雪ふりしきるドイツの教会でも、真夏のアルゼンチンの星空の下でも、
今宵、クリスマスソングは歌われる。
ひとりで聴いてセカイとつながる、聖夜のアルバム。
“I wonder as I wander out under the sky….”
1933年、ノース・カロライナ州のアパラチア山脈のふもと。
作曲家でダルシマー(ツィターの一種)の奏者であるジョン・ジェイコブ・ナイルズは、
ひとりの不遇な境遇にある牧師の娘に出会います。
彼女は、彼のために、こんな歌をきかせました。
「この空の下をさまようとき、わたしはふしぎに思うのだ。
どうしてわたしたちの救い主イエス様は、
死なれるためにおいでになられたのでしょうか、と。……」
ナイルズは、そのフレーズをアレンジして切なげな歌に仕上げ、
それはやがて、クリスマスソングとして世界じゅうで
口ずさまれるようになりました。
*
あざやかなイルミネーション。にぎやかな音楽。熱く焼けたフライドチキン。
いつしかそんなクリスマスが当然になってしまったけれど、
この特別な日の過ごし方はひとつだけじゃない。
ひとりきりだって、いいじゃない。
そんな風に心ひそかに想うすべてのひとへ。
ドイツ。イギリス。アルゼンチン。ウクライナ。アメリカ。スペイン。
あらゆる世界の空の下で、クリスマスソングは歌われています。
天を駆けるような少年の歌声。あるいは地響きのように震える打楽器。
クリスチャンでなくても、聖夜をめぐるひとびとのいとなみに、
ひとりきりで、そっと、耳を傾けてみたい。
「クリスマスソングスオブセカイ。」は、
そんなあなたのための、クリスマスコンピレーションアルバムです。
■ 収録楽曲:
*ジャケットをクリックすると、
コンピレーション元のアルバムにジャンプします。
- パッヘルベル(B.チルコット編): カノン ~薔薇の奇蹟
17c., German(Arr. 21c., England)
あのバロック時代の名作「パッヘルベルのカノン」を、
聖母マリアを称えるオスカー・ワイルドの英語詩とともに。
- ラター: なんと甘美な音楽
20c., England
英国の現代のコーラス作曲家、ラターがおくる
「どんなキャロルよりも美しい」と歌われるキャロル。
- ラミレス: アルゼンチンのクリスマス – 巡礼
20c., Argentina
舞台はアルゼンチン北部。神の顕現の奇跡を歌いあげる
パッションとエキゾチズムあふれるフォーク・ソング。
- 伝承: ノエル・ウクライナ(鐘のキャロル)
Traditional., Ukraine)
“Ding, Dong, Ding, Dong…” ウクライナの
伝統的な鐘の音が、ア・カペラで口ずさまれます。
- S.J.マニング: マンチェスター・キャロル – 語るもふしぎな
21c., England
「どんなに世界が変わろうとも、純真な心を忘れずに…」
子どもの頃の気持ちを忘れたくないおとなのためのキャロル。
- J.S.バッハ: クリスマス・オラトリオ – わたしは主のためにのみ生きる
18c., German
クリスマスから年明けの顕現節にかけての
教会での演奏のために、バッハが書いたオラトリオ。
- ブリテン: コルプス・クリスティ・キャロル
20c., England
キリストの処刑を暗示しているともいわれている
ミステリアスな英語詩を子どもたちが無邪気に歌います。
- ウィテカー: リトル・ツリー
20c., America
バーチャル合唱団を指揮したことで知られる
音楽家ウィテカーによるクリスマスツリーの歌。
- レーン: アナザー・ナイト・ビフォア・クリスマス
20c., England
クリスマスの夜にはサンタさんがやってくる!
19世紀アメリカの新聞に掲載された詩をナレーション付きでお届け。
- ルトスワフスキ: 20のポーランドのクリスマスキャロル集 – 真夜中をすぎて
20c., Poland
ルトスワフスキがこんな愛らしいキャロルを書いていた。
ポーランド語による胸おどるクリスマスキャロル。
- バーンスタイン: ミサ曲 – シンプル・ソング
20c., America
エレキギターを抱えた司祭がミサを歌う!
20世紀アメリカが生んだスーパー・ソング。
- アルフォンソ10世 : マリアのカンティガ集 – エピローゴ
13c., Spain
学問、芸術にひいでたと伝えられるカスティーリャ国王、
アルフォンソ10世が残したエキゾチックなマリア賛歌。
- ルーセンベリ: 聖夜 – 聖なる3人の王の歌
20c., Sweden
東方の三博士が低い声で歌う、あやしげなムードの
北欧発のクリスマス曲。
- 伝承(J.J.マイルズ/J.ローマン編): この空の下をさまようとき、わたしはふしぎに思うのだ。(アイ・ワンダー・アズ・アイ・ワンダー)
Traditional(20c.), America
アメリカの無名の少女が作った思索的なフレーズが
世界的なヒット・クリスマスソングに。
- ラヴェル: おもちゃのクリスマス
20c., France
あのラヴェルがクリスマス曲を書いていた…!
機械じかけのおもちゃたちの小粋な聖夜。
- クーマン: 新世界のキャロル – 空はまだ憶えている
20c., America
1982年アメリカ生まれの若き俊英作曲家による
宇宙的な響きをもつキャロル。
- J.S.バッハ/グノー: アヴェ・マリア
18c., German & 19c., France
18世紀ドイツ生まれのクラヴィーア曲集が
19世紀フランスでなんとも優しい聖母マリアの歌に変身。
- フィンジ: ディエス・ナタリス(クリスマス) – 挨拶
20c., England
「ここで未知なる者が未知なる物と出会う…」
キリストの地上への降誕を静かに歌ったカンタータ。
- グルーバー(B.チルコット編): きよしこの夜
19c., Austria(Arr. 21c., England)
オーストリアの無名の音楽教師グルーバーが、
村の教会のために一夜で書いたと伝えられる奇跡のメロディ。
- 伝承(L.ストランド編): ディンドン、ほがらかに
Traditional, France(Arr. 20-21c., Sweden)
フランスのダンス音楽が発祥ともいわれる
世界で歌い継がれるクリスマスキャロル。