ヤルヴィ, クリスチャン(1972-)
Search results:1 件 見つかりました。
リヒャルト・シュトラウスの晩年の名作「メタモルフォーゼン」は、第二次世界大戦の末期である1944年から1945年の初めに、ガルミッシュの山荘で作曲されました。大戦によって愛するドイツの町なみ、劇場、音楽ホールが次々を破壊され、ドイツの文化の伝統すらも崩壊していく様子を目の当たりにしたシュトラウスは、悲しみの中で、ベートーヴェンの交響曲第3番の第2楽章「葬送行進曲」のメロディを主題とし、自由で悲痛な変奏曲を書き上げたのでした。シュトラウスはこの曲を生前に発表するつもりはなかったのですが、パウル・ザッハーとチューリヒ・コレギウム・ムジクムによって1946年に初演され、そのままザッハーに献呈されたものです。このアルバムでは、この曲の持つ強い意思を尊重し、前後に現代作曲家ダニエル・シュニーダーによる「反戦の声」を内包した作品を配置して、戦うことの空しさを伝えています。クリスチャン・ヤルヴィの指揮は、冷徹な目を光らせながらも決して耽溺することなく、作品の持つ色合いや感情を切り取ってみせてくれるもの。はっとするような美しさが際立つ演奏です。(2014/07/23 発売)
レーベル名 | :Marsyas |
---|---|
カタログ番号 | :MAR-1808 |