モリス, マイケル
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脳神経科医オリヴァー・サックス博士が自身の体験を元に著した「妻を帽子とまちがえた男」(日本語訳も出版されています)。なんとも奇妙なタイトルですが、この主人公P教授も実在していたのです。かつては大歌手であったP教授、現在は知覚障害を発症し様々な認知障害を抱えています。このオペラが初演された1980年代は、まだまだこの症状について人々の認識は深いものではなく、日本では1970年代にブームになった「恍惚の人」という表現が知られていたように、アメリカにおいても、このようなオペラ形式で「認知症」を人々に知ってもらうという方法が取られたのです。サックス氏の文章は、P教授の奇妙な症状を客観的に紹介しながらも、その根底には共感と優しさが感じられることでも知られ、これを観た人はP教授に賞賛を送ることになるのです。ナイマン(1944-)がこの物語につけた音楽はお馴染みのミニマルですが、決していらだつような雰囲気ではなく、どんな状況でも温かく包み込むような美しさを備えています。人間の尊厳とはなにか・・・そんな主題を孕む問題作です。(2016/09/21 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.660398 |