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ポンセ, マヌエル・マリア(1882-1948)

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    シューベルトを讃えて(鈴木大介)

    万感の思いを馳せて奏でる、シューベルトへのオマージュ
    異才、鈴木大介が長年あたためてきたシューベルトと、シューベルト由来の名曲を編んだオマージュ・アルバムです。本人曰く「夢幻のニュアンスや色彩と空間の広がりを音楽に息づかせることを最重要なテーマとし続ける“クラシック・ギター”という楽器とその役割の真髄へと、僕を導いてくれそうな気がする」というシューベルトへの万感の想いが、あたたかく慈愛に満ちた旋律、端正で優美な官能、幽き無限の情念をもって奏でられます。
    わずかな期間ではあったが、留学時代、僕はザルツブルクから20数キロ離れたハラインという街に住んでいた。ハラインは「きよしこの夜」を作曲したことで有名になったフランツ・グルーバーが後半生を暮らした任地であった。「きよしこの夜」はその作詞者ヨーゼフ・モールのギター伴奏によって1818年に初演されているが、モールの遺産としてグルーバーが受け継いだギターがハラインの博物館には保存してあり、クリスマス・イヴにはそのギターの伴奏によって、街の人々による「聖夜」の歌声が響いた。
    意外なことかもしれないが、「きよしこの夜」の例からもわかるように、オーストリアではギターは日常的な和声楽器だった。19世紀のウィーンでマウロ・ジュリアーニやヨハン・カスパル・メルツ、ヴェンツェスラウス・トマス・マティエカをはじめとする多くのギタリストが活躍できたバックグラウンドもそのような土壌にあったのだろう。
    1918年にリヒャルト・シュミットがライプツィヒで出版した「10のシューベルト歌曲~ある音楽史的なスケッチ“ギタリストとしてのシューベルト”付きの~(10 Schubert=Lieder fur Gitarre mit einer musikhistorischen Skizze Franz Schubert als Gitarrist)」に寄せた長大な巻頭序文に端を発したとされる論争は、フランツ・シューベルトの作品に分類番号を与えた音楽学者オットー・エーリヒ・ドイチュによる論述「シューベルトにギターはない(Schubert ohne Gitarre)」ほか様々な研究者によって当初から否定されたにもかかわらず、シューベルトがギターを愛した、というステレオタイプは多くの人々に根強く支持されている。シューベルトとギターの距離を近づける論拠には、以下のような事実が基になっていると考えられる。1.1821年に自身もギタリストであったアントン・ディアベリがシューベルトにとって初の歌曲集を出版した際、4曲を選んでギター伴奏版を編曲し出版したこと。その後もディアベリやメルツ、ナポレオン・コストらによる歌曲のギター伴奏編曲が出版されていたこと。
    2.シューベルト自身がギターを所有していたこと。ギターのチューニングで6本の弦を持つチェロのような形状の“アルぺジョーネ”という楽器の開発者ヨハン・ゲオルク・シュタウファーのギターもその中にあり、シューベルトの弟のヴァイオリニスト、フェルディナンドを経由して前述のシュミットの父へと譲られていたこと。またそのアルペジョーネのために有名な「アルペジョーネ・ソナタ」をシューベルトが作曲していること。
    3.1918年に発見されたフルート、ヴィオラ、チェロ、ギターのための「カルテットD.96」やシューベルトが父の聖名祝日のために書いた「カンタータD.80」などのギター・パートの存在(しかしながら1931年にD.96は先述マティエカによるフルート、ヴィオラ、ギターのための「ノットゥルノ」にチェロ・パートを書き加えた編作であることが判明)。
    4.「セレナーデ」や「アヴェ・マリア」にみられるような複声による分散和音の歌曲伴奏音形が、ギターの典型的な奏法を彷彿とさせる語法と感じられること。

    ドイチュが若干の強引さまでをも動員して徹底論破したシューベルトとギターの親密さは、しかしながら上記のようなギター愛好家サイドの言い分を含めてこのCD録音のテーマとはまったく関係がない。むしろ、なぜ人々はギターとシューベルトの幸福な結びつきを信じたくなるのか、シューベルトの音楽にはそう思わせるだけの、他のドイツ系の作曲家にはない何かしらの要因があるのではないか、ということに僕の興味はあるからだ。そしてその“何らかの要素”は、非常に限定された機能の中で、夢幻のニュアンスや色彩と空間の広がりを音楽に息づかせることを最重要なテーマとし続ける“クラシック・ギター”という楽器とその役割の真髄へと、僕を導いてくれそうな気がするためでもある。
    解説:鈴木大介


    鈴木 大介(ギター) Daisuke Suzuki (Guitar)
     作曲家の武満徹から「今までに聴いたことがないようなギタリスト」と評されて以降、明晰な解釈力と洗練された技術によって常に注目を集め続けている。
    1992年、スペイン/バルセロナ・マリア・カナルス国際コンクール第3位、1993年、アレッサンドリア市国際ギター・コンクール優勝。 
     現代音楽の初演も多く、武満徹作曲「森のなかで」「スペクトラル・カンティクル」の世界初録音をはじめ、これまで、池辺晋一郎、西村朗、猿谷紀郎、伊左治直、林光、酒井健治、渡辺香津美の各氏他多くの作曲家による新作を初演している。1995年のデビュー以降、長きにわたり、アンサンブルとコンチェルトの膨大なレパートリーでの、難度の高いプロジェクトにおけるファースト・コール・ギタリストの位置を維持し続けている。
     オリジナル作品の演奏のみならず、武満徹の映画音楽をギター(またはギター・デュオ)のために原曲のスコアからアレンジするプロジェクトを1999年より継続的に行っており、これまでに3タイトルのCD(「どですかでん」「夢の引用」「森のなかで」)をリリースしている。
     美術館でのコンサートも数多く行っており、特に都立現代美術館での「田中一光回顧展」(2003年)、国立新美術館での「オルセー美術館展」(2010年)、ブリヂストン美術館での「ドビュッシー、音楽と美術展」(2012年)では、展示作品のテーマに即したプログラムをプロデュースし、大きな話題となった。
     斬新なレパートリーと新鮮な解釈によるアルバム制作はいずれも高い評価を受け、「カタロニア讃歌~鳥のうた/禁じられた遊び~」は2005年度芸術祭優秀賞(レコード部門)を受賞。2012年、板倉康明指揮東京シンフォニエッタと初演した西村朗作曲「天女散花」のライヴ盤は2013年度のレコード・アカデミー賞(現代音楽部門)を受賞。
     近年はタンゴやジャズ、また自作品によるライヴ演奏も行い、2016年にCDリリースされ翌年出版された「12のエチュード」他の自作品も絶賛されている。また多くの名曲のアレンジは録音やコンサート共に好評で、内外のギタリストにも提供し演奏されている。
     これまでにNHK-FM「クラシック・リクエスト」(1999年~2001年)、「気ままにクラシック」(2002年~2008年)のパーソナリティも務めた。
     第10回出光音楽賞、平成17年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
     洗足学園音楽大学客員教授。
     横浜生まれ。ギターを市村員章、福田進一、尾尻雅弘の各氏に、作曲を川上哲夫、中島良史の両氏に師事。ほかに、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院においてエリオット・フィスク、ホアキン・クレルチの両氏に師事。
    (2020年2月現在)
    (2020/03/18 発売)

    レーベル名:ART_INFINI
    カタログ番号:MECO-1058

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    D. スカルラッティ/タルレガ/ポンセ/ホセ:ギター作品集(ガリバイ)

    メキシコのギタリスト、パブロ・ガリベイのリサイタル・アルバムです。彼は古典的なレパートリーだけでなく、あまり知られていない作品も積極的に取り上げ、それらの解釈で高い評価を受けています。タルレガ国際コンクールを始め、16もの国際コンクールで入賞し、現在はメキシコ・シティUNAM音楽学部のギター教授を務めています。なので、期待の新進演奏家と呼ぶのは申し訳ないほどのキャリアの持ち主なのです。まずはスカルラッティのソナタを聴いてみてください。その表現力豊かな演奏は、偉大なる先人アンドレス・セゴビアを思い起こさせることでしょう。タルレガを始めとした小品も泣かせてくれます。(2011/10/19 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572727

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    スキーパ:ビクター録音全集 1 (1922 - 1925)

    美しいバロックの街、レッチェに生まれたティート・スキーパは、生地の南イタリア的美質をそのまま声に宿したような、天下の美声テノールでした。南国の楽園的陶酔感が溢れる歌で、オペラはもちろん、カンツォーネ、映画音楽、流行歌など、あらゆる分野で絶大な人気を博しました。元々作曲家を目指していたスキーパは、どのようなタイプの歌でも彼の優美さを最大限に発揮できるだけの知性もあり、そこがまた彼を偉大にしているところでもあります。このCDには1922年から24年までの30代前半の全盛期の歌がたっぷり楽しめます。スキーパの自作自演、ギター弾き語りもあるという芸達者ぶり!(2005/10/01 発売)

    レーベル名:Naxos Historical
    カタログ番号:8.110332

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    ドメニコーニ/ポンセ/ブリテン/クーパーマン:20世紀のギター作品集(カヴァナー)

    カナダ出身のギタリスト、デイル・カヴァナー。アマデウス・ギター・デュオの一員としても知られ、彼女のために書かれた曲などの世界初演も多く果たしています。このアルバムでは近現代4人の作曲家のギター独奏曲を演奏、多彩な作風による作品を紹介しています。ドメニコーニの変奏曲は良く知られるアナトリア民謡「Uzun ince bir yoldayim 私は長く細い道を旅している」を主題とした作品。寂しげな主題が華やかに姿を変えていく様子は圧巻です。ポンセの変奏曲は、バロック期からおなじみの「フォリア」を主題にしたもの。元々の意味である“常軌を逸した”の通り、第1変奏から激しい変奏が続き、最後はフーガで締めくくられます。ブリテンのノクターナルは7つの気分を持つ変奏曲の一種。20世紀におけるギター作品の名作の一つです。アメリカの作曲家クーパーマンの「Walking on the Water」はピーター・セラーズの映画からインスパイアされた作品。静かな雰囲気を持つ洒落た曲です。(2019/01/25 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573443

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    ナルバレス/ポンセ/サインス・デ・ラ・マーサ/ジラルディーノ:ギター作品集(プロール)

    このアルバムは16世紀に活躍したナルバエスから、19世紀から20世紀の作曲家、ポンセ、デ・ラ・マーサやジラルディーノまでの400年以上に渡る「グラナダの舞曲」を集めた1枚。ギターに似た楽器「ビウエラ」の名手として知られるナルバエスの技巧的な作品をはじめ、ポンセの大作「変奏曲とフーガ」、デ・ラ・マーサの活力溢れる2作品、哀愁たっぷりのジラルディーノの「ソナタ」とどの曲も異国情緒に満ちた美しい作品です。「優れたテクニック、気質、洗練、そして卓越した音楽性の持ち主」と評されるスロベニア出身の女性ギタリスト、サーニャ・プロールの演奏で。(2020/03/06 発売)

    レーベル名:IBS Classical
    カタログ番号:IBS-42012

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    ハイフェッツによるヴァイオリンとピアノのための編曲集(スー・ヨン・リー/チャートック)

    20世紀最高のカリスマ・ヴァイオリニストであったハイフェッツは、自ら演奏するレパートリーの拡大のため、そして当時のヴィルトゥオーゾのたしなみとして、数多くのヴァイオリン編曲を行いました。それにしても、こうしてそれだけを並べてみると、民謡あり、ピアノ曲あり、オーケストラ曲まるごとありと、ネタ元の広さには驚かされます。いずれの曲も、高い演奏技巧を持つほどに演奏が栄えるようになっていますが、彼の自編曲以外の楽曲の選択においてもそうであるように、過度な技巧の展覧会然とすることは避けられ、スマートにヴァイオリンの魅力をアピールすることに徹されているのは、ハイフェッツ一流の見識といえましょう。(2006/06/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.557670

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    J.S. バッハ/レゴンディ/ポンセ/パッツイチエニー:ギター作品集(コツィッチ)

    2017年、ドイツで開催された「ハインツベルク国際ギター・コンクール」の優勝者ヴォジン・コチチのリサイタル・アルバム。1990年セルビアで生まれ、チューリヒ音楽大学で学士号を取得、現在もチューリヒで研鑽を積んでいます。すでにソリストとしてオーケストラとも数多く共演をこなすなど幅広く活躍していますが、このアルバムではバッハの無伴奏パルティータ第2番全曲(彼自身の編曲による)や、レゴンディ、ポンセ、パシェツニーなどの技術的に困難なレパートリーに挑戦、なかでもポンセの長大なフーガや、パシェツニーの複雑な作品(コンクールでの課題曲)での指裁きに思わず聴き入ってしまうほど、魅力的な演奏を聴かせています。(2019/02/22 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573906

  • ブラームス/ベルガー/シュミット/ライネッケ/マルクスゼン/リスト:ピアノ作品集(ヴァクフゼン)

    (2013/11/20 発売)

    レーベル名:Charade
    カタログ番号:CHA3029

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    ホセ:ソナタ/ポンセ:主題と変奏曲と終曲/J. S. .バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番/他(ニルセ・ゴンザレス)

    2006年のタレガ国際ギターコンクールで第1位を受賞した期待の若手ニルス・ゴンザレス。彼はマドリッドの王立音楽院でホセ・ルイス・ロドリーゴに学び、デュッセルドルフのシューマン音楽院ではホアキン・クレルチから教えを受けています。このリサイタルでは、バッハのソナタを中心に様々な作曲家の作品を演奏したもので、ゴンザレスはギターの持つ可能性を最大限に引き出した、色彩感あふれる音楽を聴かせてくれます。(2007/11/14 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.570446

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    ホセ/メルツ/ポンセ/タレガ/モレノ・トローバ:ギター作品集(コルドバ)

    メキシコ生まれのギタリスト、アレハンドロ・コルドバのリサイタル・アルバム。地元のベラクスル音楽院で学んだ後、ロシアで演奏活動を行い注目を集め、これまでに2枚のアルバムをリリース、どちらも好評を博しています。いくつかのコンクールでも良い成績を収めていますが、2017年「タレガ国際ギター・コンクール」での優勝は彼の知名度を格段に引き上げ、世界的奏者としての活躍への足掛かりとなりました。ここでは得意とするポンセやトローバを演奏。巧みなテクニックと音楽性が光ります。(2019/05/24 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573972