ラヴェル, モーリス(1875-1937)
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アメリカのピアニスト、デイヴィッド・フンのデビュー・アルバムです。彼は2004年に開催されたドイツの国際ピアノ・サマーフェスティバル・コンクールで優勝し、めきめきと力をつけました。このアルバムは全てを1テイクで録音完了。その完成度の高さは驚くべきもので、驚異的な彼のテクニックも含め、まさに前人未到の域に達する1枚と言えるでしょう。タイトルの「傲慢から謙遜へ」は彼自身の言葉であり、控えめな表現からは、逆に「大いなる自信」を感じさせる挑戦的な一言ともいえそうです。(2013/03/20 発売)
レーベル名 | :Yarlung Records |
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カタログ番号 | :YAR52069 |
ミラクルなクラリネット奏者、西川智也のファーストアルバム。世界がパリを巡り、パリが世界を吸収し、世界がクラリネットをもってパリを発信する。前半に聴くフランスの曲たち、西川と日本とフランス。後半、パリに縁深いストラヴィンスキーを経て、最後は西川とピアソラとのフランスへ調和する、瀟洒な配曲で紡がれるクラリネットの心奥。西川智也(クラリネット)大阪教育大学卒、東京藝術大学大学院修士課程修了。第9回東京音楽コンクール木管部門第1位、第23回日本木管コンクールクラリネット部門第1位ほか受賞多数。小澤征爾音楽塾、東京・春・音楽祭、ラヴェンナ音楽祭などに出演。現在、群馬交響楽団首席クラリネット奏者、超スター六重奏団The Sixth Senseメンバー。(2023/03/17 発売)
レーベル名 | :Laplace Records |
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カタログ番号 | :LPDCD112 |
19世紀、かのヴィクトル・ユゴーは自作の詩集「東方詩集」の序文に「ルイ14世の時代、古代ギリシャ文化の研究家は東洋文化にも明るくなければならなかった」という趣旨の言葉を記しました。ヨーロッパにおいて、東洋=オリエンタルはいつも幻想の地であり、この地への憧憬は一種の流行ともなっていたのです。画家も文学者も音楽家も、はるかなる地へ想像の翼を広げ、思い思いの作品を仕上げていきました。CD1に収録されているレイエは、現在ではほとんど忘れられてしまった作曲家ですが、1906年のレジオン・ドヌール芸術部門の叙勲者で、文学にも広く通じ、エキゾチックな作品を書いたことで高く評価されました。時代的にそれほど革新的な音というわけではありませんが、なかなか趣味のよい音楽です。かたや、シマノフスキの野趣溢れる音楽には驚くばかりです。ムエジンとは祈祷時報係のことで、声と管弦楽との狂おしいほどの絡みあいが見事です。CD2はめくるめく色彩のオンパレード。CD3は2人の作曲家による「シェエラザード」の聴き比べです。(2010/04/21 発売)
レーベル名 | :Phoenix Edition |
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カタログ番号 | :Phoenix420 |
スクリャービンが過酷な練習を自らに課し、危うく右手を損なうところになったのは、レヴィーンの演奏するリストの「ドン・ジョヴァンニの回想」を聞いたため。このあまりに有名なエピソードが示すよう、レヴィーンは19世紀の名技主義を代表する巨匠の一人として、押しも押されぬ存在でした。生前開いたコンサートの回数も録音も少ないため、一般の知名度はさして高くないものの、ピアノ愛好家の間ではこのCDに収録されている「美しき青きドナウ」の絢爛たる演奏は、伝説とも目されています。競演する妻ロジーナも同じく名をはせた名演奏家かつ名教師で、中村紘子氏がニューヨーク留学時代に薫陶を得たことでも知られています。(2002/07/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110681 |
【フランス三大音楽院であるパリ国立、リヨン国立、パリ・エコール・ノルマルで薫陶を受けた伊藤順一のフランス・エスプリを味わう。】フランス三大音楽院であるパリ国立、リヨン国立、パリ・エコール・ノルマルで研鑽を積み、シャトゥ(フランス)、ステファノ・マリッツァ(イタリア)、マウロ・パオロ・モノポリ(イタリア)、ニース(フランス)の各国際コンクールでグランプリに輝いた伊藤順一、待望のセカンド・アルバムです。まさに生粋のフランス仕込みならではの洗練された解釈や透明感溢れる音色は、伊藤の真骨頂です。他の追随を許さない真のエスプリをご堪能下さい。アルバム「レスポワール」に寄せて この度は、セカンド・アルバム「レスポワール」をリリース出来ましたことを嬉しく思うとともに、制作に携わって下さった方々に改めて感謝申し上げます。レスポワールとはフランス語で希望や期待という意味があり、それを曲から感じ取る、または見出したいと思い名付けました。 デビューアルバムの発売後から、セカンド・アルバムはフランス作品のみに焦点を当てると決めていて、今回はフランスを代表する作曲家のフォーレ、ドビュッシー、ラヴェルの作品と、当時音楽サロンで演奏されていた知られざるラヴィーナの作品も収録しました。私自身、計8年間のフランス留学で感じたフランス人の感性を少しでも表現出来るよう、想像を膨らませ、音色の多彩な変化に取り組みました。 フランスを代表する3人の作曲家は、同じフランス人でも雰囲気や音の性格が全く異なるので、その点を明確に表現したつもりです。また、ラヴィーナの作品は、当時サロンで演奏されていた気軽で馴染みやすいメロディーの曲なので、軽快さと物語を思い浮かべながら演奏してみました。 時に、希望を見失ってしまうかもしれない困難な時代ですが、決して本質を見失わず、期待を持って音楽とともに未来に向かって歩んでいきたいと思います。 伊藤順一(2023年12月)伊藤順一、そのピアニズムの魅力――意思の充溢と音の造形術 演奏家の魅力はさまざまである。インパクトのある第一印象でぐっと人を惹き付けるピアニストもいれば、その魅力が聴くたびに少しずつ姿を現すピアニストもいる。 初めて聴く人にとって、伊藤の演奏の魅力を一度で捉えきることはおそらく難しい。しかしそれは、決して伊藤の演奏にインパクトが欠けているということではない。そのインパクトは、時間をかけて伊藤の演奏と向き合う人に、大地に雨がしみこむように、じっくりと浸透していくのだ。 こうした伊藤の演奏の魅力の鍵は、演奏の隅々にまで充溢した意思にある。全体の構成、フレージング、声部の聴かせ方、音色をつくる倍音、音の飛ばし方など、ピアノ表現のあらゆる面において、明確なビジョンがあるのだ。言い換えれば、きわめて情報量の多い演奏表現ということであり、一聴しただけではその魅力の片鱗に触れるだけで音楽は通り過ぎてしまう。しかし、二回目に聴くと、一回目に気づいたのとは別のところで新しい気づきがある。またしばらく日を置いて聴くと、再び新たな発見があり、これが際限なく続く。平たく言えば、「飽きが来ない」のだ。 なぜそのような演奏が可能なのだろう。演奏会のステージに立つとき、伊藤は会場のあちこちに自分の耳を置き、聴かせるべき旋律は真っ直ぐに飛ばし、伴奏声部は弧を描くように届くようなイメージを描くという。音がどのように聴き手に届くのかを判断し、瞬時にコントロールする技量は、表現のあらゆる側面に見出される。 演奏会場やピアノの条件はいつも同じとは限らず、演奏家はその都度新たな音づくりを迫られる。それを可能にするのは音と時間の造形的創造力とでもいうべきもので、異なるピアノ、異なる楽曲で演奏しながら、瞬時の判断で音響の像を作り上げていく。こうした音の造形術を、伊藤は持ち前の鋭い耳と感性によって身に着けてきた。楽譜に書かれることのない倍音に意識を凝らし和音を絶妙なバランスで響かせる耳と指は、師であるアンリ・バルダの演奏とも無関係ではないだろう。この繊細さが、ドビュッシーをはじめとするフランスのピアノ曲において得難い美点として表れていることは言うまでもない。 音の造形術に加え、伊藤の演奏の魅力はその雄弁な語り口にもある。音の物語として聴き手に語りかける伊藤の演奏の秘訣は、感情のパレットの多彩さにある。たとえば「喜び」という色の中には「主人公の喜び」や「他人が喜んでいるのを見る喜び」があり、「悲しみ」の中には「過去を思い出す悲しみ」や「現在の悲しみ」、あるいは「同情」がある。感情の質を見抜くばかりでなく、伊藤は感情の量にも思いを凝らす。たとえば f(強く)という楽譜上の指示は、もはや物理的な強度ではなく、感情の密度である。楽譜上の記号を越えて生きた感情を直覚する力は、子どもの心模様を描くアンリ・ラヴィーナ《初めての告白》でも存分に発揮されている。 このCDは、ライヴとは異なる録音用に整えられた環境で収録されたが、伊藤はライヴの音色を再現することに注力している。実際、客席で人間が聴くのとマイクが物理的に拾うのでは、音が相当に異なるため、随所でタッチを変えるなど工夫を凝らしている。そのおかげで、音色の理想の基本的な部分については、奏者が目指すビジョンを充分に味わうことができるだろう。この録音で伊藤順一の魅力に触れた方はぜひ、伊藤順一の演奏会に足を伸ばして、彼の音の造形の瞬間に立ち会っていただきたい。そのたびに、新たな魅力を発見することになるだろう。 上田泰史(音楽学)(2024/01/24 発売)
レーベル名 | :ART_INFINI |
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カタログ番号 | :MECO-1081 |
【フリッチャイの精悍にして鋭いライヴ!凝った選曲にも注目】1955年10月の「軽音楽週間」でのライヴ録音がSWRのアーカイヴより登場。軽音楽と言ってももちろん今日でいうポップスのことではなく、比較的軽く聴けるクラシック音楽といった意味合いですが、フィリッチャイのプログラムはより踏み込んだものとなっており、有名な「ボレロ」の他は、得意としたコダーイなど通常は演奏機会の多くないものを組み合わせた、独自性高く興味深いものとなっています。なかでもツィンマーマンの「カボクロ」はフリッチャイの録音として初登場のレパートリーであり、同時代の音楽に深い理解をみせた彼だけに注目です。「ブルレスケ」とオネゲル「コンチェルティーノ」のソリストは、同時期にベルリン放送響と行われたDGへの録音と同じマルグリット・ウェーバーが担当。SWRのオリジナルテープから、丁寧なリマスターを施されています。(2019/04/19 発売)
レーベル名 | :SWR Classic |
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カタログ番号 | :SWR19070CD |
フルートってこんなに素敵な楽器だったかしら、と改めて惚れさせる宝石のような作品がここにあります。第一次世界大戦前のフランスだけが持ちえた、今日では失われてしまった良き時代のエレガンスを存分に味わえるアルバムです。フォーレやラヴェルの有名な名曲は言うまでもなく、他の作品も要注目。ピアニストのイメージが強いモシュレスの、意外な独奏楽器による協奏曲のチャーミング過ぎる楽想の連続は、聴く者の心を必ず幸せにしてくれるでしょう。ダマレ作品はピッコロと管弦楽のためのポルカで、この録音のために独奏者がベルギー音楽図書館の地下室で見つけてきたものです。(2003/02/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.555977 |