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ヴォーン・ウィリアムズ, レイフ(1872-1958)

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    ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第4番/ノーフォーク狂詩曲第1番/組曲「野の花」(ボーンマス響/ダニエル)

    牧歌的作曲家というイメージのあるヴォーン・ウィリアムズですが、大戦の不安が曲想に反映されているといわれる交響曲第4番は、激しい曲想が全体を支配しており、むしろ息もつかせぬ迫力が一大特徴です。特に半音階的な進行を含むフガートを巧みに利用した、終楽章の演奏効果など絶大といえましょう。また「野の花」は、この曲をもって、この作曲家の最高傑作という意見もある秘曲です。ヴィオラ独奏と歌詞のない合唱を加えるという編成の特異さは、この曲においては全くの必然として機能し、神秘的にして幽玄、しかも壮大、それでいて親しみやすさは全く損なわれないという奇跡を演じています。とにかく一度は耳にしていただきたい大傑作です!(2005/01/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.557276

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    ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番、第9番(ボーンマス響/バケルス)

    ベートーヴェン以降、大作曲家と呼ばれる人たちが交響曲を「第9番」までしか書けなかった音楽史の七不思議。その謎を体験するには、できるだけ種々の「第9番」を集めるしかない!というわけでヴォーン=ウィリアムズも忘れないでください。初演時の聴衆の評判も芳しくなかったという、謎めいた楽想が聴き物です。「第5番」を初めて聴く方は「何て地味なんだ」と溜息をついてしまうかも。しかし、第2次世界大戦中に初演された事実を踏まえて反復鑑賞するうちに、知らぬうちに病みつきになってしまう、これまた摩訶不思議な「第5番」です。(1987/10/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.550738

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    ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第7番「南極交響曲」、第8番(ボーンマス響/バケルス)

    「南極交響曲」、何ともそそる題名です。音を聴いてみれば期待通り、映画のための音楽を素材として交響曲にまとめられただけに、聴き手の耳をそそり続けます。大管弦楽に歌詞の無いソプラノ・ソロと女声合唱、風音器も加わり、南極の壮大な自然の厳しさとそれに挑戦する人間(エピローグは泣ける)を描きます。当盤では各楽章に作曲者が引用して寄せた文章の朗読を最後にまとめて収録、ナクソスは親切です。標題性が薄い代わりに純音楽的に楽しめる「第8番」もお忘れなく。カヴァティーナの哀しい美しさは絶品、他の楽章は元気です。(1987/10/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.550737

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    ヴォーン・ウィリアムズ:宗教合唱作品集(ケンブリッジ・クレア・カレッジ合唱団/ブラウン)

    ヴォーン・ウィリアムズが1921年から22年にかけて作曲したト短調ミサは彼の宗教作品の中でもとりわけ有名です。英国後期ルネッサンスの様式と、彼自身の対位法への興味が融合した大作で、無伴奏の合唱のみで歌われます。しかし、このアルバムで興味深いのは、今までほとんど顧みられることのなかったいくつかの作品です。本来はオーケストラと合唱のために書かれた「3つの合唱による讃歌」(今回はオルガン伴奏による)や、オルガンと混声合唱のために書かれた「飛行体の車輪のヴィジョン」はほとんど耳にする機会がありません。この作品は彼の友人であった聖マイケル教会のオルガニスト、ハロルド・ダークのために書かれたもので、オルガン・パートには超絶技巧が要求されています。出所は旧約聖書のエゼキエル書で、そこに書き記された謎の飛行物体についての音楽です。この物体の謎は現代でも解明されておらず、もしかしたらUFOでは?とも言われている不思議なものです。(2010/04/21 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572465

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    ヴォーン・ウィリアムズ:ドナ・ノビス・パーチェム/サンクタ・シヴィタス(ピエール/ブルック/バッハ合唱団/ウィンチェスター大聖堂少年聖歌隊/ボーンマス響/ヒル)

    ホルストの大親友でもあったイギリスの大作曲家、ヴォーン・ウィリアムズの声楽作品集です。彼は民謡の採集や教会音楽の研究を通して、英国国教会の伝統を身につけましたが、「感覚と知識を超えて位置するもの」・・・象徴的なものにも敏感で、伝統と革新を統合した独自の作風を作りだした人でもあります。ここに収録された2つの声楽作品集は、そんなヴォーン・ウィリアムズの思いが込められた曲です。1936年の「ドナ・ノビス・パーチェム」は人類への警告と祈願です。ウォルト・ホイットマンおよびジョン・ブライト、そして聖書から採られたテキストは、人類が成熟して争いが無くなるまでへの願いが込められています。ソプラノ、バリトン独唱と合唱、オルガンというかなり大規模な編成で歌われ、時折、ソプラノが絶望的な爆発の中で祈りの歌を歌い続けます。1926年の「サンクタ・シヴィタス」も大編成の作品で、神の偉大なる秘跡を描いた強烈で壮大な大作です。(2010/06/16 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572424

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    ヴォーン・ウィリアムズ/バークリー/ウォーロック:イギリスの声楽と合唱曲集(ステイプルズ/ウィリアムズ/ウリオステ/ロンドン・コーラル・シンフォニア)

    Ochird Classics通算200枚目のリリースとなるアルバムは、イギリスを代表する作曲家たちの作品を集めた1枚です。合唱が盛んな英国らしい選曲はもちろんのこと、2022年のヴォーン・ウィリアムズ生誕150年を記念するアルバムにもなっています。冒頭に置かれたヴォーン・ウィリアムズの「5つの神秘的な歌」は弦楽とピアノの伴奏によるバリトンを伴う合唱のための編曲。これは作曲家自身のアレンジで、このヴァージョンは世界初録音となります。英国歌曲でおなじみ、ベテランのバリトン歌手ロデリック・ウィリアムズがソリストを務めました。アンドルー・ステイプルズが歌うレノックス・バークリーの「オーランド・ギボンズの賛歌による変奏曲」も世界初録音。約70年前のオールドバラ音楽祭で初演され、ブリテンが「素敵な作品」と称賛した曲です。ウォーロックの人気作「カプリオール組曲」が続き、最後はオーケストラのパートを合唱が歌うという驚きのアレンジによる「揚げひばり」で締めくくられます。(2022/07/15 発売)

    レーベル名:Orchid Classics
    カタログ番号:ORC100200

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    ヴォーン・ウィリアムズ/ハウエルズ/ウォルトン/ボーエン:イギリスのヴィオラ作品集(カルス/ニュージーランド響/タッデイ)

    20世紀の英国でヴィオラのための作品が数多く生まれたのは、名手プリムローズとターティスの存在に拠るところが大きいでしょう。とりわけターティスは、比較的「地味な楽器」であったヴィオラの音色を愛し、わざと大き目の楽器を製作。温かく豊かな音色を奏でたことで知られています。このアルバムに収録されている4つの作品はどれもターティスのために作曲されましたが、ウォルトンの協奏曲だけは、モダン過ぎてターティスの好みにあわなかったようで、結局、初演のソリストはヒンデミットが務めました。確かにこの作品は近代的ですが、第1楽章での抒情性や、民謡風のメロディが印象的な第3楽章はとても親しみやすく、ターティスも後になって作品の真価を認め、自らのレパートリーに加えたということです。他の3曲もヴィオラの魅力が存分に生かされており、素朴な雰囲気のヴォーン・ウィリアムズの「組曲」、悲痛な美しさに耳を奪われるハウエルズの「エレジー」、終楽章での長大なカデンツァが見事なボーエンの「協奏曲」と、どの曲も聴きどころたっぷりです。(2018/05/25 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573876

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    ヴォーン・ウィリアムズ:ピアノ協奏曲/劇音楽「すずめばち」/イギリス民謡組曲/ランニング・セット(ウォス/ロイヤル・リヴァプール・フィル/ジャッド)

    「すずめばち」は古代ギリシアを代表する喜劇作家、アリストファネスの劇をギリシア語で上演することとなったケンブリッジ大学の演劇部が、ヴォーン・ウィリアムスに付随音楽の作曲を依頼し生まれたものです。機知にとんだ音楽とイギリス民謡の見事な融合は彼にしか書き得ないもので、中でも「行進曲」でのユーモラスな曲想には思わず口元が緩むことでしょう。ピアノ協奏曲は、あのバックスの恋人であったピアニスト、ハリエット・コーエンの演奏を想定して書かれたもので、かなり先進的に書かれていますが、当時の聴衆や批評家からは高く評価されることがなく、その後の1946年に「2台ピアノのための協奏曲」として改変を図り、その際、そっと忍びこませていた友人バックスの交響曲の引用も「彼に気が付いてもらえなかった」という理由でその部分は取り除いてしまいました。そんな紆余曲折を経た作品ではありますが、その重厚な仕上がりの中には、時折バッハやブゾーニの影響を感じられたりと、イギリス音楽好きにはたまらない音楽となっています。(2010/01/27 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.572304

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    ヴォーン・ウィリアムズ:ピアノ五重奏曲/五重奏曲 ニ長調/イギリス民謡による6つの練習曲(ロンドン・ソロイスツ・アンサンブル)

    9つの交響曲や、民謡を主題にした管弦楽曲、音による映像そのものの「揚げひばり(舞い上がるひばり)」など、牧歌的でのどかな作品が知られるイギリスの作曲家ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)。彼は室内楽や独奏曲においても、生涯を通じて素晴らしい作品を生み出し続けました。ピアノ五重奏曲はシューベルトの「鱒」と同じ楽器編成が用いられた作品で、第2楽章の優美な主題は、ブラームス作品を思わせる深さを持っています。また最終楽章は見事な変奏曲となっていて、この萌芽は50年後のヴァイオリン・ソナタで見事に花開くこととなります。ロマンスは、彼の死後に発見された曲で、作曲された日はわかりませんが、恐らく偉大なヴィオラ奏者ターティスのために書かれたと推測されます。流麗なクラリネット三重奏曲は、まだ若き作曲家の奔放な創作意欲が反映されたもの。「イギリス民謡による練習曲」は、研究者としても功績を遺した彼らしい作品で、親しみあるメロディが丁寧に形作られています。(2014/06/25 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573191

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    ヴォーン・ウィリアムズ/フィンジ/ガーニー:合唱作品集(シティ・オブ・ロンドン合唱団/ロンドン・モーツァルト・プレイヤーズ/ウェットン)

    これらの作品には、全て第一次世界大戦における大虐殺への悲しみが根底に流れています。4人の作曲家たちはそれぞれ、バターワースのようにその戦いで命を落とすか、多大なる犠牲を払いながら後々の生涯を生きていくことになります。「シュロップシャーの若者」は彼の同名の歌曲集のエピローグとして構想された、人生のはなかさをそのまま閉じ込めたような美しい作品です。歌曲集の中の「最も美しい樹」のメロディが使われた郷愁溢れるメロディは涙を誘わずには入られません。フィンジはこの戦いで彼の最愛の教師アーネスト・ファーラーを失いました。無論彼はそれ以降も波乱万丈の生涯を送るのですが、当時彼は師だけでなく、最愛の家族も失うなど、人生観に大きな影響があったことは間違いありません。この室内レクイエムは恐ろしいまでの静けさに満ちています。未完成で終わった作品ですが、一度はP.トーマスの加筆版が演奏され、高く評価されました。ここではクリスチャン・アレクサンダーによる新版での演奏です。ガーニーは戦場で吸い込んだ毒ガスにより健康を失い、その後半生を病院で送りました。この「トランペット」は人類の愚かさを告発する作品です。そしてヴォーン・ウィリアムスの「悲歌」は、彼の失われた友人のために書かれた作品であり、普段はそういう音楽を書かなかった彼が、晩年になって至った境地を表しているものです。合唱はほとんど言葉を発することなく、物語は語り手によって紡がれていきます。(2014/12/24 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573426