パッタ, セラフィーノ
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【選曲絶妙。イタリア初期バロック宗教音楽の生々しさを高雅に捉えたモテット集】17世紀初頭、モンテヴェルディやカッチーニ等と同時代の北イタリア各地で活躍した作曲家たちの教会音楽を、3人の歌手と3人の通奏低音奏者のさまざまな組み合わせで変幻自在に聴かせてゆくアルバム。複数声部の絡み合いを大前提としたルネサンス・ポリフォニー教会音楽から、独唱パートの存在感を強く際立たせたバロック的コンチェルタート様式が生まれ、そこからオペラという独唱ありきの新しい舞台芸術が誕生したのが1600年前後で、ここではその10年ほど後、通奏低音に支えられた独唱パートを幾つか重唱させる小編成の新しい教会音楽(モテット)が定着しつつあった頃の作品を中心にプログラムが編まれています。モンテヴェルディを例外として大半は滅多にとりあげられない作曲家ばかりと思いきや、はっとするほど官能的な旋律美やきわめて大胆な転調あり、語りのような独唱もあればルネサンス語法の新解釈のような興味深い展開もあり、トラックごとに新鮮な驚きが詰まったアルバムの充実度は本場イタリアにおける古楽研究と演奏実践の緊密な連携、経験値の集積を強く印象づけます。「初期バロックは教会の内と外の音楽が互いに驚くほど近かった」とライナーノートに解説されている通り、まさに世俗のマドリガーレと聴き違えるほどの内容は、聖書の中でもとりわけ煽情的・官能的な描写が相次ぐ『雅歌』から歌詞をとった作品ばかりを集めているからこその特色と言えるでしょう。その聖俗の近似性を際立たせるべく、たとえば当時オペラの名場面を彩った共鳴弦付き擦弦楽器リローネを使ったり、モンテヴェルディ『聖母マリアの夕べの祈り』からの一章はあえてリュートソングのように撥弦楽器一つの伴奏に絞って聴かせるなど、演奏編成に工夫が凝らされている点も注目です。(2024/03/22 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A562 |