デュピュイ, デルフィーヌ
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ロバート・トレヴィーノとバスク国立管弦楽団による2枚目のアルバムは、19世紀から20世紀にかけて活躍した4人のアメリカ人作曲家の作品集。アメリカ生まれのトレヴィーノはこのCDの原盤解説(英語)の中で「ガーシュウィン、コープランド、バーンスタインだけがアメリカ音楽ではない」「多様な文化的背景を持った個人が相互に感化し、影響し、結びつきながら大きな理想を追求してゆくことがアメリカ的」と語り、作風の異なる4人の作曲家を通して、見過ごされがちなアメリカ音楽の側面を伝えます。チャールズ・マーティン・レフラーはベルリンに生まれ、欧州を転々とした後に1882年に渡米し、ボストン交響楽団のヴァイオリン奏者としても活躍しました。「アルザスの作曲家」と自称し、その作風はフランス印象派の流れを感じさせます。メーテルリンクの人形芝居に想を得た「ティンタジールの死」は26分ほどの堂々たる交響詩で、レフラーが好んだヴィオラ・ダモーレが活躍します。評論家のティム・ペイジはこの作品を「リムスキー=コルサコフの『シェエラザード』をフォーレがオーケストレーションし直したものと思えばイメージがつかめるだろう」と評しています。「無調の人」として知られるカール・ラッグルズは、生前は作曲よりも絵を描くことを好んだというエピソードがあります。残された音楽作品は極端に少ないながら、その厳格で突き詰めた作曲技法は近年再評価されています。「エヴォケーション」は4楽章で10分ほどの曲。ラッグルズの特徴である緻密な管弦楽法が示されています。3人目は保守的な新ロマン主義音楽の作曲家ハワード・ハンソン。「夜明け前」は彼の若き日の作品で、今回が世界初録音となります。7分弱の短い曲ですが、リヒャルト・シュトラウスを思わせる壮大な響きで雄大な自然が感じさせます。ヘンリー・カウエルはトーン・クラスターなど実験音楽で知られる人。その先進的な作風は後続世代に大きな影響を与えました。演奏時間20分ほどの「オーケストラのための変奏曲」は後期の作品。実験的な要素は影をひそめているものの、サックスの美しい響きや、ピアノやパーカッションの活躍など、次々と変化する情景が見事です。 (2021/10/08 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1396-2 |