マショー, ギヨーム・ド(1300-1377)
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【言葉のない笛の音が逆説的に浮かび上がらせる、昔日の「物語」の奥深い魅力】ユトレヒト、ミラノ、ウィーン、トロッシンゲンなど欧州屈指の古楽拠点で名匠たちに学んだ後、さまざまな楽器を手に中世ヨーロッパと中近東の音楽を自在に行き来する、ギリシャ出身のリコーダー奏者ディミトリス・クントゥラス。その笛の音を軸に、イタリアからコーカサス山地まで幅広く曲を集め、歌い手も朗読者もなしに古来の「物語」を浮き彫りにしてゆくプログラム。「現代は誰もが歌や小話を求める時代で、長々と続けられる物語に人が耳を傾けてきた伝統は忘れられている」との発想のもと、いずれも短い演奏時間に収まる作品を選んでいながら、その全ての背後に何かしらの物語や伝統が息づいている充実した選曲になっています。十字軍遠征の最中に囚われの身となり、忠臣ブロンデルに救われたという伝説で知られるリチャード獅子心王の歌に始まり、クントゥラスの故郷ギリシャの歴史に関わるビザンツ帝国やオスマン帝国からの伝統、アルメニアやシリアの伝承曲、数多くの詩人や音楽家が集ったアキテーヌ地方の教会音楽や詩人としても高名だったマショーの語り歌など、背景の豊かさに裏打ちされた音楽の味わいはどこまでも深く、シンプルな音が驚くほど想像力を刺激してやみません。しなやかな笛の調べと中世楽器の素材感の心地良さ、安定した舞曲のリズムが穏やかな陶酔をさそう、聴くほどに引き込まれるアルバムです。(2024/07/05 発売)
レーベル名 | :Carpe Diem |
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カタログ番号 | :CD-16335 |
【異能の古楽歌手マルク・モイヨンが、中世音楽の天才アモンと綴った3名盤がBOXに!】教皇庁がローマから南仏アヴィニョンに移され、君主たちの治世も穏やかならぬ中で疫病や戦乱が続いた14世紀にあって、キリスト教世界における「知」の蓄積に新境地を切り開いた天才たちの一人ギヨーム・ド・マショー。彼は作曲家というよりも「音楽の技芸に通暁した詩人」であり、古楽の範疇でアプローチする上でも詩句の解釈はきわめて重要です。当時の多声音楽に新機軸をもたらしたアルス・ノーヴァの先端をゆく音楽を紡ぎながら、同時に音楽が添えられていない詩句のみの韻文も数多く残したこの天才の技芸を、文学面での功績まで充分認識しながら演奏解釈してきたのが、フランス語圏において中世から現代まで広範な領域で「声」の表現を徹底して追求してきた稀代の歌手マルク・モイヨンと、中世音楽再現の研究と実践において他の追従を許さない実績をあげてきた研究者=演奏者ピエール・アモン。彼ら二人が中心となって、中世ヴィエル弾き語りで常人離れした技術を持つヴィヴァビアンカルーナ・ビッフィや、ハープ奏者としても注目されている中世音楽歌手アンジェリーク・モイヨンらを交えた顔ぶれで、Eloquentiaレーベルはこれまで3作のマショー・アルバムを制作、いずれも世界的に高い評価を得てきました。長大なレー(物語歌)を省略なしに全曲録音するという偉業もさることながら、詩句のみが残る作品も中世楽器の伴奏で朗読(Disc 2トラック2)。マショー芸術の真髄を知る上で必聴ともいえる名盤3タイトルのBOX化は、中世音楽の世界へ深く分け入ってゆくための絶好の企画と言えます。(2022/02/25 発売)
レーベル名 | :Eloquentia |
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カタログ番号 | :EL2160 |
【意義深くも音楽センス抜群、動物たちを介した中世ヨーロッパ音楽空想旅行】現代人が知らない、歴史上の魅力的な響きを見つけ出すセンスにすぐれたRAMEEレーベルから、欧州古楽界のいずれ劣らぬ実力派3人による、「動物」をテーマにした知的刺激満載のアルバムが登場。教会建築の外装装飾や工芸品、中世写本の隅々などを彩るユーモラスな動物たちの姿をふんだんに解説書にあしらいながら、中世の音楽にあらわれる動物たちがどのような描かれ方をしてきたのか、3人であることを忘れさせる多彩な演奏を通じて解き明かしてゆきます。欧州でいま最も熱い古楽拠点のひとつポーランド出身で、世界の中世音楽愛好家たちの注目を集めるアルバムをリリースしてきたアニイェシュカ・ブジィンスカ=ベネットと、NAXOSレーベルの中世音楽アルバムでもお馴染みのユニコーン・アンサンブルの一員で、アンサンブル・レオネスの主宰者でもある大御所マルク・レヴォンの顔合わせに、ガンバの名手としてルネサンス~バロックの名盤も多いヴェテランのジェーン・アクトマン(ヤーネ・アハトマン)が加わってのサウンドは、精妙でありながら隅々まで人間味豊かな温もりに満ちています。500年を越える空想旅行を肌で体感できる内容はさすがRAMEEというほかありません。ブックレットには、アルバム収録曲をBGMに使用した、中世の動物絵画による美しいアニメーション作品へのリンク入り。(2020/11/13 発売)
レーベル名 | :Ramee |
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カタログ番号 | :RAM1901 |
クラシックをかなり好きになっても、バッハより古い音楽など聴いたことが無いという方は多いことでしょう。それは勿体無い!そこには、バッハ以降の音楽よりヒトのカラダに近い、理屈など一切抜きで、作曲者や曲名も忘れて純粋に楽しめる音楽の森があるのです。ナクソスは、そんなアーリー・ミュージックも、いつの間にか、たーくさん揃えてしまいました。この2枚組は既発売のアルバムから全51トラックも厳選した、ホントに凄いハイライト盤。貴方のお気に入りが、きっと見つかります。英文ですが、音楽史の勉強になる解説と、ナクソスの古楽CDのラインナップ付き。(2000/03/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.554770-71 |
【驚くほど多面的な歌声、素材感豊かな笛の音と織りなす異世界の響き】一筋の女声を介し、時にさまざまな分野の音楽家をゲストに招きながら、時代や場所、言語、文脈もさまざまな「土地」にまつわる歌を辿ってゆく歌手ユジェニー・ド・メの企画「トロバール・プロジェクト」。その名は中世の南フランスで、詩歌を組み立てる言葉を見つけだす(trobar)ことが「詩歌を吟じる」ことと同義で、その技芸に従事した吟遊詩人=トロバドゥールたちの時代に由来しますが、今回は中世音楽の研究・演奏に深い見識と豊かな実践経験を持つピエール・アモンがゲストとして参加。9世紀から16世紀に至るさまざまな詩歌や伝統旋律を、現代作曲家ティエリー・ド・メによる中世的な音楽を交えながら各種の中世笛と歌で形にしてゆきます。十字軍遠征などで他所へと旅立つ男たちを見送る女たち、あるいは近世にイベリア半島から追放されてしまうユダヤ人たち(セファルディ)、そして無差別殺人で命を奪われた現代の隣人たち、さまざまな形をとる望郷の念と異世界とを対置させながら、幾百年と続いてきた人間の生の魅力を音で伝えてゆくド・メの美声は驚くほど多面的なニュアンスをたたえて美しく、中世音楽を深く追及してきたアモンの味わい深い笛の音もまた触感確かな響きで耳を捉えて離しません。遠く中世を眺めやりながらのアンビエントな、しかし深く聴き確かめずにはおれなくなる歌と物語の数々。多様な音楽のあり方を音盤の形で追求してきたベルギーFUGA LIBERAならではの1枚です。(2023/10/06 発売)
レーベル名 | :Fuga Libera |
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カタログ番号 | :FUG815 |
「内省と瞑想の名曲集」は、人の声を使う合唱ならではの音楽の魅力を余す所なくお届けします。「サンクトゥス」は、感謝の賛歌。ミサ曲では、神の秘蹟への感動からか、作曲者の筆は特に優れた音楽を生み出してきました。当盤では特に長大な2にご注目ください、正に内省と瞑想に好適です。そして最後17、ヴェルディの手にかかると、ここまで輝かしくなってしまいます、驚き!当盤は、ヘンデルの「ハレルヤコーラス」(歌手が各パート一人なのにご注目)など、直接サンクトゥスには関係無い曲も収録しましたが、いずれも名曲です。(1987/10/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.556704 |
イタリアはボローニャの近郊の街ファエンツァに保存されている、14世紀以降の器楽曲を15世紀初頭にまとめた楽譜、この「ファエンツァの写本」の録音が稀少なところにナクソスが誇るアンサンブル・ユニコーンが着目しました。ランディーニやマショーといったビッグネームの声楽曲がモトネタになっているものは、声楽でも演奏した趣向盤に仕上がっています。当時の音楽は既に相当に複雑化しており、めまぐるしいほどに音が細かく動くのが特徴的です。即興的な味わいが強いのも日本人の感性に近いかもしれません。(1987/10/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.553618 |
【異才プロハスカの見据える「死」と「生」。確かな一貫性で中世からバロックへ、そして……!】中世から現代までの様々な重要作で名演を聴かせてきただけでなく、ソロ・アルバムにおいては独自の観点から知名度の低い曲も積極的にとりあげ、現代社会を見据えた挑戦的なプログラムを提案しつづけてきた異才アンナ・プロハスカ。コロナ禍により全世界の人々が新たな暮らしを模索しはじめた2020年夏、隔離体制の中録音されたバッハ・アルバム『救済』(ALPHA658)も記憶に新しいところ、パンデミックを見据えたテーマに基づくさらなるアルバムが登場しました。中世音楽や伝承歌、17-18世紀のバロック作品を中心に「生」と「死」、そして「疫病」を軸として集められた有名・無名の傑作群を、ドレスデンで発足した古楽器グループと縦横無尽に歌い上げてゆきます。ベルリオーズやラフマニノフも引用した有名なグレゴリオ聖歌が、ハーディガーディの異界的な響きのなかで唱えられる幕開けに続き、玄妙な中世音楽を経てバロックへ至る多様なスタイルに一貫性を与えるのは、確かな存在感で聴く者を惹きつけてやまないプロハスカの美声。トラック26はヘルマン・ヘッセの『車輪の下』にも登場し、そのメロディがロックに取り入れられたり日本でもCMで使われた有名曲ですが、もともとの歌詞はペストの蔓延を嘆く内容なのだそう。さらには"すべての孤独な人々よ" "誰一人救われることはなかった"と歌われるビートルズの「エリナー・リグビー」、"なに一つ上手くいかなかったが、いつか私は、歌の神の前でひたすら唱えることだろう、ハレルヤと"と歌う、ヨーヨー・マなど多くのクラシックのアーティストもカバーするレナード・コーエンの「ハレルヤ」といった、普遍的なメッセージを持つポップスの名曲も収録。打楽器や撥弦楽器のサウンドも魅力的な古楽器奏者たちの共演も頼もしく、プログラムの中軸を見据えた解釈の充実度が、選曲の妙に奥行きを与えています。(2022/02/25 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA745 |