ベリオ, ルチアーノ(1925-2003)
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ONDINEレーベルで大活躍中の指揮者ハンヌ・リントゥ。彼は2013年までタンペレ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務め、現在はフィンランド放送交響楽団の首席指揮者を務めています。前作のメシアン「トゥーランガリラ交響曲」では、オーケストラの機能性と音響効果を存分に生かした素晴らしい演奏を繰り広げましたが、今回は、更に興味深いルチアーノ・ベリオの一連の作品の登場です。ベリオ(1925-2003)については今更説明の必要もないイタリアの現代作曲家で、様々な技法を駆使した作品を書きましたが、1950年代からは当時の妻であった歌手キャシー・バーベリアンとともに、声楽の限界を追求したことでも知られています。ボッケリーニの曲を元にした「4つの変奏」はミラノ・スカラ座の委嘱作品で、この時の劇場のオープニングナンバーの作曲を依頼されたベリオが、そのオーケストレーションの妙技を駆使して書いた変奏曲です。和声的には全く現代的なところのない、極めて愉快な音楽です。「カルモ」は彼の友人の一人、ブルーノ・マデルナの死への追悼の音楽。マデルナが愛したテキストを用いた歌曲(?)です。そして「シンフォニア」。こちらは既によく知られている作品であり、タイトルの「シンフォニア」とは交響曲の伝統ではなく、多様な声の合流という意味を持つ奇妙な作品です。一番わかりやすいのは、第3楽章におけるマーラーをはじめとした何人かの作曲家の作品の引用でしょう。様々な音楽が断片的に浮かび上がる様子は、マーラーの原曲における魚の鱗が光を反射する様にも似ています。複雑な曲ですが、聞いていてこれほど面白い作品もないかも知れません。(2014/11/26 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1227-5 |
シアトル交響楽団と首席指揮者モルローによる、彼らが得意とする現代作品のアルバム。マーラーの交響曲第2番「復活」第3楽章ほか現代までの多くの音楽作品や、フランスの社会人類学者レヴィ=ストロースのテキストからの引用、キング牧師の名などがコラージュされたベリオの「シンフォニア」には、グラミー賞受賞歴のあるヴォーカル・アンサンブル、ルームフル・オブ・ティースが参加。変幻自在な声表現で、この難曲を色彩豊かに描いています。ブーレーズの「ノタシオン」は、1945年に作曲したピアノのための小品集を1978年から管弦楽作品へと再構成したもの。全12曲のうち5曲(I~IV、VII)が完成されましたが、ここでは最初に編曲された4曲が演奏されています。いずれも2~4分ほどの小品(原曲は1~2分)ですが、4管編成の巨大な管弦楽を贅沢に使い、作品のエッセンスを最大限に拡張したオーケストレーションの妙を堪能することが出来ます。これら強烈な個性を持つ2作品の後に収録された「ラ・ヴァルス」ですが、モルローはここでもオーケストラから強烈なコントラストを引き出しており、目まぐるしいばかりの色彩で締めくくっています。(2018/10/05 発売)
レーベル名 | :Seattle Symphony Media |
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カタログ番号 | :SSM1018 |
器楽曲の発展の歴史において、演奏技巧の高度化と、それを通じた楽器の機能の拡張が、重要な役割を持っていたことは申すべくもないことでしょう。巨匠、ベリオがすでに様々な可能性が試みられた20(と21)世紀において、一層の飛躍への願いを込めて、(女声を含む)種々の楽器において意図的に名人芸を追求し、その半生を通じて作曲し続けた連作が、「セクエンツァ」です。当然ながら、どの曲も目も眩むほどの超絶技巧や特殊奏法のオンパレードで、アイデアの豊かさと、放出されるエネルギーの強さには圧倒されます。極限の技巧にのみよって達せられる、斬新なサウンドの面白さをご堪能ください。(2006/07/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557661-63 |
2017年グラミー賞《最優秀クラシック・ソロヴォーカリスト賞》受賞アルバム!カナダ出身の異才ソプラノ、バーバラ・ハニガン。レパートリーは幅広く、モーツァルトやグルック、パーセルなどのバロック作品も得意としていますが、何より彼女の名声を高めたのは一連の現代作品であり、映像でも公開されているリゲティの《グラン・マカーブル》の情景やB.A.ツィンマーマンの《兵士たち》での人知を超越したかの歌唱は聴き手に強い衝撃を与え続けています。様々な手法と技法が凝らされた、声のコレクションとも言えるベリオの「セクエンツァIII」で始まるこのアルバムは、ハニガンの魅力が存分に生かされているだけではなく、「ルル」組曲では指揮者としての才能も知ることができる、ハニガン入門にうってつけの1枚です。(2018/07/27 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA293 |
生涯を通じてピアノ曲を作曲したルチアーノ・ベリオ。このアルバムには彼のピアノのための作品が全て収録されています。活動の初期の作品で、バロックの様式に倣った魅力的な「小組曲」にはじまり、1960年代の代表作"4つのクラヴィア"を含む「6つのアンコール」では実験的な作風が垣間見えます。ウェーベルンを思わせる簡潔な書法が際立つ「5つの変奏曲」や彼のライフワークの一つである「セクエンツァIV」、彼の最後の作品のひとつで、様々な音による響きとリズムで構成された大作「ピアノ・ソナタ」まで、ベリオの多彩な作風を楽しむことができます。巧みな演奏を披露するのはイタリア出身のマッテオ・ベヴィラクア。現在ベルギーのエリーザベト王妃礼拝堂のアーティスト・イン・レジデンスを務めるとともに、ビジュアルアートの世界でも活躍するピアニストです。(2023/10/13 発売)
レーベル名 | :Grand Piano |
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カタログ番号 | :GP903 |
「骨董箱」といった意味を持つタイトルの「Curio Box」ここでは中国の奇妙な箱を指しています。アルバムには新古典音楽の代表とも言えるヒンデミットの室内音楽、民謡と現代音楽の融合を図ったベリオのフォーク・ソング、第1楽章に「Curio Box」と名付けられたアンダーヒルのチェロ協奏曲の3曲が収録されており、神秘的な箱の中から次々と現れる小さな芸術そのものを見るかのような驚きに包まれます。2002年に結成されたターニング・ポイント・アンサンブルはカナダのバンクーバーに拠点を置くグループで、オペラ、ダンス、ビジュアルアートなどと積極的にコラボレーションを行い、新しいアートを生み出すことを目指しています。(2018/08/24 発売)
レーベル名 | :Orlando Records |
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カタログ番号 | :OR0037 |
イタリアの名クラリネット奏者セルジオ・ボシの見事な演奏を。彼はすでにNAXOSレーベルで3枚のアルバムをリリースしていていて、マニャーニの超絶技巧物(8.572890)や、朗々と歌いまくる「知られざるイタリア作品」(8.572399)、ひたすら楽しい「イタリア小品集」(8.572690)、そのどれもがクラリネット愛好者から高い人気を得ています。そんなボシ、今作ではちょっと違った雰囲気の音楽を聞かせます。それは、1950年代以降の現代作品集で、これまでのように"美しいメロディ"を楽しむと言うより、楽器の持つ表現力の多様性を楽しむアルバムと言えるでしょうか。全て無伴奏作品であるため、曲の魅力も演奏技術も露わになってしまうという、奏者にとっても聴き手にとっても、かなりスリリングで興味深い1枚です。(2013/07/19 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573090 |
1948年より開催されている「エクサン・プロヴァンス音楽祭」。オペラを中心に数多くの演奏会が行われる夏の風物詩です。1998年からは音楽祭に伴い「アカデミー」を開設、若い演奏家たちのマスタークラスや、創作オペラ、実験音楽などの刺激的なワークショップが実施され、新しい才能が発掘される場となっています。ALPHAレーベルはこのアカデミーとコラボレーションを行っており、定期的に若い才能を見出していますが、2006年にアカデミーに参加したアンナ・ステファニーもその一人。彼女は早い時期からベリオのフォークソングに興味を抱き、この作品をベースにしたコンサートを企画していました。今回、素晴らしい「ラビュリント・アンサンブル」との共演で実現したレコーディングでは、ベリオとラヴェル、ファリャの作品を室内楽伴奏版で演奏。ベリオが要求する多彩な歌唱も含めた「言葉とイメージの融合」が図られた新感覚の作品として表出されています。(2018/06/29 発売)
レーベル名 | :Alpha |
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カタログ番号 | :ALPHA384 |
「Aqua」。ラテン語を語源とする言葉で多くの場合“水”を意味しますが、“water”に比べると、その内容はもっと広い範囲を含みます。このアルバムには様々な「Aqua」…それは太陽の光を反映する海や、柔らかい雨、爽やかな滝の水しぶき、時には水中の魚のうろこの煌めきまでが捉えられた、変幻自在で珍しい作品が収録されています。繊細な音からほとばしる響きまで、多彩な音色を紡ぎ出すのはアルタ・アルニカーネ。【デュオ・アルニカンス】としてリリースしたショパン/ドホナーニ:チェロ作品集(SM226)では情熱的なピアノを演奏していた人ですが、今作ではまた違った魅力を振りまいています。(2017/09/22 発売)
レーベル名 | :Solo Musica |
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カタログ番号 | :SM262 |