カペル, ウィリアム(1922-1953)
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20世紀前半から半ばに欠けてはピアノの演奏スタイルが変動した時期でした。リストなどの流れを直接くむロマンティックな派(フリードマンやレヴィーンなど)やその衣鉢を継ぐ者(ホロヴィッツ)に加え、新思考(プロコフィエフ)や原典主義(シュナーベル)も台頭し、やがては現代につながるスタイルが現れてきました。スタイルは様々あれど、いずれも個性的かつ巨匠の風格をもった演奏家達でありました。このCDに収められているのは、そうした各様式・時代の象徴ともいうべき名ピアニスト達の演奏の数々です。(2003/11/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110783-84 |
ウィリアム・カペル(1922~1953)は、将来を嘱望されながら、わずか31歳で飛行機事故のために生命を落としたピアニストです。第2次世界大戦の影響によるナショナリズムの興隆のなかで、アメリカ生まれのピアニストとしての期待を一身に担った人でした。その若々しいひたむきさとテクニックの冴えは、物憂げな容貌ともあいまってファンを魅了しました。ここで弾いているロシアの作曲家たちの作品は、いずれも彼がオハコとしたもの。特にハチャトリアンのピアノ協奏曲は彼の代名詞のようになったもので、冷戦直前のアメリカで高い人気を得ました。(山崎浩太郎)(2002/01/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110673 |
通常「ヴァイオリン・ソナタ」と呼ばれる作品は、正式には「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」であることが多く、このCDに収められた3作品もそれに該当します。しかし実際に演奏されるときは、ヴァイオリニスト+伴奏者という形態になりますが、もしこれが伴奏者ではなく「ピアニスト」であったら・・・。ハイフェッツの伴奏者として有名だったのは、エマニュエル・ベイとブルックス・スミス等でしたが、このCDではハイフェッツの横に並ぶ形で、ラフマニノフと並ぶ巨人であったモイセイヴィッチ、夭折のヴィルトゥオーゾ=カペル、そして"あの"ルービンシュタインが「ピアニスト」として演奏に参加しています。強烈な個性を持つもの同士のこのような"競"演は、今では聴かれることのないスリリングなものです。(2005/05/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110990 |
若くしてその才能を発揮し、とりわけアルトゥール・ルービンシュタインの熱烈な賞賛を受けたカペル。ラフマニノフの3番協奏曲に代表されるように、逞しい技巧と細かなパッセージをすかし細工のように浮かび上がらせる緻密さを併せ持つ一方で、小曲の起承転結のまとめ方の巧みさを持ち、緩やかなテンポのメロディーを歌わせる技にも長けた、19世紀的なオールラウンド型のヴィルトゥオーゾでした。ラフマニノフのチェロとピアノのためのソナタの録音は、3楽章のみ残しているホロヴィッツを除き、この高みまでに達したものがほかにあるか疑問でしょう。シュナーベルからアドバイスを受けたとされるベートーヴェンの2番協奏曲も磨き上げられた演奏で、やはり2楽章の歌わせぶりが秀でています。(2005/09/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110767 |
わずか31歳にして事故でなくなったカペルは、長生きしたのならばまごうことなく、一大巨匠へと成長したでしょう。残された録音からも、彼が協奏曲を中心とした大曲を好み、過度なロマンティシズムを回避しつつも、衒学的な小粒のピアニストではなかったことが歴然としています。はったり・ごまかしのない技巧、音楽解釈に対するアプローチは研ぎ澄まされていながら常に余裕を感じさせるもの。カペルの録音は、1980年代頃から日本でも知る人ぞ知るようになり、そのスタイルは、現代の演奏家にも「過去の伝統の検証」としてではなく、よき見本として賞賛され続けています。(2002/06/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110692 |