ヴァンディーニ, アントニオ(1690-1778)
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【音楽大国ヴェネツィア共和国は、チェロ史上も「ヴィヴァルディだけ」ではなかった】キアラ・バンキーニやエンリーコ・ガッティらが絶大な信頼を置くバロック・チェロ奏者であり、イタリア17~18世紀のチェロ音楽史についての該博な知識をソリストとしての活動で活かしてきたガエターノ・ナジッロ。2015年にはチェロ先進地としての18世紀ナポリに光をあてた2枚組アルバムが話題を呼びましたが、今度のテーマはヴェネツィア。「水の都」たる首都の活況だけでなく、内陸のパドヴァやアドリア海沿岸の現クロアチア領も含めたヴェネツィア共和国領内で、古典派時代初期へ向けてどれほど豊かなチェロ音楽が発達してきたか……入念な解釈、闊達にして味わい深い古楽器演奏で明らかにしてゆきます。18世紀ヴェネツィアのチェロ音楽といっても、多くの場合はヴィヴァルディの作品ばかりが注目されてきたところ。しかしオペラや合奏など音楽目当ての観光客も詰めかけた当時のヴェネツィアだけに、低音を支えるチェロ奏者にも事欠きませんでした。ヴィヴァルディが指揮したピエタ養育院でも教鞭をとった名手たちには、チェロ音楽揺籃の地ボローニャから来たヴァンディーニの姿も。古典派への一歩をみせる作品も少なくなく、リ・インコーニティの鍵盤奏者フォンターナら頼れる通奏低音陣の活躍とあいまって、発見に満ちたガットの中低音世界に興味がつきません。(2019/08/23 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A465 |
【記念年ならではの異色充実盤、「低音のタルティーニ」が登場!】現代イタリアを代表するチェロ奏者のひとりマリオ・ブルネロが近年、アマティのモデルにもとづく独特の小型チェロで古楽研究的アプローチもさかんに試みるようになっているのは見逃せません。ヴァイオリンと調弦が同じでオクターヴ違いの低音が鳴るこの楽器を用いて、彼がバッハの無伴奏ヴァイオリン曲集を録音し大きな成功を収めたのも記憶に新しいところ(国内仕様NYCX-10100/輸入盤A469)、同じ楽器で今度は故郷イタリアの重要作曲家に向き合ったアルバムをリリース。しかも選曲にこだわりありの注目企画です。バッハよりも少し後、1692年生まれのタルティーニは今年(2020年)が歿後250周年。その作品は自らが抜群の演奏能力を誇ったヴァイオリンのためのものがほとんどですが、ごくわずかながら低音弦楽器のために書かれた作品もあり、チェロの巨匠たちから愛されてきました。しかし本盤でブルネロは、最新の音楽学知見も参照しながら、ヴァイオリンのための作品も上述した小型4弦チェロで演奏。さらにテレマンの無伴奏ガンバ曲集と同じコレクションに含まれ、近年発見されたというガンバのための作品もとりあげ、門弟による合奏協奏曲編曲なども交えて、興趣のつきない選曲でタルティーニの世界を縦横無尽に駆け巡ります。協奏曲での共演は、ブルネロとカルミニョーラによる二重協奏曲アルバム(NYCX-10133/A472)でも名演を聴かせてくれたイタリアのピリオド楽器アンサンブル。充実した解説も添えられており、記念年ならではの意欲的企画で、タルティーニの思わぬ低音世界を発見できる1枚です。(2020/11/13 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A478 |