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ジャケ・ド・ラ・ゲール, エリザベト・クロード(1665-1729)

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    フランス17、18世紀の女性作曲家たち

    【男性優位の音楽史に覆い隠されていた才能が、次々とその真価をあらわにする】作曲は圧倒的に男性の仕事だったかのように印象づけられてきた17~18世紀のフランスで、実は驚くほど多くの才能豊かな女性作曲家が活躍をみせていたことを瑞々しい演奏で立証するアルバムの登場です。フランス新世代の名チェンバロ奏者ジュスタン・テイラーと共に、古楽器楽団ル・コンソートで創設メンバーの一人として共演してきたバロック・ヴァイオリン奏者ソフィ・ド・バルドネーシュを中心に、独奏から弦楽合奏まで変化に富んだ楽器の組み合わせを通じ、太陽王ルイ14世の頃からロココ文化華やぐルイ15世の時代にかけての名品群を絶妙なプログラムで紹介。王室の要人リュリ、マレ、クープラン、ド・ラランドら男性たちの影に追いやられ、後世から忘れられていた女性たちの作曲手腕がどれほど明敏だったか、その息吹の粋をよく捉えた演奏解釈でじっくり伝えてくれます。ソロ活動も目覚ましいヴィオラ・ダ・ガンバ奏者リュシル・ブーランジェの味わい深く流麗な低音も美しく、他の弦楽器奏者を交えてのオペラや声楽曲からの器楽部分抜粋もドラマティック。ライナーノート(仏・英・独語/国内仕様盤は日本語訳付)にはバルドネーシュ自身のコメントに加えて的確な背景解説を収録。比較的有名なジャケ・ド・ラ・ゲルひとりで終わらない、女性の才覚に支えられていた昔日のフランスの真相に迫る好企画です。(2024/10/04 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA1078

  • フランス・バロック声楽作品に描かれる女性たち

    【本場ヴェルサイユ発。イタリア風味のフランス音楽を通じて描かれる女性たち】フランスの古楽シーン最前線をゆく若き俊才たちが、解像度の高いフランス・バロック解釈を聴かせてくれる声楽作品集。フランス語の詩や台本の持ち味を最大限生かしながら、そこにイタリア由来の音楽様式を接ぎ木して生まれたルイ14世時代のフランス宮廷音楽様式。そうしたルーツをふまえつつ、イタリア語の作品も交えてその魅力を探るプログラムが興味深く起伏に富んでおり、長めのカンタート(フランス式カンタータ)でも短い歌曲でも、演奏は深い味わいに満ちています。歌い手は、ル・ポエム・アルモニークやレ・クリ・ド・パリなど一流アンサンブルに加わり着実に実績を上げてきたヴィクトワール・ビュネル、レザ―ル・フロリサンやピグマリオン、カペラ・メディテラネアなどの注目公演で存在感を発揮してきたアンナ・レイノルト、古楽に縛られない歌劇界での活躍も目立つギレム・ヴォルムスの3人。さまざまなアンサンブルで活躍する古楽器奏者たちが集うアンサンブル・イル・カラヴァッジョも古楽器それぞれの音色をよく生かして声を支え、団体名の由来となった画家の作風にも通じるコントラスト鮮やかな解釈で耳を惹きつけてやみません。選曲のテーマは「女主人公たち」。運命に翻弄されながら自らの人生を選び取ってゆく伝説上の女性たちから酒飲み男の恋慕の歌まで、描き出される女性像の多彩さも魅力の一つ。作曲家たちそれぞれの個性がよく際立つ選曲にもなっており、フランス古楽を聴き深めてゆく上でも参考になる学びの多い1枚と言ってよいでしょう。(2023/05/26 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS090

  • ジャケ・ド・ラ・ゲル: 《セファルとプロクリス》

    【クープランと同世代の異才女性作曲家、唯一のオペラの真価に迫る全曲録音ついに登場!】大クープランと同世代で、早くからフランス王室に愛された女性作曲家ジャケ・ド・ラ・ゲルが1695年、満を持してパリのオペラ座で披露した本格歌劇《セファルとプロクリス》。これまで部分的にしか録音が出ていなかった幻の名作ですが、ついに待望の全曲録音が登場します。自身もバロックオペラ復興に大きく寄与する歌手として活躍するレイナウト・ファン・メヘレンが主役セファルを演じながら、自ら主宰するア・ノクテ・テンポリスを指揮。不幸な思い違いから二人とも命を落としてしまう若き男女の悲恋は『ロミオとジュリエット』にも通じる筋書きで、神話の登場人物たちによる序幕まで含め物語は詩的かつスリリングな展開の連続。前評判が大きすぎたためか初演は成功せず数日で舞台から下げられてしまったそうですが、満を持して行われたこの録音はその不運が信じられなくなるほど、起伏豊かな作品本来の面白さを十全に引き出してやみません。カシェ、ビノン、ブロンデールら頼もしい女声陣にモイヨン、アバディら男声も実力派揃い。台本への精緻な読み込みを感じさせる歌唱を支えるオーケストラにもトラヴェルソのアンナ・ベッソン、オーボエのブノワ・ローラン、トランペットのジャン=フランソワ・マドゥーフらソリストが続々名を連ねているだけあり、歌の流れを盛り上げる味わい深い演奏を随所で楽しませてくれます。(2024/02/09 発売)

    レーベル名:Château de Versailles Spectacles
    カタログ番号:CVS119

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    カッチーニ/ストロッツィ/ジャケ・ド・ラ・ゲール:声楽と器楽アンサンブル作品集(ディ・ラッチオ/エイカーズ/ライト/アウダチウム・バロック・アンサンブル)

    歴史に名を遺すことができた女性作曲家たちは多くありません。ここでは、バロック時代にイタリア、フランス、そしてイギリスの宮廷で活躍した女性作曲家たちの作品をソプラノのガブリエラ・ディ・ラッチオと、古楽器演奏と研究で定評のあるバロック・アンサンブル、アウダチウムが鮮やかに描きだしています。初期バロック時代のフランチェスカ・カッチーニは、有名なジュリオ・カッチーニの娘で、女性で初めてオペラ『ルッジェーロの救出』を作曲。バルバラ・ストロッツィは、ヴェネツィアで自身も歌手として活動、いくつかの声楽作品で知られています。2019年は彼女の生誕400年周年を迎え、日本でも画期的な記念演奏会が開催され話題となりました。ド・ラ・ゲールはフランスのルイ14世の御前演奏で認められ、ヴェルサイユで華やかに活躍した演奏家。デ・ガンバリーニはイギリスで活躍したイタリア系の音楽家。1746年、ヘンデルの『機会オラトリオ』の初演に第2ソプラノとして出演したという記録が残っています。そんな女性作曲家たちによる音楽を紹介する“Donne Collection”シリーズの新しい1枚です。(2020/01/17 発売)

    レーベル名:Drama Musica
    カタログ番号:DRAMA008

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    デュメニ~リュリのオートコントル歌手(メヘレン/ア・ノクテ・テンポリス)

    【リュリが見出した稀代の名歌手のための作品を集めて】フランスのバロック期に活躍した、裏声は使わない高音域のテノールをオートコントルといいます。17世紀の中盤、既に歴史に名を残したオートコントルは存在しましたが、その生涯のうちに名を馳せたということでは、ルイ・ゴーラル・デュメニ(またはデュメニル)が最初の重要なオートコントルと言えるでしょう。リュリが見出した時、彼はなんと料理人でした。1677年にデビューした頃には、彼の演技と声の力強さを誰もが称賛し、音楽の全てを吸収して益々磨きをかけてゆくその耳の良さに驚かされたといいます。数世紀を経た現代、バロックのスター・テノールであるレイナウト・ファン・メヘレンは、リュリ、ラモー、グルックが生きた各時代に活躍した、オートコントルを讃えるアルバム三部作を企画、こちらはその第一弾です。リュリはもちろん、マレやシャルパンティエなど、デュメニの輝かしい経歴を彩った作品の数々を、生き生きとした快演で収めています。(2019/11/15 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA554

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    ジャケ・ド・ラ・ゲール:クラヴサン組曲第1番 - 第6番(エリザベス・ファー)

    それなりに名の通った女性音楽家としては、ジャケ・ド・ラ・ゲールは最も時代を遡った存在の一人といってよいでしょう(フランソワ・クープランとほぼ同時代人)。音楽一族に生まれた彼女は、ルイ14世への御前演奏で大いなる神童ぶりを発揮した少女時代から、64歳で亡くなるまで、終生音楽家として活躍を続けました。優れたクラヴサン奏者であっただけに、もちろんクラヴサン曲は、彼女の作品の中でも中核となる存在です。フランス・バロックに花開いた、典雅で華やかなクラヴサン(ハープシコード)文化の、偉大なる担い手であったことを痛感させてくれるものといえましょう。(2006/01/01 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.557654-55

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    ブリュネットをご所望なら~フランス18世紀の流行歌の世界(レ・カプスベルガールズ)

    【ロルフ・リスレヴァンド プロデュース、フランス発・新感覚の18世紀歌唱!】Alphaレーベル創設当初の名盤群を思わせる、フランス古楽シーンならではの洒脱さと発見の喜びが詰まった好企画。18世紀初頭、クープランやラモーが活躍した時代のフランス人たちが大いに好んだ流行歌に光を当て、当時のスタイルをふまえた演奏再現に徹しているのですが、その音作りがきわめて新鮮で香気にあふれており、古楽ファンはもちろん、フランス近代音楽のリスナーにも強く訴えうる魅力が詰まっています。たわいない羊飼いの男女の恋を歌ったブリュネットと呼ばれる俗謡、あるいは「まじめな歌・酒の歌」と総称されるタイプの軽い歌に器楽を交えつつ、2015年結成のフランス新世代といえるレ・カプスベルガールズがいかに秀逸なプレイヤーの集まりであるか、トラックごと実感せずにおれません。巨匠サヴァールの傍らでソロや歌唱伴奏、通奏低音など多面的に活躍してきた撥弦楽器の俊才ロルフ・リスレヴァンドがプロデュースを手掛けている点も、同団体の卓越した技量と、欧州古楽シーンが寄せている期待値をよく表しているのではないでしょうか。長大なバロック・オペラを聴く上でも、こうした18世紀のフランスの聴き手たちが日頃なじんでいた音楽を知り、当時の感覚に近づいてみることには大きな意義がある……と聴くほどに感じられるアルバムです。(2021/10/22 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA761