マルタン, フランク(1890-1974)
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スイスで最も著名な作曲家、フランク・マルタン(1890-1974)は、同時期に活躍したオネゲル(彼もスイス人の両親を持つ)とともに新古典派を代表する大規模な作品を幾つか残しています。この未出版作品である「死せるバーゼルの踊り」は、14世紀半ばに多くの画家や彫刻家たちによって描かれた「死の舞踏」が基になっており、ここでは15世紀中頃にバーゼルの墓地壁に書かれた37枚の絵(現在19枚のみ残存)を見た、マルタンの姪でパントマイムダンサーであったマリエッテ・フォン・マイエンブルクが、1943年にマルタンへ舞台用音楽の作曲を依頼したことで生まれた作品です。これは第二次世界大戦の惨事と大規模な虐殺に対する抗議であり、また死の音楽はジャズ・バンドが演奏するという「退廃音楽」。初演は大成功であったものの、決して出版されることはなく、1992年に作曲家の未亡人マリアの提案によって再演されたものの、その時には不完全な形での上演でした。今回、ようやく完全版としてリリースされることになった貴重なアルバムです。(2016/08/26 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :777997-2 |
2005年、これまで15年間バイエルン放送合唱団を率い数々の優れた演奏を残してきたミヒャエル・グレーザーの引退に伴い、天才ボーイ・ソプラノでもあり、当時「広い世界の最も素晴らしい小さな聖歌隊のうちの1つと見なされた。」とまで評価されたヴォーカルアンサンブル「ジェンツ」を率いていたペーター・ダイクストラが、若干26歳で音楽監督に就任し、ファンから喝采を浴びたのは記憶に新しいところです。今回のアルバムは、その記念の年に録音されたもので、かなり意欲的なレパートリーが収められています。(とはいえ同じ年に録音され既にリリースされているアルバム(OEHMS/OC 540)でもデュリュフレ、メシアン、プーランクなどを演奏!)彼の手際のよいアンサンブルのまとめかたには心の底から驚く他ありません。古楽作品でも現代作品でも何でもOK!という柔軟性は、これからのバイエルン放送合唱団の更なる発展を予想させてくれます。(2009/09/30 発売)
レーベル名 | :BR-Klassik |
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カタログ番号 | :403571900500 |
第一次世界大戦後、盛り上がりを見せていた新古典主義音楽の流れの中で、それまで顧みられることの少なかった"コンチェルト・グロッソ=合奏協奏曲"のジャンルが活性化しました。なかでもよく知られているのがプーランクの「2台のピアノのための協奏曲」であり、モーツァルトを思わせるエスプリに満ちた旋律に、ストラヴィンスキーのような力強く激しいリズムを併せ持つこの作品は、当時の聴き手の心を惹きつけました。このアルバムにはそのような複数のピアノのための協奏曲を収録。フランク・マルタンの「小協奏交響曲」は第二次世界大戦の暗い緊張感が反映された作品で、もともとはピアノ、チェンバロ、ハープと管弦楽のために書かれましたが、今作では独奏部が3台のピアノのために編曲されており、華麗な響きを纏っています。ショスタコーヴィチの「2台のピアノのためのコンチェルティーノ」はもともと伴奏の付かない2台ピアノのための作品。ここでは弦楽オーケストラの伴奏で演奏されています。アーリエ・レヴァノンの「四つの言葉を持つ国」はイスラエルの平和を願い、4言語による民謡の旋律が引用されたポップスを思わせる耳なじみの良い作品です。「マルチピアノ」はテルアヴィヴとイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の共同機関であるブッフマン=メタ音楽院によって2011年に開始されたプロジェクトの中枢を担うアンサンブル。アレンジャーでもトメル・レフの主導のもと、さまざまな複数ピアノのための作品を演奏し、好評を博しています。(2022/11/11 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573802 |
マルタンとマルティヌー、2人の近代作曲家による声楽作品集。12歳の時にバッハの「マタイ受難曲」を聴き感銘を受けたというマルタンは、以降バッハを精神の拠り所にし、数多くの作品を生み出しました。この「ミサ曲」も新古典派の影響もあるものの、やはり根底にはバッハへの敬意が感じられる作品。マルタン自身は「この曲は自分の信仰心の表れであるため公の場では演奏してほしくなかった」と語ったということですが、後にその言葉を撤回。現代では多くの合唱団がこの難曲に挑んでいます。一方マルティヌーの「聖母マリアのための4つの歌曲」はヤナーチェクやバルトークを思わせる民謡風の雰囲気を持ち、合唱でも各声部が競い合うような闊達なやりとりが楽しめます。他には神秘的なマルタンの「アリエルの5つの歌」とマルティヌーの郷愁の念が込められた「たんぽぽのロマンス」を収録。演奏しているデンマーク国立声楽アンサンブルは、エコー賞を獲得し、グラミー賞にもノミネートされた実力ある合唱団です。(2018/05/25 発売)
レーベル名 | :OUR Recordings |
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カタログ番号 | :6.220671 |
1975年から1982年までウィーン放送交響楽団の首席指揮者を務めたレイフ・セーゲルスタム。自身も作曲家であり、幅広いレパートリーを持つ彼は、演奏機会に恵まれない作品を好んでとりあげ、聴衆の意表をつきました。このアルバムに収録されている2作品はともにオーケストラのアーカイヴから発掘してリマスターを施したもの。どちらも聴き応えがあります。マルタンの死の直前である1971年から72年に作曲された「レクイエム」は、「死を受け入れ、和解するための明確な意思」を表現したという作品で、激しいDies iraeと美しいIn paradisumの対比が際立ち、バッハやシェーンベルク、バルトークの影響が仄かに見受けられる無調に近い音楽です。かたやヤナーチェクの「主の祈り」はポーランドの画家ユゼフ・クシェシュ=メンツィナの宗教画「山上の垂訓」に触発された15分程度の作品。ヤナーチェクはキリストではなく民衆を主人公にして作曲し、ピアノとハルモニウム(オルガン)の伴奏による小規模なカンタータとして仕上げた作品を、1906年にハープとオルガン伴奏に改訂しました。ここで表情豊かなテノール独唱を聞かせるのは、ワーグナー作品などでおなじみのハインツ・ツェドニクです。(2022/03/04 発売)
レーベル名 | :Capriccio |
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カタログ番号 | :C5454 |