“イデア”を紐解くことができるのではないだろうか、というエキシビション。そこにはもしかしたら、19世紀のクラシックギターが向かわなかったマルチヴァースの未来が見えるかもしれない。 200年後、分別もあってしかるべき年齢を重ねたにもかかわらず、今この瞬間も、抗えない運命の渦の中で虚しく格闘しているだけなのかもしれない僕ですらも、自分に残された時間や選択肢を、可能な限り満ち足りたものにしようと働きかける意志を持っている。多弦ギターへの挑戦や、異なる進化を遂げたクラシックギターの姿を想像することや、あてどのない飛躍と慣れない環境に身を投げうつことで、地球の引力と公転の束縛からのささやかな逸脱が精神には可能であることを信じていたいのだ。 そしてそれは、とても浪漫の薫りに満ちている。                                                                        2023年7月 鈴木大介「ロマン派ギタリスト」の真価を問う大胆な試み あの鈴木大介がついに多弦ギターを手にした、というのは多くのギター愛好家にとって“事件”のように感じられたはずだ。低音を拡張した8弦ギターというと、スペインの巨匠ホセ・トマスやその弟子ラファエラ・スミッツといった名手たちが思い出されるが、鈴木が同種の楽器でアルバム制作まですると予想できたリスナーはどれほどいただろうか。 どの時代・様式の作品も一級の演奏で聴かせ、ギター向きでないと思われる楽曲のアレンジも、巧みなコードワークや奏法上の創意工夫によって魅力的に弾くことを可能にしてきた才気あふれるギタリストの、いったいどこに多弦ギターを必要とする余地があったのか。その具体的な理由は鈴木自身が詳述しているので、ここではあえて、音楽史の別の文脈に接続する形でひとつの考察を加えてみたい。 すぐれた作曲家によるオリジナルのギター作品がかつては考えられなかったほど充実した現在、ギターという楽器の立ち位置は「黄金期」と呼ばれた200年前よりはるかに安定しているように見える。こんにちなお世界中の作曲家たちによってギター作品が生み出されつづけている状況は、そうした感覚をさらに強めることだろう。 しかし、順調につづくと思えるその道は、かつてロマン派のギタリストたちが直面した“たこ壺”につづく道かもしれない。ギター愛好家しかギター曲を聴かず、ギター愛好家のためだけにギタリストたちが演奏する、あの閉ざされた空間に。どれほど偉大な作曲家が実りある作品を残そうとも、それが幅広い人びとに享受されうる風通しのよい環境がない限り、進んでいる方向に違いはない。そしてその懸念は、クラシック音楽界全体が抱えている問題の相似形でもある。 そのような困難にいつも自覚的だった音楽家のひとりが鈴木大介であることは、あらためて解説するまでもないだろう。ギター界のしがらみにも、クラシック音楽界の枠組みにも囚われず、音楽を欲する人びとに真摯に向き合ってきた軌跡がある。そうした視座からいま一度、どうして鈴木がこの8弦ギターを手にしたのか、ぜひ想いを巡らせながらCDをかけてみていただきたい。「ロマン派のギタリストたちの“イデア”」は、実のところ到達しえなかった“過去”ではなく、満ち足りたように感じる21世紀のいま再び立ち現れようとしている“亡霊”なのかもしれない。それに対する柔軟な応答のひとつとして、このアルバムは音楽を聴くよろこびとともに、ノンリニアな未来への開かれた可能性を宿している。                                                                        2023年7月 小川 智史(2023/08/23 発売)

    レーベル名:ART_INFINI
    カタログ番号:MECO-1078