ベートーヴェン, ルードヴィヒ・ヴァン(1770-1827)
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リストと同時代の大ピアノ教師レシェテツキーが輩出した、偉大にしてミュータント的存在が、シュナーベルでした。当初は師の影響から、リストなど多くのレパートリーを手にしていましたが、経歴をつむにつれべートーヴェンの作品に集中するようになります。しかしそのアプローチは、万事ロマン派そのものだったレシェテツキーとは異なり、楽譜への忠実な回帰と、そこに書かれているものを知性と正確さをもって表現することを重要視するものでした。その彼が打ち立てた金字塔、史上初のベートーヴェン・ピアノ・ソナタの全曲録音の第1集です。(2002/11/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110693 |
シュナーベルによるベートーヴェン解釈といえば、一般に「楽譜の青写真」のような演奏即ち作曲者の意図を反映したものというイメージがあります。しかしながら彼の意図したところは、ペダンティックな楽譜の丸写しした演奏ではなく、その背後に潜む音楽を引き出すことにあったのでした。事実シュナーベル自身が校訂した楽譜を見ると、彼がベートーヴェンのオリジナルの楽譜をどれだけ変更していたかがわかります。とはいえ、彼の解釈は、エキセントリックなものや古典的均衡を乱すものでなかったのは確かでした。貴族的とも言えるスタイル、入念な仕上がり、とりわけそのフレージングの端正さこそが、彼の演奏の真骨頂でしょう。(2002/12/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110694 |
シュナーベルが先陣となった「ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ録音協会」盤には、シュナーベルの演奏によるベートーヴェンのピアノソナタ全曲と、変奏曲、バガテルなどが収録されていますが、今回ナクソスではCD化するに当たり、従来のLPが持っていた問題~ノイズあるいは過度のイコライジングによる歪みを除去し、原音に最も近い形で再プレスしました。第3弾に当たるこのCDでは中期のソナタ4曲を収録。もっとも美しいとされる7番・8番の緩除楽章において、旋律をたゆみなく歌わせるシュナーベルの卓越した集中力が聞き所です。(2003/02/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110695 |
ベートーヴェンのピアノ・ソナタを全体で見た場合、その作風の大きな転換点がいくつか見て取ることが出来ます。このCDに納められた作品22から27にかけては、いわば古典派の模範的ソナタからの脱却をベートーヴェンが図ろうとした時期とみなすことができます。作品22がその萌芽とも言える曲で、作品26においては形式面で完全に独自の形式、即ち第1楽章が実質的には欠けるという大胆な形を取っています。優れた理論家でもあったシュナーベルは当然のことながら作曲家のこれら実験的試みを見逃すことなく、極めて知的な解釈を披露しています。(2003/05/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110756 |
ロマン派の多くのピアニスト達が、標題的あるいは情緒的な解釈をベートーヴェン作品に施していたのに背を向け、シュナーベルは楽譜上に書かれたものを、青写真を解析するように解釈しました。しかし彼の演奏は杓子定規で冷たいものではなく、常に古典的品格と清澄さが漂うものでした。「月光」の第3楽章のように名人芸が要求されるところでも、けっして行き過ぎた芸当をひけらかすことなく、常に彼独特の解釈の支配下に置かれています。「田園」はとりわけ彼のそうした古典的解釈のもっとも成功した例で、格調の高さとメロディーの歌わせ方は傾聴に値します。(2003/12/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110759 |
「ドラマ的ソナタ期」とも分類される1802~1808年にかけて、ベートーヴェンは従来の古典的ソナタを脱却し、斬新なソナタを編み出しました。提示部における転調、突発的に挿入される楽句、やがてそれらが渾然と一体となり展開された後、高らかに再現部で解決されるという、それは一連のドラマ仕立てともいえるソナタとなっています。また「テンペスト」に見られるようなレシタティーヴォ的部分や、「ワルトシュタイン」における華々しいグリッサンド楽句など、ピアノの表現力も大きく前進させたのでした。学究肌と思われがちなシュナーベルですが、彼はこの時期の壮大な様式のソナタを、隅々まで分析・解釈し、朗々と歌い鳴らしています。(2004/03/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110760 |
ベートーヴェンのピアノ・ソナタのうち、「熱情」こそ、創作の絶頂期に書かれた最高傑作と紛うことなくいえるでしょう。一見相反するかに見える緻密な構築性と爆発的な音楽性とが共存している難曲ですが、シュナーベルはまずは構築性の側から攻めて、堅固な解釈を施しています。「熱情」とは極性の反対に位置するともいえる「告別」。派手さはないものの、旋律線の美しさ、和声の芳醇さあふれるこのソナタ、シュナーベルの演奏は、もっとも柔和で情緒豊かなものの一つと数えることが出来るでしょう。(2004/09/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110761 |
楽聖のソナタ中、最大規模にしてもっとも怪異な作品とされるハンマークラヴィア。その規模の大きさ、速度指定の謎、アダージョ楽章の美しさと物議を醸す要素満載のこの作品は、作曲者の経済的欲求からバラ売り(楽章別)にされたという経緯もあります。このスフィンクス的ソナタの謎を如何に紐解き、説得力ある演奏として提示できるかは、過去の銘ピアニストたちにとって試金石でもありました。リストはこのソナタを演奏することによってベルリオーズを熱狂させましたが、シュナーベルは同様に当時の評論家タウプマンを、とりわけ緩徐楽章で感銘させたのでした。(2005/02/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110762 |
最後のピアノ・ソナタに達するに至り、ベートーヴェンはもはやこれら作品を,聴衆を意識して作曲することをやめたかのようでした。自己の編み出した音楽観と形式との対話ともとれるこれら孤高の作品群は、フーガ・変奏曲といった作曲技法をとりながら、きわめて内省的な音楽となっています。ソナタ全集を録音し続け、ここにたどり着いたシュナーベルが、つまるところもっとも美しい形で残したのがこの最後期の作品群であったことは、ベートーヴェンに生涯をかけた彼にとって、喜ぶべきことなのかもしれません。(2005/04/01 発売)
レーベル名 | :Naxos Historical |
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カタログ番号 | :8.110763 |
ジャケットの写真を見ながら「うんうん、さわやかなベートーヴェンだ……」と思って素直にこのアルバムに耳を傾けてみてください。ピアニスト、ユンパネンは第1番のソナタの提示部の繰り返しで、あっと思うような捻り技を繰り出してくるのには驚いてしまいました。最近はモーツァルトなら自由に装飾を付けるのが当たり前ですが、あまりベートーヴェンではやらないのでは?そんなこんなで、第1番だけでなく他のソナタも発見がたっぷり。くすくす笑いが聞こえてくるようなベートーヴェン(1770-1827)です。そしてCD2の後期の2曲は打って変って、荘厳、重厚。ハーマークラヴィーアの第3楽章での晦渋な表現も見事としか言いようがありません。初期と後期、2つの味が楽しめるソナタ集です。(2014/03/26 発売)
レーベル名 | :Ondine |
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カタログ番号 | :ODE1248-2D |