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マックスウェル・デイヴィス, ピーター(1934-2016)

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    マックスウェル・デイヴィス:交響曲第3番/クロス・レーン・フェア(BBCフィル/マックスウェル・デイヴィス)

    様々な要素をたくさん詰めたマックスウェル・デイヴィス(1924-)の作品は、熱狂的なファンを多く生み出していますが、この交響曲第3番と、クロス・レーン・フェアは、まさに「カオス的な美しさ」に満ち溢れた作品といえるでしょう。交響曲第3番はルネサンス建築にも似た構造を持ち、静謐な中世の聖歌と、劇的な感情が交錯する中に漂う幻影と鳥の声、激しい波が打ち寄せる海岸の風景などが見え隠れします。聴き手は自由な幻想を巡らせ、音の流れに身を任せるばかり。「クロス~」は、作曲家が子ども時代に訪れた遊園地の思い出に触発された作品で、アイルランドの伝統楽器と室内オーケストラのための小粋な曲です。(2012/08/22 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572350

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    マックスウェル・デイヴィス:歌劇「復活」(ジョーンズ/ロブソン/ヒル/ジェンキンス/BBCフィル/マックスウェル・デイヴィス)

    この作品は、マクスウェル・ディヴィス(1934-)がプリンストン大学で学んでいた1960年代から着想されていたものです。しかしそれは結局1980年代まで実現することはなく、最終的に完成、上演されたのは1987年ドイツのダルムシュタットでした。作品はさすがに彼らしく、様々な要素が内包されていて、とても一言では言い尽くせません。まさに「暴力的な多様性」を秘めた作品です。登場人物だけを取り上げてみても異様です。何しろ、テレビ広告の声や、ロック・バンドまで登場するのですから。手術台に載せられ脳の手術を受けた英雄は、その痛みや不快感をナンセンスな歌で外科医に伝え、救世主の復活はテレビコマーシャルで伝えられます。英雄は等身大の人形で、家族の中の母の役割ははカウンターテナーが受け持ちます。随所に猫の歌が挿入され、様々な楽器は調子はずれの曲を流し続けます。雑多なものが詰め込まれている風を装いながら、実は社会への痛烈な批判が込められているあたりが、この作曲家のすごいところでしょう。(2014/09/24 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660359-60

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    マックスウェル・デイヴィス:交響曲第6番/タイム・アンド・ザ・レイヴン/アン・オークニー・ウェディング・ウィズ・サンライズ(ロイヤル・フィル/マックスウェル・デイヴィス)

    1996年前半に作曲された「交響曲第6番」は演奏時間に50分近くを要する大作です。国連発足50周年の記念として委嘱された作品で、3つの楽章からなる神秘的な音楽です。第1楽章はゆったりとした序奏で始まりますが、そのうち何やら騒がしくなり諧謔的なメロディが交錯し、静と動が捻じれながら進行していきます。第2楽章も基本的にアダージョですが、動的なイメージの強い音楽です。そして第3楽章ではデイヴィスの特徴とも言える「反発する世界観」が炸裂。曲全体として遅いテンポを取りながらも、時に爆発する音が聴き手にカタルシスをもたらすのです。スコットランドの画家ジョン・ベラミーの絵画からインスピレーションを得た「時と大鴉」、バグパイプの素朴な音色と鄙びたメロディが妙なこそばゆさを醸し出す「オークニーの~」…ボストン・ポップス・オーケストラのために書かれた…の全3曲。(2012/12/19 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572352

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    マックスウェル・デイヴィス:ストラスクライド 協奏曲第2番/チェロ・ソナタ(チェカンティ/カニーノ/イタリア放送響/マックスウェル・デイヴィス)

    マックスウェル=デイヴィス(1934-)の「ストラスクライド協奏曲」とは、スコットランドのストラスクライド社から作曲を委嘱された10曲からなる協奏曲のシリーズのこと。1987年から1996年にかけて作曲され、各々オーボエ、チェロ、クラリネット、フルート、コントラバス、ファゴット、ホルンとトランペットの二重協奏曲、ヴァイオリン、ヴィオラ、木管六重奏と管弦楽の合奏による協奏曲として書かれています。曲調は全体的に渋めであり、決して一般受けするものではありませんが、この作曲家が好きな人にはたまらない世界観が広がっています。チェリストのチェカンティは作曲家の親しい友人であり、「セクエンツィア・セルペンティゲナ」も舞曲もチェカンティなしには成立しません。最後に置かれた小さな曲はまさにチェカンティのためのものであり、彼のプライヴェートな演奏会(バッハの無伴奏組曲第6番)が終わったあと、マックスウェル=デイヴィスが、アンコールピースとして手書きで譜面を作成したという微笑ましいものです。(2013/05/22 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573017

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    マスクウェル・デイヴィス:組曲「ボーイフレンド」/組曲「肉体の悪魔」/7つのイン・ノミネ/黄色のケーキの音楽(マッスクウェル・デイヴィス/アクエリアス/クレオバリー)

    あの一連の「ストラスクライド協奏曲」では難解で晦渋な作風を見せているマックスウェル・デイヴィス(1934-)ですが、このアルバムに収録されている劇音楽や映画音楽での彼の作風は180°違うものもあり、この作曲家の振れ幅の大きさには唖然とする他ないでしょう。最も初期の作品である「7つのイン・ノミネ」はルネサンス時代の作曲家ジョン・タヴァナーのミサ曲のメロディから派生したメロディが様々に形を変えて行くものです。組曲「ボーイフレンド」と「肉体の悪魔」はどちらも鬼才ケン・ラッセルの映画のためのものですが、ここにデイヴィスは、究極にパロディ化した音楽を充てているのが面白いところです。本編の映画を見たくなる人も多いかもしれませんが、もしかしたら現在は(あまりにも過激な映像のため?)入手は困難かもしれません。もちろんオークニー、メインランドの近くで発見された「イエローケーキ」も入手は不可能です。(2014/04/23 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572408

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    マックスウェル・デイヴィス:黒いペンテコステ/石の連祷(ジョーンズ/ ウィルソン・ジョンソン/BBCフィル/マックスウェル・デイヴィス)

    21世紀におけるイギリスの作曲家の中で、最も尊敬されている人…それはこのマクスウェル・デイヴィス(1934-)かも知れません。彼は前衛的な世代でも抜きん出た才能を持っていますが、同時に過去の大作曲家、エルガー、ティペットやブリテンらの正統的な後継者としての一面も有しています。彼は45年近くもオークニー諸島に住み、ここの風景に触発され、難解でありながらも素晴らしい作品を書き続けています。「黒いペンテコステ」は、同じく彼の作品である「イエローケーキ」と同じく環境破壊についての熱の篭った嘆願であり、マーラーの「大地の歌」やツェムリンスキーの「叙情交響曲」と同じラインにある作品と位置づけてもよいのかもしれません。曲はサイモン・ラトルとフィルハーモニア管によって1982年に初演されています。各楽器の色彩的な音色とメゾ・ソプラノによる歌唱は衝撃的でもあり感傷的でもあります。「石の連投」もやはりオークニー諸島の物語。新石器時代の古墳の壁に刻まれた碑文-ヴァイキングの略奪-に触発された、幽玄な風景を連想させる不思議な曲です。(2014/10/22 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572359

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    マックスウェル・デイヴィス:交響曲第1番/ラスベガスのメイヴィス(BBCフィル/マックスウェル・デイヴィス)

    1973年当時、豊かな自然に溢れたオークニー諸島に移住していたマックスウェル=デイヴィスは、ジョージ・マッカイ・ブラウンの詩に触発された小さな作品を構想します。この地の風景と、圧倒的な海の存在感を描くべく書かれた「ブラック・ペンテコスト」というその曲ができた時、作曲家自身も、これが大きな交響曲になるとは思ってもいなかったと言います。そのほぼ3年後、4つの楽章を持つ「交響曲第1番」として完成したこの作品には、彼らしい魔術的雰囲気と、混沌とした風景がないまぜとなった創造性に満ちた音楽が溢れています。ディヴィス自身は「シベリウスの5番の和音で終わる」と説明していますが、その面影が聞き取れるでしょうか?「ラスベガスのメイヴィス」は1995年、彼が自作を演奏するためにアメリカを訪れた時の印象を描いたもの。メイヴィスとは、彼の名前をコンピューターに登録する際、この短縮形の方が都合が良かったからだそうです。(2012/04/18 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572348

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    マックスウェル・デイヴィス:交響曲第2番/セント・トーマス・ウェイク(BBCフィル/マックスウェル・デイヴィス)

    現代的な手法と神秘主義、これらの相反する観念を見事に音楽上で結びつけることに成功したイギリスの作曲家マクスウェル・デイヴィス。このアルバムでは彼の「海の交響曲」と呼ぶべき第2交響曲を存分に楽しむことが可能です。彼自身がこの作品のために数多くの示唆的な言葉を寄せています。自宅の窓から見える海について、また海を渡る風について、波の波形について・・・。もちろん彼はそんな目に見える事象を忠実に音楽でなぞるわけもなく、独特のフィルターを通して、全く別のものとして再現します。しかし出来上がった音楽には巨大な波や、点在する岩など、海以上の物を感じられます。まさに自然への畏怖が感じられるのではないでしょうか。もう1曲の「聖トーマスよ、目覚めよ」は作曲家が第ニ次世界大戦中の記憶を呼び覚ましたという、不穏なパロディです。曲が進むにつれ「フォックストロット」(舞曲の一種)と名付けられた意味がわかることでしょう。(2012/06/20 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572349

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    マックスウェル・デイヴィス:交響曲第4番、第5番(スコットランド室内管/マックスウェル・デイヴィス)

    驚くほど特異な世界を描き出す作曲家マックスウェル・デイヴィス(1934-)。彼の8曲ある交響曲はどれもストーリー性を持ち、それは荒れ狂う海であったり、何層にも塗り重ねられた雲の色であったり、と聴き手の想像力を限界まで酷使するわかりやすさと難解さを合わせ持つものです。このアルバムに収録された第4番と第5番は対照的な作風を持っていて、第4番は、形式こそ古典的でありながらも、そこにはひたすら音を重ね合わせた抽象的な世界が存在するという曲で、広大な砂漠をさまようかのような幻想的な雰囲気を味わうことができそうです。単一楽章で書かれた第5番は、音の蠢きの中に様々な風景が描きこまれていて、そこには近代的な街並みも、波のうねりも全て封じ込められています。何かを想いながら音を聴くのが好きな人に。(2012/10/24 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572351

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    マックスウェル・デイヴィス:室内オペラ「灯台」(マッキー/ケイト/コンボイ/BBCフィルのメンバー/マックスウェル・デイヴィス)

    マクスウェル・デイヴィス(1934-)による悪夢のような室内オペラの初演録音盤の復活です。この歌劇は、1900年に起こった「フラナン諸島、アイリーン・モア島における3人の灯台守失踪事件」を元にして、デイヴィスが想像の限りを尽くして台本を書き上げたものです。もともとアイリーン・モア島には「侵入者を歓迎しない妖精がいる」という伝説があったのですが、この付近の海は難所であったため、船の安全を確保するために1899年に灯台が建造され、3人の男たちが灯台守として勤務していました。しかし、その翌年になって、近くを通った船が連絡を取ったところ、誰も応答せず、不審に思った別の船の船員が、この灯台を調べたところ3人の姿は跡形もなく消えていたというのです。この事件については様々な憶測がなされましたが、結局のところ満足の行く答えが出ることはなく、今も真相は謎のまま。さて、このデイヴィスが用意した結末は、真相を導き出しているのでしょうか?やはり、いろいろな物が消えてしまうのは、悪霊の仕業でしょうか?それとも・・・。(2014/06/25 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.660354