ニヴェル, キヨーム=ガブリエル(1632-1714)
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【2つの歴史的楽器を使い分け、17世紀の英仏音楽の親和性と差異の真相へ】ルイ14世が生涯をかけて建造に情熱を傾け、ルイ15世の時代に現在の姿へと調えられていったヴェルサイユ宮殿。そこには1995年に18世紀当時の状態まで復元された王室礼拝堂の歴史的オルガンと、ルイ15世時代に愛奏されていた2台のクラヴサンがありますが、ここではそのクラヴサンのうち18世紀半ばに作られた方の楽器と、王室礼拝堂のオルガンとを同じ奏者が使い分け、英仏の作曲家たちが残したバロック期の鍵盤音楽の真相に迫ります。演奏は現在フランス語圏スイスの古楽拠点ジュネーヴで教鞭を取るコンスタンス・タヤール。選曲の軸にあるのは、17世紀英国の早世の天才ヘンリー・パーセル。宮廷の主たる英国王が王政復古前にフランスに亡命していたため、当時の英国王室ではルイ14世が好んだ様式に強く影響を受けた音楽が愛されていましたが、タヤールはブルボン王室の巨匠たちの音楽の只中にパーセルやその師匠ブロウの作品を配することにより、彼らの英国音楽がいかにフランス音楽と連続性のあるものだったかを鮮やかに浮き彫りにしてゆきます。オルガンだけでなく、適宜クラヴサンのための楽曲を交え、礼拝堂向けの音楽と俗世の劇場向けの音楽とを行き来する選曲になっているのも興味深いところ。それぞれに別扱いされやすい各種の音楽に一貫性を感じることができるのは、オルガンとクラヴサンをどちらも鮮やかに弾きこなせる名手タヤールの存在に負うところが大きいと言わなくてはなりません。精緻な解釈と周到なプログラムで、「国」と「文化」の感覚が今とはかなり違っていたバロック期の感覚を生々しく体感できる1枚です。(2022/01/28 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS056 |
【デュメストルがヴェルサイユで描く、ルイ14世の絢爛たる婚礼の儀】1660年6月9日にサン=ジャン=ド=リュズで行われたフランス王ルイ14世とスペイン王女マリー・テレーズとの結婚式から音楽部分を、ヴァンサン・デュメストル率いるル・ポエム・アルモニークが、篤い信頼を置くソリストたちを揃え、ヴェルサイユの礼拝堂で再現したアルバム。古楽を中心に様々なステージや録音で活躍する歌手たちが芸達者ぶりを発揮するほか、大オルガンを使用する独奏曲はジュスタン・テイラーが奏でています。(2022/05/27 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS066 |
【ルイ14世の礼拝を託されたオルガンの名手ルベーグの真骨頂、当時の演奏習慣に従い声楽を交えながら】フランス北部の古都ロンで生まれ、さまざまな音楽修業を経てパリでオルガン奏者として活躍、1678年にルイ14世の王室礼拝堂の常任オルガン奏者が4人配属された時にその一人となったニコラ・ルベーグは、同年代のリュリ同様に太陽王ルイ14世の愛顧を受け、オルガンとクラヴサン(チェンバロ)の達人として活躍する傍ら作曲家としても両楽器のための作品を残し、1702年に亡くなりました。ヴェルサイユ宮殿の王室礼拝堂とそのオルガンはルイ14世の最期も迫った1710年頃にようやく完成したため、設置時の姿に復元されて現在聴くことができるオルガンでルベーグが演奏をすることはなかったのですが、この楽器の名工ロベール・クリコへの発注にあたってはルベーグの助言が大きく反映されたとも言われています。フランスの若き名手ニコラ・ビュシェは、並居る既存録音にも敬意を表しながら自分なりの独創性を盛り込むべく、17世紀当時のフランスの礼拝における演奏習慣を徹底的に検証・再現する内容で今回のアルバムを制作。ルイ14世の秘密結婚の相手だったマントノン夫人の影響で修道女たちも多く音楽活動に関わっていた当時の状況を踏まえ、ヴェルサイユ王室礼拝堂のオルガンと女声による単旋律聖歌や独唱モテを交えた構成で、さまざまなパイプの響きの違いを鮮やかに対置させつつ、ルベーグ作品本来の味わいに迫ります。フランス・バロックのオルガン音楽のルーツに迫った好企画。併録されているニヴェールの音楽や謎多きルベーグの声楽曲についての解説(仏・英・独語)もこのレーベルならではの頼もしさです。(2022/10/28 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS081 |
【現代最高の名手ラトリーが理想的環境で弾く、ルイ14世に仕えた鍵盤奏者の「本職」!】数々の一流オーケストラとの共演でも知られ、2019年火災に遭ったパリ・ノートルダム大聖堂のオルガンの正規奏者として、被災前最後の録音も制作している名手オリヴィエ・ラトリー。古楽から現代作品まで、常に演奏曲目の本質を見据え、音響環境をよく見定めて楽器の魅力を最大限に引き出す解釈を聞かせてきた彼が、フランス・バロック最大の鍵盤音楽の大家F.クープランによるオルガン曲の大作と向き合いました。しかも録音場所は、この大家が仕えたルイ14世の治世下で長年にわたる計画の末に完成されたヴェルサイユ宮殿王室礼拝堂。現存するクープラン唯一のオルガン曲集に収録されている『修道院のためのミサ』は、ミサの祈祷文の朗誦と交互にオルガン演奏を挟んでゆく当時の礼拝習慣にあわせて書かれた長大な作品。詩節ごとに細かく分かれた楽章の数々には使う音色が曲題として明記され、明瞭な音の動きの中でフランス音楽ならではの色彩感豊かな響きが味わえる内容。ラトリーはフランス古楽シーン有数の歌手たちによる比類なく玄妙な歌唱を得て、同じく王室礼拝堂に仕えた17世紀の大家デュモンやニヴェールの歌を交え、当時の礼拝の文脈に乗せてこの傑作を「いま」に甦らせます。ヴェルサイユ王室礼拝堂のオルガンは設置当初の形に復元されており、クープラン自身の演奏でも味わえたであろう音響を追体験できるのも貴重。ALPHAレーベル初期の名盤群で知られる録音技師ユーグ・デショーが、礼拝堂の残響や佇まいを自然に伝える美しいエンジニアリングで、オルガンと歌声の交錯を鮮やかに伝えてくれます。(2022/11/11 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
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カタログ番号 | :CVS082 |