クレーマー, アンネマリー
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幼い頃から神童ぶりを発揮したコルンゴルト。少年時代から次々に作品を発表し、いずれも高く評価されました。この《ヴィオランタ》は18歳頃に書かれた彼の2作目の歌劇で、ヴェリズモ・オペラやプッチーニ、さらにレスピーギやリヒャルト・シュトラウスの影響も聴き取れます。初演は1916年3月、ミュンヘン国立歌劇場で、コルンゴルトのもう一つのオペラ「ポリュクラテスの指輪」とともにブルーノ・ワルターの指揮によって行われ、大成功を収めました。アンネマリー・クレーマー(ヴィオランタ)の官能的な歌唱に、ノーマン・ラインハルト(アルフォンソ)の甘やかな美声、ミヒャエル・クプファー=ラデツキー(夫シモーネ)の剛直な歌唱とが見事な対照を形作り、名匠ピンカス・スタインバーグのタクトがコルンゴルトの音楽の美しさをあますことなく引き出しています。(2020/06/19 発売)
レーベル名 | :Dynamic |
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カタログ番号 | :CDS7876 |
ある国の物語。暴君に死刑を宣告された異国の男。抗議する男の前に現れたのは、暴君の妻ヘリアーネ。男とヘリアーネは惹かれあい、ついにヘリアーネは彼に一糸まとわぬ姿を見せてしまいます。自死する男、純潔を守りながらも、男への愛はあったと告白するヘリアーネ。怒る暴君は「本当に純潔であるなら男をよみがえらせることもできるだろう」と妻に告げますが・・・。
「早熟の天才」コルンゴルトが4番目の歌劇《ヘリアーネの奇跡》を完成させたのは30歳の時。すでに、23歳の時に作曲した《死の都》で世界的評価を得ていた彼は、この《ヘリアーネ》で一層名声を高めることとなりました。コルンゴルトと同世代の表現主義作家カルトネーカーの作品を原作にしたこの歌劇の主題は、「世界は普遍的な愛で救済される」というもので、コルンゴルトは、あらすじのつじつまを合わせることよりも、官能性を前面に押し出し、ワーグナーを思わせる劇的で妖艶な音楽を付けることに終始しました。
コルンゴルトの死後、作品が忘れられてしまったのは、ナチスによって「退廃音楽」に分類されてしまったこともありますが、もう少し整理された物語であったら(例えば《死の都》のように)もっと早くに人気が再燃していたかもしれません。しかしながら、この絢爛豪華な響きを味わうことこそ、コルンゴルトを聴く醍醐味と言えるでしょう。
(2018/10/31 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.660410-12 |