トラークル, ゲオルク(1887-1914)
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ストラヴィンスキーやシェーンベルクにおける明晰な解釈が知られる指揮者ロバート・クラフト。そんな彼がヴェーベルンに魅了されるのも当然のことでしょう。作品数こそ少ないですが、そのどれもが捉え難いほど魅力と感性に溢れたヴェーベルンの作品は、演奏家にとっても聴き手にとってもまるで宝の山と言えるのですから。このアルバムには、歌声すらも一つの音を構築する響きとして使われている声楽曲と、いくつもの音の層から出来た精緻な織物である「バッハのリチェルカーレ」が収録されています。彼の歌曲は編成が特殊なため演奏が困難とされていますので、これはとても貴重な1枚になることでしょう。(2009/09/16 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557531 |
1897年ウィーンの仕立て屋の家庭に生まれ、9人兄弟の一人として育ったブルガー。故郷で指揮者や指導者として活躍しながら作曲も行いましたが、反ユダヤ主義とナチスの台頭のため追放の身となってしまいました。ヨーロッパ各地を経てアメリカへ渡り、メトロポリタン歌劇場でコレペティトールとして、20世紀を代表する多くの歌手の指導を行いながらも、彼自身の夢であった自らの作品が演奏されるのを聴くことは、彼が90歳を過ぎてからやっと叶ったといいます。このアルバムは彼の歌曲を体系的に集めた初めてのもので、彼が大切に守り続けたロマンティシズムを湛えた作品を収めており、それらは失われた世界の遺産とも呼べる貴重なものです。古くは1915年の作品から聴くことが出来ますが、最後に収められた「さらば、ウィーン」は、ニューヨークで1988年に遠い故郷を想って書かれたもので、作曲者自身がピアノを弾きながら歌った録音も聴くことが出来ます。追放の人生を背負うことはたいへん重く、彼の芸術活動もしばしば困難を伴いました。そして子供のいなかった彼にとってその作品は、自分の大切な子供そのものでした。このアルバムが、彼の子供たちを世に送り出す良い契機になることでしょう。バリトンのロスはアメリカ、メゾのキャメロンはウェールズ出身で、それぞれの国で活躍しつつ後進の指導にもあたっています。(2020/01/31 発売)
レーベル名 | :Willowhayne Records |
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カタログ番号 | :SPM001 |
2011年に起きた東日本大震災は、作曲家、細川俊夫の心にも大きな影響を与えました。「人間と自然との一体化、美しい交感を音楽で表現する」ことを心掛ける細川は、この悲劇を知って何曲かの音楽を作曲し、改めて「自然の凶暴さ、恐ろしさ」を伝えています。大太鼓の律動の上に折り重なるメロディが静かな悲しみの歌へと成長する《冥想》は音楽による追悼。シャーマンの祈りを2人のソプラノが歌い紡ぐ《嵐のあとに》。ザルツブルク生まれの詩人ゲオルク・トラークルの詩を用いた《嘆き》は暗い海を越えて響く嘆きの声(2013年、ザルツブルク音楽祭から委嘱されたこの作品は、2015年に藤村実穂子のために改訂され、このアルバムでも彼女がソリストを務めています。)。人と自然の関わりを尺八とオーケストラのアンサンブルで描き出した《秋風》。この4つの作品は、全ての聴き手の心に深い感銘を与えるとともに、鋭い問いを投げかけています。(2018/07/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573733 |
オーストリアの表現主義作家ゲオルク・トラークルの詩を用いて書かれた歌曲集「生まれない孫たち」。指揮者・作曲家として活躍するファブリース・ボロンのこの作品は、もともと2014年にテノール、ソプラノ、室内オーケストラのために書かれたもので、2021年にエレクトリック・チェロと歌のために改訂されました。奇妙なタイトルは、トラークルの詩の最終行に由来し、第一次世界大戦で兵士の亡骸を目にしたトラークルの「もう彼には決して孫や子孫が生まれることはない」という悲痛な心の叫びが凝縮されています。ピッツィカートをはじめとした多彩な音色を活かした、時にはグロテスクとも言えるエレクトリック・チェロの響きにのって歌いかわすソプラノとテノールの印象的な歌唱は、現代音楽の予期せぬ新しい方向性を切り開くものとして注目されることでしょう。また、ボロンがチェリストの妻に捧げた作品「コーダニアの秘密の花園」は、多重録音を駆使したエレクトリック・チェロのための刺激的な作品です。(2022/12/09 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.574456 |