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エスダン, ニコル・デ・セリエ

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    王の愛~ヴェネツィアの初期活版印刷譜とルネサンスの声楽・器楽(ドゥルス・メモワール/レザン=ダドル)

    【ア・カペラだけではない!多声音楽の発展をルネサンス楽器のスペシャリストたちと】フランス中部の古都トゥールに拠点を置き、深い研究の成果と筋の通った企画を音楽性に満ちたパフォーマンスへ昇華させ、古楽シーンを賑わせてきたルネサンス音楽集団ドゥース・メモワール。今回は16世紀初頭のヴェネツィアで、多声音楽の普及と発展に大きな貢献をもたらしたオッタヴィアーノ・ペトルッチの業績に光を当て、その当時のポリフォニー音楽の粋を多角的かつ体感的に味わえるプログラムを組み上げました。15世紀半ば過ぎにイタリア東部フォソンブローネで生まれたペトルッチは版画技法を学んだ後、1490年頃からヴェネツィア総督の後援を受けて印刷工房を持ち、活版印刷技術を楽譜出版に転用。『オデカトン』と題された一連の曲集などを通じ、ジョスカンやイザーク、ラ・リューなどフランドル楽派の洗練された声楽曲やスピナチーノ、ダルツァといった名匠たちのリュート音楽を続々出版、その普及に大きく貢献しました。多声楽曲の中には歌詞が添記されていないものも多く、それらが器楽独奏や合奏で演奏されていたことを窺わせます。ドゥース・メモワールはシンプルな編成で歌われる「元歌」と、ペトルッチの楽譜や同時代の作曲家たちによるその編曲例を並べ、多声編曲や当時の楽器の音色の組み合わせを縦横無尽に楽しませながら、1500年前後のヨーロッパ多声音楽がどのような広がりを見せていたかを卓越した演奏で実感させてくれます。ソロ活動でも注目されるビュンドゲンほか3人の歌手たちの瑞々しい歌の傍ら、さまざまな形状のルネサンス・リコーダーや大小のボンバルド(オーボエ普及以前のダブルリード管楽器)、ルネサンスハープやリュートなど多様な楽器を使いこなすプロフェッショナルたちの妙技も聴き逃がせません。(2023/10/20 発売)

    レーベル名:Ricercar
    カタログ番号:RIC457