ウォルムス, ギレム
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【本場ヴェルサイユ発。イタリア風味のフランス音楽を通じて描かれる女性たち】フランスの古楽シーン最前線をゆく若き俊才たちが、解像度の高いフランス・バロック解釈を聴かせてくれる声楽作品集。フランス語の詩や台本の持ち味を最大限生かしながら、そこにイタリア由来の音楽様式を接ぎ木して生まれたルイ14世時代のフランス宮廷音楽様式。そうしたルーツをふまえつつ、イタリア語の作品も交えてその魅力を探るプログラムが興味深く起伏に富んでおり、長めのカンタート(フランス式カンタータ)でも短い歌曲でも、演奏は深い味わいに満ちています。歌い手は、ル・ポエム・アルモニークやレ・クリ・ド・パリなど一流アンサンブルに加わり着実に実績を上げてきたヴィクトワール・ビュネル、レザ―ル・フロリサンやピグマリオン、カペラ・メディテラネアなどの注目公演で存在感を発揮してきたアンナ・レイノルト、古楽に縛られない歌劇界での活躍も目立つギレム・ヴォルムスの3人。さまざまなアンサンブルで活躍する古楽器奏者たちが集うアンサンブル・イル・カラヴァッジョも古楽器それぞれの音色をよく生かして声を支え、団体名の由来となった画家の作風にも通じるコントラスト鮮やかな解釈で耳を惹きつけてやみません。選曲のテーマは「女主人公たち」。運命に翻弄されながら自らの人生を選び取ってゆく伝説上の女性たちから酒飲み男の恋慕の歌まで、描き出される女性像の多彩さも魅力の一つ。作曲家たちそれぞれの個性がよく際立つ選曲にもなっており、フランス古楽を聴き深めてゆく上でも参考になる学びの多い1枚と言ってよいでしょう。(2023/05/26 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS090 |
【《優雅なインドの国々》と同年の作。謎多き女性作曲家による東洋への憧憬が滲む秘曲】《イポリートとアリシ》(1733)と《優雅なインドの国々》(1735/36)でラモーが新たな時代の寵児となりつつあったパリのオペラ座で、1736年に初演された女性作曲家デュヴァル嬢の《精霊たち、または恋の諸相》全曲録音。才能豊かな女性が多かった17~18世紀のフランスにあってもオペラの作曲は圧倒的に男性優位で、パリの王立音楽アカデミー歌劇場(オペラ座)で女性作曲家の作品が扱われたのは1694年のジャケ・ド・ラ・ゲル《セファルとプロクリス》(本盤と同じレーベルからの世界初全曲録音〔CVS119〕参照)が初、それ以降デュヴァル嬢の作品まで40年以上も全く例がなく、1784年にボーメニル嬢の新作がこれに続いたきりフランス革命までは女性作曲家のオペラは一切披露されませんでした。作曲者デュヴァル嬢は高位聖職者とオペラ座の舞踏家の間に生まれた婚外子で、1730年にオペラ座の合唱団員になったものの翌年とある不祥事に巻き込まれ離職。数年パリから離れた後、実父の後援で《精霊たち》の初演が実現、当人も鍵盤奏者として参画しました。やや保守的ながらイタリア流の歌謡性にも事欠かない作風は当時こそ人気につながらなかったものの、21世紀フランスのすぐれた古楽演奏家たちによるみずみずしい解釈は、様々な精霊が多様な恋物語を繰り広げる作品の味わいを十全に引き出し魅力が尽きません。ペルボスト、ヴァリケット、レノルドら上り調子の歌手たちが聴かせる歌唱が紡ぎ出すバロック音楽劇を、古楽器それぞれの音色美とスリリングなアンサンブルが魅力的なアンサンブル・イル・カラヴァッジョの充実オーケストラが支え、多数の舞曲トラックも起伏豊かに楽しませてくれます。(2024/02/09 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS121 |
【フランス近代屈指の巨匠による幻のオペラ、出身国ベルギーで満を持しての全曲録音!】オランダ領時代のベルギーで生まれ、後年フランスに渡り同国のユニークな近代音楽の発展に大きな足跡を残したセザール・フランク。その代表作であるヴァイオリン・ソナタや交響曲とほぼ同時期、1885年に完成した大作オペラ《フルダ》の全曲録音が、満を持してフランス語圏ベルギーを代表するオーケストラと合唱団によって完遂されました。同作は南西ドイツ放送の肝いりで2021年にもNAXOSから全曲盤が出ています(8.660480)が、フランス語圏、それも作曲家の故郷ベルギーにおいて、19世紀音楽の復権に意欲を注ぐロマン派フランス音楽センター(Palazetto Bru Zane)の全面協力のもと、Bru Zaneレーベルならではの充実記事満載のブックレット(160ページ/仏語、英語)を添えた最新録音が登場する意義は計り知れません。フランスでも注目度が増しつつあったワーグナーの楽劇を横目に、中世ノルウェーの氏族間に起こった愛憎物語を全4幕で描き上げたこの大作、作曲家の生前には上演の機会を得られず、その歿後4年が過ぎた1894年にモンテカルロで初演された後も殆ど顧みられませんでした。今回の録音では初演直後、1895年頃にパリのシュダン社から刊行された初出版総譜を参照しており、ノーカットを謳ったNAXOSでのファブリス・ボロン指揮による録音(シュダン社版を元に、ハンブルクのシコルスキ社による資料を参照)にも含まれなかった部分があり、さらに歌詞の選択でも一部異なる解釈がなされているとのこと。ハンガリーの俊才マダラシュのタクトのもと、ベルギーの楽団と合唱団は緻密な一体感で充実した書法を形にし、復讐に燃える主役フルダを演じるジェニファー・ホロウェイの他にもジャンス、ファン・ヴァンロイ、モントヴィダスら注目歌手たちがそれぞれに劇的存在感を強く発揮して物語を織り上げてゆく演奏解釈は実に見事。管弦楽付き合唱曲にも名作の多いフランク後期の音楽世界がいかに豊かな境地に到達していたか、これほどの大作で改めて知ることができる喜びは計り知れません。※ 当作品は従来フランス語読みで《ユルダ》と表記してきましたが、当盤においては《フルダ》と呼ばれていることから名称も《フルダ》と改めました。なお登場人物の名前の読みについても、同様に改めております。(2023/06/23 発売)
レーベル名 | :Bru Zane |
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カタログ番号 | :BZ1052 |