フラー, ウィリアム(1608-1675)
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【かの名歌手の息子が瑞々しく聴かせる英国のメランコリー】古楽復興の重要な拠点である英国で、20世紀後半の古楽復興の牽引役の一人として、みごとな美声で数々の名演を紡ぎ出してきたカウンターテナー歌手マイケル・チャンス。その息子アレクサンダー・チャンス初の本格的なソロ・アルバムは、父と同じく英国音楽への深い愛と抜群の適性を実感させてくれる、輝かしい未来も予感できる上質なリュート・ソング集です。エリザベス朝時代から活躍をみせたメランコリーの音楽家ダウランドや同時代のキャンピオンの作品を中心に「英国のオルフェウス」と称えられた17世紀後半のヘンリー・パーセルの名曲に至るまで、有名曲をほどよく交えつつ、当時の英国人たちを陶然とさせたフランス宮廷音楽も選曲。ある時は静謐な悲痛さをもって、またある時は皮肉っぽさを交えた晴朗さで、高音域まで伸びやかな美声の味わいが引き立つさまざまな作品の面白みをじっくり引き出してゆく名歌唱がたまりません。LINNならではの秀逸な録音技術により、デュオ・パートナーのトビー・カーが聴かせる玄妙な撥弦も克明に楽しめ、400年以上前の英国ではシンプルな響きの中でいかに変幻自在の多様な音楽が楽しまれていたか再認識させられることでしょう。(2023/04/28 発売)
レーベル名 | :Linn Records |
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カタログ番号 | :CKD711 |
【ラテン・ポップから垣間見える20世紀の動乱と、妥協なきバロック解釈の静かなる共存】ジョン・エリオット・ガーディナー、ジョン・バット、ロバート・キング、ジョルディ・サヴァールなど世界の古楽器ムーヴメントを牽引する名指揮者たちに招かれソリストとして活躍してきた英国のテノール歌手ニコラス・マルロイのソロ・アルバム。しかし演目は古楽レパートリーに絞らず、キューバ、メキシコ、チリなどのポピュラー・シーンを活気づけてきた20世紀中南米のシンガーやソングライターたちの名曲を17世紀音楽と巧みに対置させる構成になっています。マルロイの伸びやかで温もりある美声によって優美に歌い上げられることでラテンアメリカ音楽が驚くほど新鮮に響く一方、その佇まいと全く違和感なくバロック作品の妥協ない古楽解釈が共存するプログラム進行はきわめて印象的。現代ギター含め多様な撥弦楽器を弾きこなす2人の古楽器奏者、エリザベス・ケニーとトビー・カーの柔軟な対応力にも驚かされます。キューバのシルビオ・ロドリゲスやニコ・ロハス、プエルトリコのラファエル・エルナンデス、チリのビクトル・ハラなど、母国の情勢に抗い命がけの活動を続けた音楽家たちの曲と相俟って、パーセルやモンテヴェルディの書法に潜む時代に先駆けた斬新さにも改めて気づかされることでしょう。穏やかでありつつ豊かな語りに満ちた歌を通じ、20世紀を通じてカウンターカルチャー的に発展してきた古楽と、時代の激動から生まれたラテンポップとの思わぬ相性も実感できる1枚です。(2024/06/07 発売)
レーベル名 | :Linn Records |
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カタログ番号 | :CKD746 |
イギリス・バロック音楽の最大の音楽家であるパーセルの名曲集です。王室礼拝堂の少年聖歌隊で学んだ後、チャールズ2世の時代に「国王の楽団」の作曲家、及びウェストミンスター寺院のオルガニストとして活躍、36年という短い生涯に膨大な作品を残しました。ここで聴けるのは彼の作品の中のほんの一部ですが、イギリスの上品さと典雅さを一身に集めたかのような輝かしく美しい曲を存分に楽しめます。歌劇「ダイドーとイニアス」の中の「ダイドーの嘆き」はポップスなどにも編曲されていたり、トランペット・チューンなどはCMで使われたりと、存外身近にある作曲家なのだな・・・と感激してしまったりもします。(2009/08/26 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.556839 |