ルベーグ, ニコラ(1631-1702)
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【2つの歴史的楽器を使い分け、17世紀の英仏音楽の親和性と差異の真相へ】ルイ14世が生涯をかけて建造に情熱を傾け、ルイ15世の時代に現在の姿へと調えられていったヴェルサイユ宮殿。そこには1995年に18世紀当時の状態まで復元された王室礼拝堂の歴史的オルガンと、ルイ15世時代に愛奏されていた2台のクラヴサンがありますが、ここではそのクラヴサンのうち18世紀半ばに作られた方の楽器と、王室礼拝堂のオルガンとを同じ奏者が使い分け、英仏の作曲家たちが残したバロック期の鍵盤音楽の真相に迫ります。演奏は現在フランス語圏スイスの古楽拠点ジュネーヴで教鞭を取るコンスタンス・タヤール。選曲の軸にあるのは、17世紀英国の早世の天才ヘンリー・パーセル。宮廷の主たる英国王が王政復古前にフランスに亡命していたため、当時の英国王室ではルイ14世が好んだ様式に強く影響を受けた音楽が愛されていましたが、タヤールはブルボン王室の巨匠たちの音楽の只中にパーセルやその師匠ブロウの作品を配することにより、彼らの英国音楽がいかにフランス音楽と連続性のあるものだったかを鮮やかに浮き彫りにしてゆきます。オルガンだけでなく、適宜クラヴサンのための楽曲を交え、礼拝堂向けの音楽と俗世の劇場向けの音楽とを行き来する選曲になっているのも興味深いところ。それぞれに別扱いされやすい各種の音楽に一貫性を感じることができるのは、オルガンとクラヴサンをどちらも鮮やかに弾きこなせる名手タヤールの存在に負うところが大きいと言わなくてはなりません。精緻な解釈と周到なプログラムで、「国」と「文化」の感覚が今とはかなり違っていたバロック期の感覚を生々しく体感できる1枚です。(2022/01/28 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS056 |
【ルイ14世の礼拝を託されたオルガンの名手ルベーグの真骨頂、当時の演奏習慣に従い声楽を交えながら】フランス北部の古都ロンで生まれ、さまざまな音楽修業を経てパリでオルガン奏者として活躍、1678年にルイ14世の王室礼拝堂の常任オルガン奏者が4人配属された時にその一人となったニコラ・ルベーグは、同年代のリュリ同様に太陽王ルイ14世の愛顧を受け、オルガンとクラヴサン(チェンバロ)の達人として活躍する傍ら作曲家としても両楽器のための作品を残し、1702年に亡くなりました。ヴェルサイユ宮殿の王室礼拝堂とそのオルガンはルイ14世の最期も迫った1710年頃にようやく完成したため、設置時の姿に復元されて現在聴くことができるオルガンでルベーグが演奏をすることはなかったのですが、この楽器の名工ロベール・クリコへの発注にあたってはルベーグの助言が大きく反映されたとも言われています。フランスの若き名手ニコラ・ビュシェは、並居る既存録音にも敬意を表しながら自分なりの独創性を盛り込むべく、17世紀当時のフランスの礼拝における演奏習慣を徹底的に検証・再現する内容で今回のアルバムを制作。ルイ14世の秘密結婚の相手だったマントノン夫人の影響で修道女たちも多く音楽活動に関わっていた当時の状況を踏まえ、ヴェルサイユ王室礼拝堂のオルガンと女声による単旋律聖歌や独唱モテを交えた構成で、さまざまなパイプの響きの違いを鮮やかに対置させつつ、ルベーグ作品本来の味わいに迫ります。フランス・バロックのオルガン音楽のルーツに迫った好企画。併録されているニヴェールの音楽や謎多きルベーグの声楽曲についての解説(仏・英・独語)もこのレーベルならではの頼もしさです。(2022/10/28 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS081 |
【フランス古楽界の本領発揮! ラザレヴィチら豪華演奏陣が描く太陽王時代のフランス】フランス17世紀のエール・ド・クール(宮廷歌曲)を中心に、当時のフランス文化を牽引したフランス王ルイ14世宮廷の舞曲を数多く盛り込んだプログラム。民俗音楽のバグパイプも巧みに奏でる古楽フルート奏者フランソワ・ラザレヴィチを中心に、フランスの最前線をゆく古楽のソリストたちが結集した、ALPHAレーベルならではの少数精鋭演奏陣が頼もしいアルバムです。独唱のジュリー・ロゼは、バロックオペラの異才指揮者レオナルド・ガルシア・アラルコンのステージで名演を重ねてきた俊才、リュシル・リシャルドもピグマリオンやアンサンブル・コレスポンダンス、レザール・フロリサンなどフランス随一のグループでソリストとして活躍してきた名歌手で、徹底した歌詞のニュアンスへのこだわりに裏打ちされた細やかな歌唱が圧倒的な求心力で耳を惹きつけてやみません。本盤最大の特徴と言ってもよい器楽編成の的確さと充実も特筆に値します。リュートひとつで伴奏されることも多いエール・ド・クールには、ここでは曲の内容に応じてヴィオール、トラヴェルソ(バロック・フルート)、ミュゼットなど旋律楽器も参入。さながら後代のフランス語カンタートやオペラにも通じるその色彩感もさることながら、クレマン・ジャヌカン・アンサンブルを支えてきた百戦錬磨のリュート奏者エリック・ベロック、ソロでの活躍も頼もしいヴィオール奏者リュシル・ブーランジェらがラザレヴィチならではの霊妙な吹奏と共に音楽の深みを堪能させてくれます。舞曲のリズムへの圧倒的に自然な適性にも驚かされる、フランス古楽界の本領発揮と言ってよい新名盤です。(2024/04/26 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA1035 |
16世紀から17世紀にかけての、鍵盤のために書かれた小さな曲を集めた1枚です。ここでは14世紀頃に発明された「クラヴィコード」が用いられています。これは小型の楽器で、基本的にテーブルの上に載せて奏されます。音色は繊細で、チェンバロなどに比べても小さいのですが、良く耳を澄ますことで多彩な表現力を楽しむことができる素晴らしい楽器です。テレンス・チャールストンはヨーロッパでも有数のルネサンス時代の音楽の専門家であり、このフランス製のクラヴィコードについても、詳細な論文を書いています。まずは、この典雅な響きをお楽しみください。(2016/03/30 発売)
レーベル名 | :Divine Art |
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カタログ番号 | :DDA25134 |