ヴェッツ, リヒャルト(1875-1935)
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いくつかの交響曲で知られるヴェッツ(1875-1935)のクリスマス・オラトリオです。生まれた時代は後期ロマン派に属するものの、「目指したのはブルックナーやワーグナーであっただろう」と想像させる作風が持ち味のヴェッツ。ここでもその方向性は変わることがありません。この作品は1927年から1929年の2年間に渡って書かれ、1929年12月3日に彼自身の指揮で初演されました。その後、ドイツの各都市で演奏されましたが、1945年以降は忘れ去られてしまい、一切演奏の記録はありません。cpoは今までにもヴェッツの作品を取り上げていますが、作曲家の没後75周年に、このオラトリオを録音することで、一層認知度を深めることに成功したといえるでしょう。用いられているテキストや、随所に認められる見事な対位法の処理など、聴きどころ満載。ブルックナー好きはもちろんのこと、典礼音楽好きの方にもたまらない贈り物と言えそうです。(2011/11/09 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :777638-2 |
ヴェッツもお見事な「時代後れのロマン派」です。音楽の近代化に背を向け、ひたすらにブルックナーを崇拝し、コテコテのロマン派音楽を書き続けたのです。1917年に初演された第1交響曲は、音楽の求心力の不足とドラマティックな展開の下手さは否めないものの、随所に美しい音楽が聴ける佳作です。特に叙情的な部分は素晴らしく、第2楽章の中間部や第3楽章など思わずポーッとなってしまうような陶酔感を与えてくれます。全体的な印象は「往年のハリウッド恋愛映画音楽に感動した勢いで、大好きなブルックナーみたいな長大ロマン派交響曲を書いちゃいました。」といった感じです。感動の名作!には今一ですが、美曲ハンターのマル秘アイテムにはうってつけでしょう。(1987/10/01 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :999272-2 |
音楽を聴く時、それが作曲された時期を意識して聴くのは、必ずしも幸せなことではありません。ヴェッツの第2交響曲が1919年の作だと聞いて否定的な見解を述べる人も、もしこの曲が19世紀初頭の作だと言われたら、美しく壮大な名作だと思うでしょう。実際、春の日差しの中のまどろみにたゆたう幻想のような冒頭から、美しい音楽があふれています。全体としては、田園情緒と雄大さが混ざり合って、メンデルスゾーンとブルックナーが交互に顔を出しています。最後に第1楽章の第1主題が高らかに現れるところなど、「夕映えの平原でついに結ばれる二人」風な映画のラスト・シーンのようでなかなか感動モノです。クライスト序曲はオペラなどの序曲ではなく、不幸な生涯を送った劇作家クライストを描いた交響詩です。(2000/02/01 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :999695-2 |
ヴェッツはR.シュトラウスやシェーンベルクと同時代に生きながら、ドイツの片田舎で一生を送り、音楽の様式の激動の時代とは無縁だった日陰中の日陰の作曲家です。ブルックナーを敬愛していた彼の音楽は、交響曲冒頭のトレモロをはじめとして、確かにその影響を強く感じさせるものですが、後期ロマン派風の神秘的な要素も多分に含まれ、決して時代遅れのマイナー作曲家として片づけられない複雑な面を見せています。ほとんど無名の作曲家がこれほど重量級の交響曲を3曲も残したとは、さすがドイツ音楽界の層の厚さを感じさせます。ドイツ・ロマン派フリークやドイツの田舎が大好きな方に特にお勧めします。(2002/01/01 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :999818-2 |