浮ヶ谷孝夫(1953-)
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今世紀初めにウィーンに生まれたクルシェネクの交響曲集です。彼が20歳そこそこで書いた「第1番」はシェルヘンの指揮の下で初演され、好評を博したようです。注目すべきことは、この若造の作品が極めて熟達した作曲技法・管弦楽法により作られた大曲・難曲であること!9つの部分からなり、切れ目なく演奏されますが、無調ではあるものの後期ロマン派的クロマティシズムの中でいかにも「これが絶対音楽だ」的な楽想が展開されます。「第5番」は彼の最後の交響曲ですが「作品がより演奏されることを選ぶか、それとも己の信ずる道をひたすら歩むか」の葛藤の中で作曲され、一時傾斜したセリー技法をほぼ捨てています。この過程でミトロプーロスの「聴衆が君を忘れたのは、君が聴衆のことを忘れているからだ」という忠告が効いたようです。確かに彼の抽象的楽想は当時の一般聴衆には敬遠すべきものだったかも知れません。とは言え、この曲は結構面白い。(1987/10/01 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :999359-2 |