ルーセル, アルバート(1869-1937)
Search results:24 件 見つかりました。
1918年に55歳でこの世を去ったドビュッシー。その早すぎる死から2年を経た1920年12月、パリで同年創刊されたばかりの音楽雑誌「La Revue musicale」がドビュッシーの思い出に捧げる特集号を発行しました。ドビュッシーから影響を受けた9人の作曲家がそれぞれ作品を寄稿、これらはドビュッシーの美学を反映させながらも、各々のスタイルが強く打ち出されており、当時のパリの音楽界を象徴する作品集となったのです。このアルバムは「ドビュッシーのトンボー」編纂100年を記念し録音されたもの。これまで断片的に知られていた作品を完全に網羅し、またそこには含まれていない「ドビュッシーの思い出」に捧げられた3つの作品も添えて、100年前のパリを想起させます。(2021/01/15 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.573935 |
ラヴェル(1875-1937)のバレエ音楽《マ・メール・ロワ》。このタイトルはイギリスを中心に発祥した伝承童話「マザー・グース」のフランス語読みで、ラヴェルの友人の子供たちのために最初はピアノ連弾曲として作曲されました。ラヴェルは後に芸術劇場の支配人であったジャック・ルーシェの依頼により、この組曲をバレエ版に編曲。その際は曲順を入れ替え、また、前奏曲、間奏曲などいくつかの曲を付け加え、ラヴェルらしい色彩豊かなオーケストレーションを施し、実に見事な作品として生まれ変わらせました。とは言え、このアルバムで注目したいのは「ジャンヌの扇」。こちらは当時のサロン主宰者、マダム・ジャンヌ・デュボストの依頼作品で、当時フランスで活躍していた10人の作曲家たちが、彼女の扇の片面に収まるほどの短い曲を書き、これをつなぎ合わせた作品です。この組曲は1928年にロジェ・デゾルミエールの指揮によって私的に初演、その際にはジャンヌが運営するバレエ学校の子供たちが、マリー・ローランサンの衣装を着けて踊ったのだそうです。その翌年にはオペラ座で一般公開されました。その時の主役は10歳のタマラ・トゥマノワで、彼女は以降、パリのバレエ界のみならず、映画界でも活躍、世界的な知名度を得たことでも知られています。10人の作曲家の作品はとても個性豊かで、時にはストラヴィンスキーの影響も感じさせる楽しい曲が揃っています。(2016/10/28 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.573354 |
印象主義から新古典主義へと進んだルーセルの初期の名作「蜘蛛の饗宴」です。この作品はもっぱら作曲家自身が編纂した「交響的断章」が知られ、この全曲が演奏される機会はあまりありません。曲は印象主義そのものであり濃密な管弦楽法が特徴的です。1912年に芸術劇場の委嘱によって書かれたバレエ作品で、ファーブルの「昆虫記」からインスピレーションを受けていて、庭に巣を作った蜘蛛と、蜘蛛のエサとなる昆虫たち、その蜘蛛を狙うカマキリ。そして神秘的なカゲロウの羽化からその死までを精緻な書法で描いた、音による博物誌です。ルイ・ラロイの台本によるオペラ「パドマーヴァティ」は野性味あふれる異国的な音楽。本編には歌が挿入されますが、こちらは管弦楽組曲のみです。なかなか上演される機会のない幻のバレエです。ドヌーヴの演奏は闊達で色彩豊か。この曲を初めて聞く人にも安心してオススメできる逸品です。(2012/02/15 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.572243 |
フランスの作曲家アルベール・ルーセルは交響曲や『くもの饗宴』などのバレエ作品で知られていますが、あまり耳にすることはないとは言え見事な室内楽作品も書いています。ルーセルは青年時代のおよそ5年間を海軍に従事、退役した後に本格的に音楽を学び1902年に作曲家としてデビュー。1890年代の作品をほとんど破棄し、デビュー以降の作品をカタログ化したため、すでに書かれていたヴァイオリン・ソナタは破棄され、このアルバムに収録された1907-08年のソナタが第1番となりました。ロマンティックな楽想を持つ美しい作品です。第2番のソナタは1924年の作品。無調に近いものの少しだけ東洋的な響きを纏った15分ほどのコンパクトな作品です。最後の弦楽三重奏曲は1937年、ルーセルの最後の完成作品。簡潔な形式の中に全体的な統一感が感じられ、各パートが複雑に絡み合いながら曲がすすみ最後は唐突に終わります。2003年ワシントン国際コンクールで優勝し、現在はオバーリン音楽院で教えるヴァイオリニスト、デイヴィッド・ボウリンを中心としたアンサンブルの演奏です。(2024/05/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.574577 |
ステファン・ドヌーヴの前2作のルーセルは、そのどちらもが世界中から高い評価を受けています。今回の交響曲集もそれを上回る称賛を与えられることは間違いありません。フランスの作曲家にしては、かなり重厚な音使いをすることで知られるルーセル。劇音楽は割合良く聴かれるのですが、交響曲はほとんど人気のない分野です。以前もデュトワやミュンシュらが録音してはいるのですが、このような素晴らしい演奏がもっと多く出てくれば聴く人も増えてくるのではないでしょうか。第1番の交響曲は1904年から1906年に書かれ、1908年に初演されました。「森の詩」という副題があるにも関わらず、表題音楽ではありません。確かに気分は4つの季節に基づいているのですが、描かれている風景を想像上で描写するのは聴き手の力量にまかされているのです。交響的前奏曲「復活」はトルストイの同名の小説を示唆したもの。木管楽器の表情豊かなメロディによって孤高の傑作は確かに音にされています。バレエ音楽を得意としたルーセルの面目躍如と言った「眠りの精」はG・ジャン=オーブリの劇のための表情豊かな作品です。(2010/01/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.570323 |
フランスの作曲家ルーセルは海軍での活躍も有名です。1889年と1890年にフリゲート艦イフジェニー号でインドシナ近海を航海したことは、後の作曲家人生に大きな発展をもたらしたことは間違いありません。この第4番の交響曲は1934年に作曲され、1935年にアルベール・ヴォルフ指揮コンセール・パドルーによりパリにて初演されました。リズミカルで明瞭な形式を持っていた第3番の作風を継承し、さらにより多くの楽想を加えた厳粛な美が感じられる音楽です。第1楽章の冒頭の柔らかな弦のメロディと活発なテーマの対比、そして第2楽章の多彩な木管楽器の使い方はルーセルの音楽の特徴とも言えるものでしょう。「フランドル狂詩曲」は1936年に作曲され、その年の12月12日にエーリッヒ・クライバーに初演されています。ルーセルのフランドルの祖先への敬意が表された作品で16世紀から17世紀に採取された5つのベルギー民謡をもとにした快活な音楽です。(2010/05/12 発売)
レーベル名 | :Naxos |
---|---|
カタログ番号 | :8.572135 |