ドビュッシー, クロード(1862-1918)
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南米チリ出身、20世紀を代表するピアニストの一人クラウディオ・アラウ(1903-1991)。この5枚組BOXには、1954年、1960年、1963年に開催された3回のリサイタルの模様が収録されています。1954年のリサイタルでは、前半に、まず遊び心溢れるモーツァルトが演奏されています。そしてベートーヴェンの「熱情」。この第1楽章は、60年代の全集録音の演奏よりもテンポが速く、また演奏もアグレッシブであり、タイトルをそのまま表現したかのような強烈な演奏です。続いての堂々たるシューマンでは全編に漲る気迫が感じられます。後半にはドビュッシーとラヴェルの名作を演奏。当時のドイツでは決して人気があったとは言えない選曲であり、アラウにとってもこれは挑戦的なものでしたが、彼は多彩な表現力と独創性をもってこれらを演奏し、ドイツの聴衆からの称賛を得ることができたのです。アンコールではショパンとメンデルスゾーンを3曲演奏しましたが、この3曲は以降、彼のレパートリーに加わることはありませんでした。1960年のコンサートでは、アラウの人生の中でも最も大切にしていたショパンの作品のみが演奏されています。彼の演奏はルービンシュタインとも、ハラシェヴィチとも違うアプローチであり、やはりアラウが得意としたブラームス作品をも思わせる深さを感じさせます。1963年のシュヴェツィンゲンでのコンサートはベートーヴェンとブラームス、シューマンの謝肉祭を演奏。どれもアラウの美学=抑制の効いた渋めの表現に貫かれた重厚な演奏です。SWR所蔵のオリジナル・テープからデジタル・リマスタリングを行っています。(2018/01/26 発売)
レーベル名 | :SWR Classic |
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カタログ番号 | :SWR19054CD |
英国の録音史において貴重な役割を果たしたRichard Itter-リチャード・イッター(1928-2014)。彼はもともと録音に対して興味を抱いており、1951年に開設された英国の放送局“BBC Wrotham transmitter”の放送(1955年からはVHF/FM放送が開始された)を私的使用するためだけに、当時最高級の機材を用いて録音していました。1952年から1996年まで、およそ1500点にのぼる放送録音は、貴重なコレクションとして現在も大切に保存されています。また、イッターは1959年にプライヴェート・レーベル「Lyrita Recorded Edition」を設立し、こちらは大手レーベル(HMV、Deccaなど)がリリースしなかったアイアランドやフィンジなど「英国の知られざる作曲家」を積極的に紹介し、1960年代における彼らの作品普及に大きく貢献しています。1970年代になると、さらにバックス、モーラン、オルウィン、ブリッジ、ローストーン、ラブラなどの交響的作品や協奏曲の初演録音を追加、こちらの音源の多くは現在“Nimbus Records”にライセンスされ、流通しています。ICA CLASSICSは、BBCと12年間の交渉との末、ようやく契約がまとまり、イッターの膨大な録音の中から40タイトルをリリースします。これらは前述のとおり、これまでに市場に出たことのない貴重なものです。1939年、50歳代半ばで病に倒れ、一時は指揮者として再生不能とまでされたクレンペラーですが、第二次世界大戦後には完全復帰、世界各地のオーケストラを指揮し名声を高めます。そしてロンドンでの客演が評判を呼び、これを聴いたウォルター・レッグが(ちょうどカラヤンの後任を探していた)1952年に彼と契約を結んだことは良く知られています。以降、クレンペラーとフィルハーモニア管の関係は良好となり次々と名盤が生まれましたが、この録音はEMIからはリリースされなかったもの。ブルックナーやブラームスなど、クレンペラーらしい厳格な演奏が並んでいます。また、モーツァルトの協奏曲でソロを務めているのはブロニスワフ・ギンペル。クレンペラーお気に入りのヴァイオリニストで、1937年から1942年には当時ロサンゼルス・フィルハーモニックの指揮者を務めていたクレンペラーはギンペルをコンサートマスターに迎えたほど、彼の演奏を高く評価していましたが、録音はあまり残されておらず、こちらも貴重な記録です。(2018/01/26 発売)
レーベル名 | :ICA Classics |
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カタログ番号 | :ICAC5145 |
「May Morning メイ・モーニング」とはオックスフォードで毎年5月1日に開催される恒例のイヴェントのこと。500年以上の歴史を持つこのイヴェントは、午前6時に始まり、モードリン・カレッジ合唱団がモードリン・タワー(鐘楼)の屋上でマドリガーレや5月に関する曲を歌い上げます。そして大勢の人々が合唱を聴くために集まり、祈りを捧げるとともに踊ったりし、イヴェントを心から楽しむことで知られます。2020年は新型コロナ感染症のパンデミックにより、イヴェントはヴァーチャルで開催されましたが、2021年は5月1日の前の週に秘密裏に開催。実際の聴衆こそ不在だったものの、このモードリン・タワーでの演奏はオンラインで披露され喝采を浴びました。このアルバムは、メイ・モーニングで歌われる曲を収録した1枚。カレッジの時計台の鐘の音を冒頭と最後に置き、伝統的な曲から現代の曲まで、さまざまな音楽が集められており、聴き手も長い伝統を体感することができます。(2022/04/29 発売)
レーベル名 | :Opus Arte |
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カタログ番号 | :OACD9049D |
【ハープによる有名クラシック曲を再構築した、眠れるアンビエント・ミュージック】DJ、作曲家、エンジニアであるMatsusaka Daisukeによる環境音楽(アンビエント・ミュージック)アルバム。2014年にナクソス・ジャパンがリリースしたデジタル配信アルバム「眠れる森のハープ」収録の音源を元に、様々な方法で再構築を行った音源を収録。収録曲のほとんどは誰でも聞き覚えのあるメロディで、「なじみやすい音楽で癒されることで『いつでも音楽のある生活』を楽しんでほしい」というコンセプトのもと、原曲の構成を尊重しつつも大胆なアレンジを加え、音への没入感など「眠れる」要素は大幅にアップしています。おやすみ前はもちろん、お風呂やおやつタイムなど、あらゆる「ホッとしたい」時に、そして気負いのない上質さを感じてほしい場所のBGMとしてもおすすめの、いま世界が注目している「日本の環境音楽」に新たな一石を投じる一枚です。(2019/08/28 発売)
レーベル名 | :Off-Tone |
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カタログ番号 | :OTCD001 |
映画音楽作曲家、パトリック・ガワーズを父に持ち、幼い頃から音楽的な環境で育ったキャサリン・ガワーズ。ユーディ・メニューイン音楽院で、日本にルーツを持つ名教師でありヴァイオリニストのデヴィッド・タケノに師事、才能を開花させました。ナイジェル・ケネディのツアーに参加したり、ジャズ・アンサンブルに参加するなど幅広い活動をしていますが、このアルバムではモンティの「チャールダッシュ」やポンセの「小さな星」など、誰もが耳にしたことのある名曲を次々に演奏。聴き手を魅了する術を知っている彼女ならではの見事な演奏を楽しめます。(2019/05/24 発売)
レーベル名 | :SOMM Recordings |
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カタログ番号 | :SOMMCD064 |
英国音楽の録音を積極的に行い、知られざる作曲家の発掘にも貢献した「Lyrita Recorded Edition」レーベル創立者、
リチャード・イッター(1928-2014)。彼が当時最先端のプロ用機材を用い、1952年からエアチェックしていたというBBC放送の音源を集めた、貴重なコレクションからCD化するシリーズ第4弾。
モントゥーが自国フランス音楽のスペシャリストというのは誰もが認めるところですが、ことブラームスへも深い愛情を注いでおり、公式の録音は残していない交響曲第3番のほか、初出となる2つの協奏曲が入っているのは嬉しいところです。フランクの「交響的変奏曲」は長い友人であるカサドシュとの共演で、今回初登場のライヴはモントゥーがこの作品を指揮した最も古い録音となります。ドビュッシー「映像」とショーソン「交響曲」は、モントゥー唯一のライヴ音源。またボーナスとして、同じフランスの指揮者であるミュンシュが振ったハイドンの102番を収録しています。これは彼がこの作品を指揮した唯一残っている録音で極めて貴重なものであるうえ、演奏もアグレッシヴで素晴らしいものです。ソースは磁気テープや、イッター氏が編集後録音し直したアセテート盤から取られており、入念にリマスタリングされ、50年代のエアチェックとしては非常に良い状態の音となっています。(2018/10/17 発売)
レーベル名 | :ICA Classics |
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カタログ番号 | :ICAC5150 |
ファースト・アルバム『ORIGINS オリジンズ』で高い評価を得た若き才能、富田心。今作では再びピアニストのサイモン・キャラハンとともに、19世紀後半から20世紀のレパートリーを探求します。2023年の来日公演でも演奏したヤナーチェクのソナタをはじめ、プロコフィエフのソナタや、幼い頃から彼女の憧れの曲で、前作では「吟遊詩人」1曲のみが録音されたエネスクの「幼き頃の印象」全曲に加え、アルバムの最初と最後には彼女の妹で、すでに数々のコンクールで入賞を果たしている富田夢も参加したリゲティの「バラードと舞曲」と「ダニー・ボーイ」も収録されています。しなやかな感性と高い音楽性に裏打ちされた見事な演奏をお楽しみください。【富田 心(とみた こころ/Coco Tomita)】2002年、岡山に生まれ生後6か月で渡英。4歳からヴァイオリンを始め、10歳の時にユーディ・メニューイン音楽学校に英国政府留学生として入学、ピエール・アモイヤルらに師事。2020年にはBBCヤング・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤーの弦楽器部門で日本人初の優勝を飾る。英国を拠点としてヨーロッパを中心にソリスト、室内楽奏者として活躍、2021年からベルリンのハンス・アイスラー音楽大学で研鑽を積んでいる。2022年には東京都交響楽団と初共演、東京でのデビュー・リサイタルも果たした。(2024/09/13 発売)
レーベル名 | :Orchid Classics |
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カタログ番号 | :ORC100331 |
美しく、自然なメロディーの一つの典型パターン、それはリズム的に似たような音型を、音程を変えながら繰り返すことです。この盤では、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」(20世紀に生まれのメロディーの中の最上のものの一つでしょう!)、あるいはグリーグの「ソルヴェイグの歌」、チャイコフスキーの「白鳥たちの踊り」、さらにはドビュッシーの弦楽四重奏曲までに、その優れた例を聴くことができます。和声的に、対位法的に充実した伴奏に支えられながら、一つの耳慣れたパターンが、少しずつ彩りを変化させ繰り返されていくとき、無上の心地よさが訪れます。(1987/10/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.556602 |
子守歌のタイトルを持つ曲はクラシック音楽の世界にも数多くありますが、フォーレのそれはこの分野の最高峰の一つです。定型的な旋律と和声進行を、揺りかごが揺れるかのように繰り返すのが子守歌のお約束ですが、その定型パターンの中に、いかにも初期のフォーレらしい独特の甘みが混ざっているのがミソといえましょう。そして秘曲路線では、シュポアのヴァイオリン協奏曲が最高! 泡沫弱小作曲家となめては大損です。ヴァイオリニストならでは作品らしい装飾的音型が大変にロマンティックで、高音域に上昇していくところなど背筋がゾクゾクする逸品です。(1987/10/01 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.556610 |