チャイコフスキー, ピョートル(1840-1893)
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トルコの名女性ピアニスト、ビレットによるチャイコフスキーの2 つの協奏曲です。さて、このアルバム、あまり聴く機会のない第3 番が聴けるのも注目です。最初、チャイコフスキーは交響曲として構想したこの作品。どうにも手に負えなくなってピアノ協奏曲へと書き変えたというもので、現存するのは第1 楽章「アレグロ・ブリランテ」のみですが、この曲が何ともスゴイものです。まるで重戦車のような迫力を持つ作品を、ビレットは重々しいタッチでぐいぐい鳴らします。バックをしっかり守るのが、こちらも迷(?)指揮者タバコフ。細かいことなんてどうでもよくなるような、ボリュームたっぷりの音。ずっしり来ます。ロシアのオケとはまた違った不思議な味わいをどうぞ。(2011/09/14 発売)
レーベル名 | :Idil Biret Archive |
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カタログ番号 | :8.571271 |
最近のビレットはますますその技巧に磨きをかけているようで、このアルバムから聞こえてくる音楽も芳醇の極みと言えるでしょう。まず、チャイコフスキーの秘曲、協奏的幻想曲は1884年に書かれた2楽章形式からなるピアノ協奏曲です。どうしても彼のピアノ協奏曲は第1番以外はあまり耳にする機会がないのだけれども、実はどれもなかなかの力作であり、なぜ人気が出ないのか不思議に思う人も多いのではないでしょうか。この演奏、とにかくセレブリエールが指揮するオーケストラが絶品。ひたすら力強く曲を盛り上げます。第2番は1879年から1880年にかけて作曲され、N.ルビンシテインに献呈されたもので、こちらもとても美しく技巧的なのですが、第2楽章のチェロとヴァイオリンの二重奏があまりにも長すぎて、ジロティがカットしてしまったりと、少々不幸な生い立ちを持つ曲です。ただ、少々残念なのは、どちらの曲も、美しいメロディが多すぎること。あまりの美メロの連続に、どこを「お気に入り」にすればよいのかわかりません。そんな毎日フレンチのフルコースを食べているかのような贅沢な悩みに浸るのもよいものです。(2011/12/14 発売)
レーベル名 | :Idil Biret Archive |
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カタログ番号 | :8.571280 |
イディル・ビレットにとって、シューマン(1810-1856)は特別な存在です。例えばCD8に収録されている「幻想小曲集 Op.12」は1959年に彼女がパリでLPに収録したもの。当時17歳であった彼女の瑞々しい感性は、2000年に再録した同じ曲にも見事に引き継がれています。また若き彼女が演奏した「クライスレリアーナ」はアルトゥール・ルービンシュタインに絶賛されました。ピアニストとして経歴を積み重ねている彼女ですが、その節目節目には必ずシューマンがあったと言っても過言ではありません。そんなビレットのシューマン、最初のピアノ協奏曲から魅了されること間違いありません。独特の歌いまわしとリズム感には痺れます。名手ヴィトの振るオーケストラも彼女にぴったりと合わせています。CD8は若き彼女のラジオ・インタビューを含む興味深い内容です。ベートーヴェンとは違った面持ちを魅せるビレットのシューマン。これは面白いです。(2015/04/22 発売)
レーベル名 | :Idil Biret Archive |
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カタログ番号 | :8.508016 |
【初出多数!クリスチャン・フェラスの名演をオリジナル・テープからリマスターしてリリース】フランスを代表するヴァイオリニストの一人、クリスチャン・フェラス(1933-1982)。気品を湛えつつも音楽に没入し、時に激しい情熱のほとばしりが感じられる演奏で聴衆を魅了、戦後フランスを代表するヴァイオリニストとして国際的に活躍しました。1961年と71年には来日公演も行いましたが、1982年に悲劇的な死を遂げ、世界中のファンを悲しませました。フェラスは戦後のドイツでも人気が高く、各地の放送局が収録・放送した演奏がCD復刻されていますが、このセットはベルクを除く全曲がオリジナル・マスターからの初CD化。ヴァイオリン音楽のファンは注目のリリースです。フェラスの父は、ジネット・ヌヴー、ローラ・ボベスコ、イヴリー・ギトリスらを教えたマルセル・シャイリー門下のヴァイオリニストで、その父の指導を受けたフェラスは早くから才能を発揮。8歳の年の1941年にニース音楽院に入学を認められると3年目にはヴァイオリンと室内楽で一等となり、1944年には更なる高等教育のためにパリ音楽院を紹介され、ルネ・ベネデッティにヴァイオリンを、ジョゼフ・カルヴェに室内楽を師事。2年後の1946年には室内楽とヴァイオリンで一等となり卒業。同年、13歳でラロのスペイン交響曲とベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を演奏してパリ・デビューを果たしました。1947年にエネスクと出会って教えをうけるようになったフェラスは、後年「テクニック面では多くの人から学びましたが、音楽の解釈という点では、私はエネスクの弟子です」と語っています。1948年にはユーディ・メニューインが審査員長を務めるスヘーヴェニンヘン国際コンクールで優勝、翌年には、ロン=ティボー国際コンクール(当時の名称)で1位なしの第2位を受賞。この時にピアニスト、ピエール・バルビゼの演奏を聴いて感激したフェラスは、終生続く名デュオを組むこととなります。1949年に若きジネット・ヌヴーが、53年にはジャック・ティボーが世を去ると、フェラスはフランス楽壇の期待を背負う存在となり、またヘルベルト・フォン・カラヤンが録音に好んでフェラスを起用したことも手伝って名声は世界的なものとなりました。この4枚組のBOXセットは、ヴァイオリンのレパートリーの中でもとりわけ重要な作品が収録されているのが嬉しいところ。いずれも堂々たる演奏ですが、中で特筆すべきは、まずCD2のエネスクのソナタ第3番。後の1962年の録音よりも全体的にテンポは速めで、即興的な高揚感が伝わります。フェラス&バルビゼ・デュオの絶頂期の記録です。CD3では、チャイコフスキーの第1楽章におけるカデンツァでの即興的な音運びがフェラスの真骨頂。CD4のブロムシュテットと共演したブラームスは当時から評判になっていたもので待望のCD化。ベルクの協奏曲は、フェラスがフランス初演を行って以後、得意としていたレパートリーであり、ギーレンの分析的な指揮も見事です。全て、オリジナルマスターテープより今回のリリースのために全て新たにマスタリングを行うことで、1950年代のモノラル録音でも鮮烈な音色が再現されており、フェラス・サウンドが味わえます。 詳細は次ページに(2022/06/17 発売)
レーベル名 | :SWR Classic |
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カタログ番号 | :SWR19114CD |
ドイツ・ロマン派の多彩な世界を描くというテーマの1枚です。シューマンの極めて内省的で、ユニークな作品である「4本のホルンとオーケストラのためのコンツェルトシュテュック」は、ホルン奏者のバイブルであり、ロマン派の時代が生んだ最高の傑作の一つです。チャイコフスキーによって管弦楽編曲を施された「交響練習曲」の一部はまるでバレエ音楽のような華やかさ。メンデルスゾーンの序曲はとても珍しい作品であり、ブラームスのお馴染みの舞曲もはじける楽しさを有しています。ウェーベルンの「ラングザマー・ザッツ」とはもともと弦楽四重奏のための「緩徐楽章」という意味を持つ作品ですが、この弦楽合奏版は、まるでマーラーの「アダージェット」やバーバーの「アダージョ」を思わせる雰囲気に仕上がっています。プフィッツナーの秘曲はこのアルバムの白眉ともいえる作品であり、冒頭に現れるファンファーレや、ひたすら暗い第2楽章など、後期ロマン派の特徴を表現した逸品。最後には冒頭のファンファーレが回帰し、プフィッツナーの基本理念である「ドイツ精神」が賛美されます。(2012/10/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.572770 |
ルービンシュタインの40代の血気盛んな演奏ぶりを堪能できる1枚です。とりわけブラームスの激しさは特筆ものですが、この録音自体は、演奏にしろ録音にしろ彼自身の満足の行くものではなかったようで、本来ならば発売されることはなかったというのも有名な話です。しかし瑞々しい情感に溢れたチャイコフスキーとともに、永遠の名演として愛されていくことは間違いないでしょう。マーク・オーバート・ソーン復刻(2008/04/09 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.111271 |