Waltle, Christoph
Search results:1 件 見つかりました。
ある国の物語。暴君に死刑を宣告された異国の男。抗議する男の前に現れたのは、暴君の妻ヘリアーネ。男とヘリアーネは惹かれあい、ついにヘリアーネは彼に一糸まとわぬ姿を見せてしまいます。自死する男、純潔を守りながらも、男への愛はあったと告白するヘリアーネ。怒る暴君は「本当に純潔であるなら男をよみがえらせることもできるだろう」と妻に告げますが・・・。
「早熟の天才」コルンゴルトが4番目の歌劇《ヘリアーネの奇跡》を完成させたのは30歳の時。すでに、23歳の時に作曲した《死の都》で世界的評価を得ていた彼は、この《ヘリアーネ》で一層名声を高めることとなりました。コルンゴルトと同世代の表現主義作家カルトネーカーの作品を原作にしたこの歌劇の主題は、「世界は普遍的な愛で救済される」というもので、コルンゴルトは、あらすじのつじつまを合わせることよりも、官能性を前面に押し出し、ワーグナーを思わせる劇的で妖艶な音楽を付けることに終始しました。
コルンゴルトの死後、作品が忘れられてしまったのは、ナチスによって「退廃音楽」に分類されてしまったこともありますが、もう少し整理された物語であったら(例えば《死の都》のように)もっと早くに人気が再燃していたかもしれません。しかしながら、この絢爛豪華な響きを味わうことこそ、コルンゴルトを聴く醍醐味と言えるでしょう。
(2018/10/31 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.660410-12 |