イザーク, ハインリヒ(1455-1517)
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既発アルバム「フーガの技法」(999058-2)で、斬新な演奏を聴かせたベルリン・サクソフォン四重奏団による新譜は、中世の音楽をモダン楽器で聴く喜びを心行くまで堪能する1枚です。16世紀に書かれた多くの作品は、特定の楽器を割り当てることをしていません。そのため、フルートのために書かれた箇所をリュートやビオラ・ダ・ガンバで演奏することは全く問題ないようです。そんな中世時代の様々な曲を研究し、1845年頃に開発されたサクソフォンの豊富な音色に置き換えてみたらこのようなステキなアルバムになりました。創造力に富んだ編曲も聴きどころの一つです。サクソフォンの明瞭な音色は、入り組んだポリフォニーを明確に解きほぐし、全く新鮮な音楽として聞かせてくれることでしょう。(2011/03/16 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :777581-2 |
【中世とルネサンス、瞑想的な20世紀音楽。眠りと死をたゆたう静謐な合唱空間】古楽レパートリーに希有ともいえる適性を見せながら、アルバム作りに際しては必ず20世紀以降の作品など近現代の要素をバロック以前の音楽に交え、あくまでオーガニックな響きを保ちながら常に新鮮な音楽体験へ誘ってくれるフランスの声楽アンサンブル、ラ・タンペート。これまでにも近東伝統歌謡とドイツ初期バロック、ないしマショーとストラヴィンスキーなどを並列的に扱ったユニークなアルバムをリリースしていますが、今回のテーマは「眠りと死」。表題のヒュプノスとは古代ギリシャの眠りの神で(「催眠術」をあらわす欧州言語ヒュプノシスの語源)、神話では兄弟のタナトス(死の神)とともに夜の女神から生まれたとされています。指揮者ベスティオンは原初のキリスト教会における礼拝を想像上で自由に再現することを意識しながら、西と東が交わるギリシャの地にも思いを馳せつつ、ほのかな異界感を漂わせたグレゴリオ聖歌以前のカトリック聖歌にまで遡る、ルネサンス以前の音楽を味わい深いア・カペラ中心の響きで今に甦らせてゆきます。それらの音と違和感なく並ぶ20世紀作品もみな自然な響きの魅力を活かした楽曲ばかり。ピュアな和声感に二度や七度の不協和なはずの音の重なりが自然と隣り合うサウンドは、ラ・タンペートのやや東洋的趣きも感じられる独特な古楽歌唱の効果と言ってよいでしょう。現代性と昔日らしさの補助線のように、バス・クラリネットと古楽器コルネットが声楽を支える音作りも精妙。「深く聴く」という体験の余韻をじっくり味あわせながら、此岸と彼岸の境が静かに溶けてゆく音の流れに出会える1枚です。(2022/01/14 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA786 |
【中世の民主政治からメディチ家の繁栄へ。花の都を彩った精妙な音楽の歴史】イタリア屈指の大都市にして、文化遺産の多さから観光名所として同国随一の人気を誇る“花の都”フィレンツェ。中世の都市国家時代に遡る富の蓄積がもたらしたこの都の芸術的充実は何よりボッティチェッリやフラ・アンジェリコ、マザッチオなど大画家たちの至芸が知られていますが、音楽もまた同じ時代に豊かでなかったはずがありません。古い時代の知られざる魅力的な音楽世界発掘にすぐれた実績を持つレーベルRameeは今回、CD2枚にわたって中世からバロック期に至るフィレンツェの音楽的繁栄を広く概観できるアルバムを制作。すでに同レーベルで多くの注目すべきプロジェクトを発信してきたバーゼルの実力派集団ラ・モルラの名手たち(中世~初期ルネサンス作品)に加え、気鋭のイタリア系アルゼンチン人指揮者アンドレス・ロカテッリ率いるテアトロ・デイ・チェルヴェッリ(ルネサンス後期以降)、躍進めざましい古楽鍵盤奏者フランチェスコ・コルティらも参加し、編成も様々な多岐にわたる充実作をじっくり聴かせてくれます。共和政の中で都市生活者たちが宗教歌の合唱を楽しんだ13世紀に始まり、アルス・ノーヴァ期の盲目の名匠ランディーニを経て多声音楽や舞曲の栄光を追い、バロックも後期の鍵盤芸術へと至るプログラムの妙は、アルバムを通しても数トラックごとに聴いても深い鑑賞体験が得られる抜群の充実度。ブックレットには歌詞の英語対訳や楽譜出典の詳細、演奏者リストと使用楽器の内訳などはもちろん、演奏陣が連名で協力者としてクレジットされた音楽学者アントニー・M.カミングスの詳細な背景&プログラム解説も情報が的確に整理されており、読み応えがあります(英・独・仏語)。(2024/02/23 発売)
レーベル名 | :Ramee |
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カタログ番号 | :RAM2206 |
バーガンディ=ブルゴーニュ。色の名前としてもおなじみであり、またワインの産地としても世界的に有名なこのフランス東部の地域は、温暖な気候と恵まれた自然条件を持つ、耕作に適した土地として知られてます。中世初期にゲルマン人の一派ブルグント族に支配されたため、この名前がありますが、16世紀に男系が絶え、ヴァロア朝フランスに併合されました。このアルバムは14世紀から16世紀にこの土地で流行した音楽を収録。即興的なスタイルと甘いメロディが交錯する楽しい音楽で、時に騒々しく、また説得力に富んだ響きが魅力的です。(2013/03/20 発売)
レーベル名 | :Yarlung Records |
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カタログ番号 | :YAR05785 |
(2013/12/18 発売)
レーベル名 | :Charade |
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カタログ番号 | :CHA3036 |
「May Morning メイ・モーニング」とはオックスフォードで毎年5月1日に開催される恒例のイヴェントのこと。500年以上の歴史を持つこのイヴェントは、午前6時に始まり、モードリン・カレッジ合唱団がモードリン・タワー(鐘楼)の屋上でマドリガーレや5月に関する曲を歌い上げます。そして大勢の人々が合唱を聴くために集まり、祈りを捧げるとともに踊ったりし、イヴェントを心から楽しむことで知られます。2020年は新型コロナ感染症のパンデミックにより、イヴェントはヴァーチャルで開催されましたが、2021年は5月1日の前の週に秘密裏に開催。実際の聴衆こそ不在だったものの、このモードリン・タワーでの演奏はオンラインで披露され喝采を浴びました。このアルバムは、メイ・モーニングで歌われる曲を収録した1枚。カレッジの時計台の鐘の音を冒頭と最後に置き、伝統的な曲から現代の曲まで、さまざまな音楽が集められており、聴き手も長い伝統を体感することができます。(2022/04/29 発売)
レーベル名 | :Opus Arte |
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カタログ番号 | :OACD9049D |
15世紀から16世紀頃のドイツでよく知られた旋律を集めた一枚で、聖歌、民衆歌、クリスマスの歌、舞曲と、内容は多彩です。特に人気のあった旋律であるデュファイ「もしも顔が青いなら」を含むなど、古楽ファンには興味深い選曲。イザークのミサ曲の断片など、指揮者の研究成果であり、資料的にも貴重です。素朴で心暖まるナンバーが多く、特にソプラノ歌手が加わる曲の美しさは特筆もの。演奏団体はアメリカの古楽グループで、ショーム、リコーダー、バグパイプなど多彩な楽器を扱い、今日風の即興の要素も取り入れて演奏します。(2006/03/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557627 |
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452~1519)の歿後500周年にあたり、中世~ルネサンス音楽を多角的なアプローチで「いま」に甦らせてきたフランスの精鋭集団ドゥース・メモワールがおくる充実企画……書籍型ブックレットにはレオナルドの絵画作品10作を中心に美しいカラー図版が満載、この画家の生きた時代にイタリアで知られていた音楽の数々を耳で愉しみながら、ルネサンス絵画と音楽とがどのように関わっていたのか、彼らの目線から周到に解き明かしてゆきます。徹底した時代背景への研究と音楽学的見地から確かな実績を重ねてきたドゥース・メモワールだけに、選曲は絶妙。フランドル楽派とイタリアの緊密な関係も含め、ルネサンス音楽の知られざる側面までも光をあてずにおきません。演奏の精妙さも特筆に値します。「秘められた音楽」という表題にかかわる解題(国内仕様は訳付)も興味深く「読み解いてこそ」のアルバムであると言えるでしょう。ルネサンス芸術がいかに「耳だけ」「眼だけ」では真価にたどりつけないものだったか、さまざまな角度から実感せずにおれない充実企画です。(2019/05/17 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA456 |