ティシチェンコ, ボリス・イヴァノヴィチ(1939-2010)
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ロシアのレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)に生まれ、ショスタコーヴィチ、ウストヴォーリスカヤに学んだ作曲家ティシチェンコ(1939-2010)の作品集。ピアノの名手であった彼の演奏は、かなりアグレッシヴであったと言われています。このアルバムに収録されている協奏曲でも、ピアノは打楽器的な扱いが多く、しばしば音の固まりを叩きつけるかのような演奏法が見られます。加えてヴァイオリンとピアノの親密な語らいは、弦楽の伴奏がなくても成立するほどの完成度を持っています。「交響曲第8番」はティシチェンコの晩年の作品で、最後に完成された作品群の中の1曲です。もともとシューベルトの「未完成」の後に演奏されることが目論まれており、全曲に渡ってシューベルトの作品が模され、最後は全てを完成させるかのように高らかなロ長調で幕を閉じます。当時のソ連で人気が高かった女性詩人ツヴェターエワのテキストによる「3つの歌曲」は風刺的であり、またロマンティックです。1993年にサンクトペテルブルク・リムスキー=コルサコフ国立音楽院を卒業後、ザルツブルクとウェールズで学び、指揮者、ピアニストとしてデビューしたユーリ・セーロフが全体をまとめています。(2016/12/21 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573343 |
ショスタコーヴィチやウストヴォルスカヤに学び、自らもサンクト・ペテルブルク(レニングラード)音楽院で教授を務めるという華麗な経歴、第7番にして119という作品番号は円熟の大作を期待させますが、まさに充実の一作。なんといっても驚かさせられるのは、第2楽章の弾けっぷりでしょう。シロフォンとピアノの硬質な響きを巧みに取り入れ、打楽器が炸裂、各種楽器のポルタメント奏法も絶妙、とにかく「同じ阿呆なら~」というセリフを思い出すほど、オーケストラが踊りまくります。もちろん師匠譲り?のクソ真面目・難解系の楽想も随所に聴かれ、作曲者の懐の広さをうかがわせます。(2004/09/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.557013 |
レニングラード音楽院でショスタコーヴィチ、ウストヴォーリスカヤらに学び1965年にレニングラード音楽院の教師となり、1985年には教授となったティシチェンコ。ショスタコーヴィチの「直属の音楽的後継者」と目されただけでなく、“ショスタコーヴィチの証言”を書いたソロモン・ヴォルコフをショスタコーヴィチに紹介したことでも知られています。彼は多くのジャンルに作品を書いていますが、ここにはハープを用いた抒情的な曲も収録されており、どちらかといえば「激しい作風」で知られるティシチェンコの知られざる一面を知ることができます。1986年に作曲された「わが兄弟へ」は彼の兄で科学者のミハイルの死を悼んだもの。ミハイル・レールモントフの詩が用いられており、フルートとハープが歌声を美しく彩っています。「遺言」はザボロツキーのテキストが用いられたヴィラ=ロボスやピアソラ作品を思わせる激しい曲。オルガンの響きがユニークです。ハープ協奏曲でのハープの使い方はかなり個性的で、とりわけ冒頭の断片的な響きが印象的。曲が進むにつれ様々な要素が顔を出す聴き応えのある作品です。(2020/01/31 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.579048 |