レフラー, チャールズ・マーティン(1861-1935)
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ボストンで活躍したレフラーの、それぞれに仕掛けのある弦楽のための室内楽曲たちです。「4つの弦楽器のための音楽」は、第1次大戦で戦死したパイロットを悼む音楽で、全曲から悲しみの感情がうかがえますが、第2楽章ではチェロが特殊な調弦をすることによって、通常ではこの楽器が出すことのできない低音(楽章終結部では何と短6度低いミまで!) を出し、絶妙な効果を上げています。またヴァイオリンを3つにする、というのは弦楽五重奏曲としては変り種の編成ですが、見事にその編成の妙が活かされており、こちらでも高音域で絡み合う3本の線という、他ではあまりない響きを聴くことができます。(2003/10/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.559077 |
【美曲!フランス印象主義とドイツ・ロマン派の合流点、レフラーの八重奏曲】ベルリン郊外に生まれた後ヴァイオリニストとして1882年に渡米、当時誕生2シーズン目を迎えていたボストン交響楽団の副コンサートマスターをおよそ20年務めたチャールズ・マーティン・レフラー。彼の作品は在任中からボストンで演奏されて高い人気を誇り、その回数は生涯の間で117回にも及んだと言います。今回初録音となった八重奏曲は、1897年に2回だけ演奏されたのちは演奏も出版も録音も行われておらず、その自筆譜は、自作に厳しかったレフラーの手で度重なる改訂が行われた形跡を残したまま、議会図書館で眠っていました。クラリネット奏者、作曲家のグレアム・スティール・ジョンソンは世界的パンデミックの間にその複写を入手。演奏出来る形に整理し、今回の初録音に臨むことになりました。自身の出身をアルザスだと称していたという彼の作風は、フランス印象派の影響を大きく受けていますが、この八重奏曲はブラームスなどドイツ・ロマン派の香りも強く感じさせ、聴き応えのあるたいへん美しいものです。今後室内楽の定番レパートリーとして定着する可能性も高い立派な作品。オープニングはやはりジョンソンの編曲したドビュッシーの「牧神」。最後はアルバム・タイトルにもなっているレフラーの歌曲「忘れられた響き」をクラリネットとハープが美しく奏でて閉じられます。(2024/06/14 発売)
レーベル名 | :Delos |
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カタログ番号 | :DE3603 |
ロバート・トレヴィーノとバスク国立管弦楽団による2枚目のアルバムは、19世紀から20世紀にかけて活躍した4人のアメリカ人作曲家の作品集。アメリカ生まれのトレヴィーノはこのCDの原盤解説(英語)の中で「ガーシュウィン、コープランド、バーンスタインだけがアメリカ音楽ではない」「多様な文化的背景を持った個人が相互に感化し、影響し、結びつきながら大きな理想を追求してゆくことがアメリカ的」と語り、作風の異なる4人の作曲家を通して、見過ごされがちなアメリカ音楽の側面を伝えます。チャールズ・マーティン・レフラーはベルリンに生まれ、欧州を転々とした後に1882年に渡米し、ボストン交響楽団のヴァイオリン奏者としても活躍しました。「アルザスの作曲家」と自称し、その作風はフランス印象派の流れを感じさせます。メーテルリンクの人形芝居に想を得た「ティンタジールの死」は26分ほどの堂々たる交響詩で、レフラーが好んだヴィオラ・ダモーレが活躍します。評論家のティム・ペイジはこの作品を「リムスキー=コルサコフの『シェエラザード』をフォーレがオーケストレーションし直したものと思えばイメージがつかめるだろう」と評しています。「無調の人」として知られるカール・ラッグルズは、生前は作曲よりも絵を描くことを好んだというエピソードがあります。残された音楽作品は極端に少ないながら、その厳格で突き詰めた作曲技法は近年再評価されています。「エヴォケーション」は4楽章で10分ほどの曲。ラッグルズの特徴である緻密な管弦楽法が示されています。3人目は保守的な新ロマン主義音楽の作曲家ハワード・ハンソン。「夜明け前」は彼の若き日の作品で、今回が世界初録音となります。7分弱の短い曲ですが、リヒャルト・シュトラウスを思わせる壮大な響きで雄大な自然が感じさせます。ヘンリー・カウエルはトーン・クラスターなど実験音楽で知られる人。その先進的な作風は後続世代に大きな影響を与えました。演奏時間20分ほどの「オーケストラのための変奏曲」は後期の作品。実験的な要素は影をひそめているものの、サックスの美しい響きや、ピアノやパーカッションの活躍など、次々と変化する情景が見事です。 (2021/10/08 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1396-2 |