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熊谷弘

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    柴田南雄:シンフォニア/金管六重奏のためのエッセイ/夜に詠める歌/トリムルティ(奥村淑子/岩城宏之)(NHK「現代の音楽」アーカイブシリーズ)

    学者一族に生まれ、作曲家としてだけでなく、音楽評論、音楽学者としてもその功績を讃えられた柴田南雄の作品集。自身が創立メンバーとなった「二十世紀音楽研究所」が主催する現代音楽祭では、1960年代当時の最先端の技法を取り入れた斬新な作品を数多く紹介し、自らも、それらの技法を駆使した作品を書き上げています。十二音の普及にも尽力し、音だけでなく、わかりやすい文章でも「現代音楽」の魅力を紹介したことで知られます。 ここに収録されたのは1960年代の作品が中心で、「フォニア」シリーズの第1作目である『シンフォニア』、トランペットとトロンボーン、この楽器の可能性を追求した『金管六重奏のためのエッセイ』、演奏者に曲順を選ばせるといった「不確定性」と、意味のある詩の文章が融合された『夜に詠める歌』、特殊奏法から生み出される音や、電気的に加工されたいろとりどりの音がバッハの「音楽の捧げもの」と混じり合う『トリムルティ』の4曲です。若き吉田秀和氏による含蓄溢れた解説、そして作曲家自身による対談も興味深いところです。(2011/10/05 発売)

    レーベル名:Naxos Japan
    カタログ番号:NYNG-005

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    林光:ピアノ・ソナタ第1番/プレイ I/プレイ II/受難のはじまり/JAPAN (林光/岩城宏之/田中信昭)(NHK「現代の音楽」アーカイブシリーズ)

    1931年東京に生まれ、東京藝術大学作曲科を中退するも、尾高尚忠氏に師事し、管弦楽曲から声楽曲まで多くの作品を発表した林光。あの衝撃的な合唱組曲「原爆小景」で歌われる「水ヲ下サイ」(当盤にも収録)は、誰しもが、一度聴いたら決して忘れることのない曲として知られています。日本語の響きを徹底的に追求し、宮沢賢治の音楽作品を広め、またオペラシアター「こんにゃく座」の音楽監督、作曲家としても活躍しました。鋭い問題意識は、全ての作品の奥底に横たわり、その音に限りない鋭さと深みを与えています。今回のアルバムには、前述の「水ヲ下サイ」を始め、ピアノ・ソナタ、室内楽作品、合唱作品など幅広いジャンルの曲を収録することで、稀有の作曲家の姿を捉えることに成功したと言えるでしょう。とりわけ自作自演である「ピアノ・ソナタ」の演奏はあまりにも素晴らしく、まさに矜持を正して聴くべき歴史的記録です。今回の解説も、日本の現代音楽の第一人者である川崎弘二氏が担当。作品の成立過程から意義まで詳しく読み解いています。【追悼】 1月5日、療養中の作曲家の訃報は日本中を震撼させました。アルバムを制作中だった弊社のスタッフはもちろんのこと、盟友、諸井誠氏も大きなショックを受けたそうです。なぜなら諸井氏は2012年の初夢の中で、林氏の姿を見たというのです。この衝撃的で不可思議な体験を寄稿して下さった諸井氏にも多大なる謝辞を捧げます。(2012/03/28 発売)

    レーベル名:Naxos Japan
    カタログ番号:NYNG-010

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    松下眞一:カンツォーナ・ダ・ソナーレ第1番/ゲシュタルト17/結晶/星達の息吹き/スペクトル第4番(若杉弘/山岡重信)(NHK「現代の音楽」アーカイブシリーズ)

    作曲家でもあり、日本有数の数学者でもある松下眞一の作品集です。初期の作品は、ブーレーズを始めとしたヨーロッパの前衛音楽の影響を強く受け、セリー形式や電子音楽を積極的に取り入れ、自らの語法を確立しました。この時期に書かれた『カンツォーナ・ダ・ソナーレ第1番』は、聴きようによってはフリー・ジャズ(?)とも思えるほどの即興性が感じられる興味深いものです。1965年に客員教授としてハンブルクに渡欧(数学の分野で)、滞在先でシュトックハウゼン、ペンデレツキ、ノーノら著名な作曲家たちとも交流し、サットマリーやイヴォンヌ・ロリオら演奏家たちも彼の作品を取り上げるなど、作曲家としても実り多き日を過ごしました。1970年代の後半から、作風はロマン派的なものへと回帰していくことを考えると、この当時の作品が最も前衛的であり、また様々な試みがなされたものと言えるのかもしれません。(2011/10/05 発売)

    レーベル名:Naxos Japan
    カタログ番号:NYNG-006