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 CD & DVD/BD



ヴィチャック, ダヴィット(1982-)

Search results:15 件 見つかりました。

  • ロベール: グラン・モテと雅歌

    【リュリの傍らでヴェルサイユ様式を教会音楽面で支えた巨匠、充実の新録音が本場から!】フランス17世紀の教会音楽を牽引した重要人物でありながら、めったに体系的録音が現れない大家ピエール・ロベールの作品集が、満を持してヴェルサイユ・バロック音楽センターの俊才たちによって制作されました。しかも録音場所はヴェルサイユ宮殿。本場直送の充実アルバムです。イタリア様式と並ぶバロック期の二大潮流の一つフランス様式は、ルイ14世の王室に連なる音楽家達によって培われました。とりわけ舞踏劇の作曲にすぐれ、抒情悲劇と呼ばれるフランス語オペラの正統な形式を大成に導いた王室音楽総監督リュリの存在は重要ですが、この時代の音楽活動は彼が担った舞台音楽など、社交催事や王の私生活を彩る俗世向けのものばかりではなく、教会音楽もまた非常に重要でした。この分野でもリュリの作品は多いとはいえ、王室礼拝堂は基本的に彼の管轄外。その音楽様式の土台を形作ったのが、1660-80年代に礼拝堂の共同副楽長(「楽長」は高位聖職者の名誉職だったため、副楽長たちが実質上の音楽監督)だったデュモンと、リュリより10歳ほど年上の本盤の主人公ピエール・ロベールだったのです。イタリア風のコンチェルタンテ様式を下地に、合唱と独唱の鮮やかな対置を合奏が彩るグラン・モテの数々から、ここでは礼拝のハイライトの一つでもある聖体奉挙の折に唱えられていた曲を選曲。旧約聖書『雅歌』から歌詞が選ばれているそれらの大作が、フランス語圏育ちのアンサンブルによる堅固にしてふくよかな解釈で瑞々しく蘇ります。(2021/10/22 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS051

  • ラモー: グラン・モテ

    【「オペラ、クラヴサン音楽以前」の若きラモーがみせた境地を、理想的な演奏陣で!】20世紀後半におけるフランス古楽再発見の流れは、ラモーの作品に対する認識を大きく変えました。今やラモーはクラヴサン(チェンバロ)のための音楽だけでなく、齢50を越えてから続々発表したオペラやバレ、ディヴェルティスマンなど一連の舞台音楽においてどれほど注目すべき存在だったか、世界的に知られるようになっています。しかしそうした領域の影で、フランス・バロックのもう一つの重要な側面である宗教曲におけるラモーの活躍には、今なお光が当たる機会が多いとは言えません。しかし教会のオルガン奏者でもあった彼は、パリ以外の土地を転々としていた30代までの時期に充実したグラン・モテをいくつか書いており、それらにも後年の開花を予感させる豊かな才能が窺えるのです。ヴェルサイユ宮殿が企画するレーベルからの待望の新録音には、現在知られている4作全てのモテが収録され、このルイ14世の居城で数々の名演を繰り広げてきた気鋭グループ、マルグリット・ルイーズが声楽・器楽とも大活躍。ヴァイオリンのほかフランス・バロック流儀の大小ヴィオラ群にチェロやコントラバスなどイタリア由来の弦楽器も交え、イタリアとも近い南仏を活躍の舞台とした若き日のラモーが思い描いた響きの真相を明らかにしてゆきます。バスーン奏者4人に鍵盤奏者2人が加わる通奏低音勢が支える響きは実に豊饒、起伏に富んだ音楽作りは同時期のバッハやヘンデル、ヴィヴァルディとは確実に違っており、ユニークな音楽世界の虜にさせてくれます。(2022/01/14 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS052

  • モンドンヴィル: グラン・モテ集

    【18世紀パリを湧かせた声楽作曲家の名品群を、本場ヴェルサイユ発ならではの鮮やかな解釈で】音楽界の中心にオペラがありながら、オーケストラを伴う教会音楽にも人々が喝采を送り続けた18世紀のパリ。ルイ14世の時代以降、王室礼拝堂に出入りする作曲家たちが書いた大合奏を伴う合唱曲(グラン・モテ)の数々は、劇場が閉鎖されるキリスト教の節制期間にオペラ座の音楽家たちによってパリ市内でも演奏され、これを主たる演目として掲げた定期演奏会コンセール・スピリチュエルはフランス革命勃発の頃まで高い人気を誇りました。当初はリュリやド・ラランドなど、ルイ14世お気に入りの往年の作曲家たちのモテが再演されていたこの演奏会で、新作グラン・モテを次々披露し大いに賞賛を浴びたのが、C.P.E.バッハやグルックなどと同世代で、2022年が歿後250周年にあたる南仏人モンドンヴィル。歌劇作曲家としても活躍しながら、異色の作風で賛否両論を醸した大家ラモーと並び称されたほど注目を集めました。ここではヴェルサイユ宮殿を舞台に大規模なバロック・プロジェクトを多数成功させてきたガエタン・ジャリ率いるアンサンブルが、モンドンヴィルの生前にも使われていた王室礼拝堂の豊かな残響を巧みに味方につけながら、彼のグラン・モテの傑作3篇をその真価に見合った充実解釈で聴かせてくれます。1734年に作曲された後ルイ15世の治世が続く間に何度も再演され、ポンパドゥール夫人が「私が耳にしうる最も美しい音楽」と絶賛した傑作の一つ『主は美しく着飾りて統べぬ』から、迫力ある短調の響きが印象的な1753年の『イスラエルはエジプトから出て』まで、時代の開きを意識した選曲も絶妙。実力派を揃えた独唱勢や合唱の頼もしさもさることながら、コントラバス2人、ファゴット4人を伴う低音の膨らみとアクセントも心地良く、モンドンヴィルならではの、華麗な旋律美とロマン派さえ予感させるメリハリの効いた音作りを十全に味わえます。(2022/05/20 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS063

  • MONDONVILLE, J.-J. C. de: Carnaval du Parnasse (Le) [Ballet] (Blondeel, Guilmette, Namur Chamber Choir, Les Ambassadeurs, La Grande Ecurie, Kossenko)

    【ラモーに追い迫り新時代を築いたフランス18世紀の名匠、象徴的傑作待望の全曲録音!】既に数多くのグラン・モテ(管弦楽付き教会声楽曲)や舞台音楽が録音されてきたモンドンヴィルは、巨匠ラモーと共にフランス王ルイ15世の公妾ポンパドゥール夫人の愛顧を受けた18世紀中盤の人気作曲家。《パルナス山の謝肉祭》はラモーと共に彼の名声も絶頂に達しつつあった1749年に初演されて大成功を収め、その後も1759年と1767年、そして作曲家歿後の1774年にもリヴァイヴァルされた金字塔的傑作。ニケやヴァシュヘーギら古楽シーンの俊才たちも折に触れ名場面をとりあげ録音もしていますが、全曲通しての録音はこれが初となります。26人の弦楽器奏者に対しフルート、オーボエ、バスーンをそれぞれ4人ずつ起用、一対のホルンとティンパニ、パイプ&テイバーが加わる充実編成。これを率いメロディアスで精彩に富んだ作品美を十全に引き出すのは、近年バロックから初期ロマン派まで広範なレパートリーの古楽器演奏で話題を呼んでいる指揮者アレクシス・コセンコ!ブロンデール、ギユメット、ヴィダルら今を時めく欧州歌劇界の名歌手たちと共に、羊飼いたちが暮らす理想郷で少女リコリスへ思いを寄せる太陽神アポロンを巡る物語を起伏豊かに現代に蘇らせます。「英雄舞踏劇」と銘打たれている通り、躍動感に富んだ舞曲ナンバーが多い点も魅力の一つ。モンドンヴィル随一の自然でメロディアスな音運びを通じ、古典派前夜の流麗な音楽を抜群の古楽器オーケストラと名歌唱で堪能できる録音です。(2024/04/12 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS122

  • DESTOUCHES, A.C.: Télémaque et Calypso [Opera] (Druet, Rondepierre, De Negri, Les Ombres, Sartre)

    【ルイ14世最晩期を彩った気鋭デトゥーシュの充実作】ヴィヴァルディやヘンデルが注目を集め始めた頃、1714年11月にパリの王室音楽アカデミー劇場(オペラ座)で初演された《テレマークとカリプソ》は、翌年9月に亡くなることになる老王ルイ14世が最晩期に賞賛した人気作曲家デトゥーシュの充実作。前年にオペラ座の総監査役を任された彼は、王が愛した往年の大家リュリを彷彿とさせる活躍を劇音楽の世界で見せていました。古代ギリシャの英雄叙事詩『オデュッセイアー』に取材した、オデュッセウスの息子テレマーク(テレマコス)が父を探しにゆく途中で海難の末たどりついた島での顛末を描いた序幕付き全5幕の構成も、まさしくリュリの伝統を受け継ぐ正統派。全編を通じて合唱を効果的に用いつつ、いたるところに舞曲をふんだんに盛り込みながら、フランス語の韻律をイタリア流の歌心に沿わせるデトゥーシュの確かな作曲手腕が活きています。小ぶりのアンサンブルで驚くほど雄弁な音楽を織り上げてゆくのは、フランスのバロック・オペラ界で目覚ましい活躍を続ける才人集団レゾンブル!表題役のドリュエとロンドピエールを筆頭に、さまざまな役柄をこなすハスナア・ベナニや女主人公を演じるエマニュエル・ド・ネグリら独唱者には存在感ある歌手が揃い、名手揃いの器楽合奏(弦楽合奏にはレ・タンブルの名手・川久保洋子も参加)と緊密なアンサンブルを通じて正統派のフランス・バロック劇音楽世界を描き出します。再評価目覚ましいデトゥーシュの真髄に触れられる、本場ヴェルサイユ発の頼もしい全曲録音です。(2024/04/12 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS128

  • ヴェルサイユ宮殿の噴水 - 王宮の祝典音楽

    【ヴェルサイユ宮殿大噴水ショーのイメージ・アルバム】ヴェルサイユ宮殿の文化催事プロジェクト・チームが手がけるChateaudeVersaillesSpectacles(シャトー・ド・ヴェルサイユ・スペクタクル)による、大噴水ショーをイメージしたアルバム。ヴェルサイユ宮殿の大噴水を贅沢に使用したショーは、かつての宮廷人たちが親しんだイベントを現代に受け継いでいるもので、今でも多くの観光客を楽しませています。このイベントで使用される曲を中心に、レーベルが持つ音源からフランス・バロックの祝祭音楽などを集めた壮麗なアルバムがこちら。中には、現時点で未リリースの「太陽王のためのミサ」(2019年6月リリース予定)や、PALDVDのため日本未発売の「リュリ:フェアトン」、「リュリ:テ・デウム/ビーバー:ザルツブルク・ミサ」、「ヘンデル:ジョージII世戴冠式」の音源が収められているのもの嬉しいところです。(2019/06/14 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS700

  • シャルパンティエ:歌劇「花咲ける芸術」(ド・ヴィユトレイ/トマ/スパイカー/ベルトラン/ヴィチャック/アンサンブル・マルグリット・ルイーズ/ジャリー)

    ヴェルサイユ宮殿の文化催事プロジェクトチームが手がける新レーベルCVS(Chateau de Versailles Spectacles)、ついに始動!/すでにAlphaレーベルとの提携でも数多くのプロジェクトを成功させている、ヴェルサイユ宮殿の文化催事プロジェクトチーム「シャトー・ド・ヴェルサイユ・スペクタクル」。彼らがこのたび、ついに独自のレーベルCVSを立ち上げました。伝説的エンジニアのニコラ・バルトロメーが立ち上げた録音スタジオ「リトル・トライベッカ」の協力を得て、その新始動録音には17世紀フランスの不遇な大作曲家シャルパンティエによる『花咲ける芸術』(フランス古楽界にあっていちはやくオペラ方面の土壌を用意した名団体、レザール・フロリサンの名の由来となった作品)を。若き才人集団マルグリット・ルイーズには大ヴェテランのリコーダー奏者セバスティアン・マルクや、鬼才クラヴサン奏者ジャン・ロンドーを含む精鋭4人組「ネヴァーマインド」に名を連ねるヴィオールのロバン・ファロとトラヴェルソのアンナ・ベッソン...と頼もしい俊才がいたるところに!精妙にして優美なシャルパンティエの音世界はまさにフランスの「偉大なる世紀」ならでは――王室音楽総監督リュリに疎まれ、王室での活躍から周到に遠ざけられていたシャルパンティエの才気が、のちの王宮ヴェルサイユにあらためて鳴り響く、比類なく贅沢なバロック・アルバムの登場といえそうです。(2018/09/28 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS001

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    シャルパンティエ:歌劇「メデ」(ジャンス/デュボワ/ワンロイ/ドリエ/コンセール・スピリチュエル/ニケ)

    【ルイ14世の楽団規模を凌駕? 精鋭大編成で織りなすフランス最新のシャルパンティエ像】フランス語による音楽劇の古典的形式(抒情悲劇)を創出したリュリ亡き後、後続世代の作曲家が続々発表したフランス語オペラの一つであるシャルパンティエの《メデ》。尽くした甲斐なく恋敵クレユーズの元へ去ったジャゾンへの憎悪から、彼との間に生まれた子供たちまで自らの手で殺してしまうメデの恐ろしい復讐劇です。1693年の初演こそ失敗に終わりましたが、その充実したドラマは20世紀に入ってシャルパンティエへの再評価が進む中で見直され、今や同作曲家の劇音楽への適性を示す重要作の一つに数えられています。それにもかかわらず滅多に出ない全曲録音が、劇的起伏と高雅な表現に長けたニケの指揮で待望のリリース!独唱陣はヴェロニク・ジャンスとシリル・デュボワという申し分ない主役二人を始め今のフランス歌劇界を代表する第一線の名歌手揃い。通奏低音陣はヴィオール(ガンバ)とチェロ、テオルボが二人ずつ配され、ヴィオールの齋藤由香やチェロのトゥルモー・ダレンら名手たちによる頼もしい声楽サポートが光ります。クラヴサン(チェンバロ)は大ベテランのエリザベート・ガイガー。リコーダーのエロイーズ・ガイヤール、無孔ナチュラル・トランペットのジャン=フランソワ・マドゥーフなど世界的ソリストの名も見られるオーケストラは弦だけで30名。いわばルイ14世の弦楽合奏団「24のヴァイオリン」を凌ぐ規模で、ニケの指揮の下での一体感と才気に満ちた音作りは管楽器勢の活躍と相俟って実に聴きごたえ充分です。(2024/01/12 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA1020

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    シャルパンティエ/デマレ:テ・デウム(アンサンブル・レ・シュルプリーズ/カンブーラ)

    【華やぎに満ちたルイ14世時代の祝典音楽を、フランス古楽シーン最前線の精妙な解釈で!】毎年正月、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサート世界放送時に番組テーマ曲として流れる「トランペットの前奏」が有名な、17世紀フランスの大家シャルパンティエの「テ・デウム」。かの作曲家が生きたルイ14世時代のフランスでは、晴れがましい祝典を彩る華麗な讃美の詩篇曲として「テ・デウム」が数多く書かれました。その活況は、ルイ14世の療養からの快癒を祝う場が王国中に設けられた1687年初頭、最初の絶頂を迎えています(王室音楽総監督リュリは、この機会に自作の「テ・デウム」を指揮していた時の事故がもとで亡くなっています)。その当時も演奏されたと考えられているシャルパンティエの傑作に加え、ここでは老王の後を継いだルイ15世が1725年にマリー・レグザンスカ妃を迎えたさい演奏された「リヨンのテ・デウム」も収録。作曲者デマレはフランス王室音楽の立役者リュリ亡き後、その至芸を受け継ぐ世代として若い頃から注目されながら、人間関係の問題で長く亡命を余儀なくされており、当の作品も王宮から遠く離れたロレーヌの宮廷で作曲されました。バロック時代の管楽器ならではのアクセント豊かな響きを十全に活かし、緩急豊かな音作りでフランス音楽の玄妙と華やぎを伝える指揮者ベスティオン・ド・カンブラは、近年の古楽シーンで大きな躍進をみせALPHAにも録音の多い俊才。フランス語圏のメンバーにボスニアのブラニスラフ・ラキチや日本の出口実祈など次世代の注目奏者も混じる古楽器楽団の濃やかな表現が、熱気と一体感に満ちた声楽勢の活躍と美しいハーモニーを見せ、作品の魅力を十全に伝えてやみません。(2024/01/12 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA1018

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    スポンティーニ:歌劇「ヴェスタの巫女」(フランダース放送合唱団/レ・タラン・リリク/ルセ)

    【スポンティーニの出世作、ルセによる充実古楽器演奏で登場!】フランスの古楽復興を牽引し、18世紀に人気を誇りながら歴史に埋もれていたイタリアやフランスの傑作を数多く発掘・紹介して話題を呼んできたクリストフ・ルセ率いるレ・タラン・リリク。近年ではサリエリがパリで発表した三つのフランス語オペラの録音で毎回話題を呼んだほか、グノー生誕200周年の2018年には《ファウスト》初演時の版を古楽器初録音(BZ1037)、ロマン派時代の音楽にも高い適性のあることを印象づけました。その彼らが今回、西洋歌劇史を辿れば避けては通れない19世紀初頭の重要作と正面から向き合います。作曲家はベートーヴェンと同世代のイタリア人作曲家ガスパレ・スポンティーニ。かの楽聖がウィーンで《フィデリオ》の原型となる《レオノーレ》の作曲と改作に腐心していた頃、フランス皇帝ナポレオンの妃ジョゼフィーヌの後押しを受けパリで世界初演された《ヴェスタの巫女》は大いなる熱狂をもって迎えられ、後にフランスとプロイセンをまたにかけ圧倒的名声を誇ることになるスポンティーニの出世作となった作品。古代ローマを舞台に、絶やしてはならないとされてきた神殿の炎の鎮火をめぐる大事件を、革命期ならではのスリリングな音楽展開で描いた傑作ですが、この演奏はそのダイナミックな音作りもさることながら、独唱の細やかな節回しに適切に寄り添う古楽器オーケストラの音色も実に美しく、作品本来の魅力の諸相に迫った名演に仕上がっています。バルベラック、クリストヤニス、ヴィチャクらフランス歌劇界の錚々たる男声歌手たちと共に、ラトヴィア出身の注目歌手マリナ・レベカが鮮やかな歌唱を聴かせ、ナチュラル・トランペットのマドゥーフやトロンボーンのクレア・マッキンタイアら大物ソリストから、クラリネット磯部礼奈のような新世代の俊才まで幅広い層が加わるレ・タラン・リリクの濃淡豊かな演奏の頼もしさも格別。革命期のオペラの魅力を十全に堪能できる演奏内容に加え、Bru Zaneレーベルならではの150ページに及ぶ仏英語による充実解説も嬉しいところです。(2023/05/12 発売)

    レーベル名:Bru Zane
    カタログ番号:BZ1051