コルスティック, ミヒャエル(1955-)
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1998年から2007年にかけてOEHMSレーベルに録音したベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集が高い評価を得たドイツのピアニスト、ミヒャエル・コルスティック。ベートーヴェン生誕250周年を機に満を持して取り組んだピアノ協奏曲の全曲セットが登場します。ベートーヴェンのピアノ協奏曲は通常、第1番から第5番までを全集としますが、このコルスティックの全集は、第2番の初稿フィナーレであるロンド変ロ長調 WoO 6や、ヴァイオリン協奏曲のピアノ版(このCDでは第7番と表記)に加え、ベートーヴェンが1814年から15年頃に作曲したとされるニ長調の協奏曲断章(このCDでは第6番と表記)、14歳頃に作曲した変ホ長調の協奏曲までも収録していることが大きな特徴。若書きの「第0番」変ホ長調 WoO 4はオーケストラ・パートが失われてピアノ・パートだけが伝えられています。この曲にオーケストレーションを施した例としてはスイスの作曲家ヴィリー・ヘスによるものがありますが、ここではコルスティックの発案で指揮者・音楽学者のヘルマン・デヒャントに依頼した新たなオーケストレーションを採用。第4番を参考に、ヘス版に無かったファゴット2本を追加。更に終楽章ではトランペット2本とティンパニを追加して、壮麗な響き持つ演奏時間約26分の協奏曲となりました。カデンツァはデヒャント作のものを参考にコルスティックが手を加えています。ニ長調H15は未完成ながら258小節あり、ベートーヴェンが残した断章の中でも最大規模です。1986年にイギリスの音楽学者ニコラス・クックが他のスケッチなども参照しつつ独立した楽章として補筆完成させました。ここではクック版にヘルマン・デヒャントがカデンツァとコーダを加え、更にコルスティックが独自に手を加えた楽譜を演奏しています(演奏時間13’57”)。本命と言うべき第1番から第5番では、ピアノもオーケストラもピリオド・スタイルを取り入れてペダルやヴィブラートを控え目にしつつ、モダン楽器らしいシンフォニックなサウンドの魅力もしっかりと表現しています。引き締まったテンポでドラマティックに展開してゆく速い楽章と、柔らかな響きで旋律をしっとりと歌う緩徐楽章が好対照です。(2022/07/29 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :555447-2 |
OEHMSレーベルのベートーヴェンのソナタ全集が高く評価され「ドクター・ベートーヴェン」の異名を取るミヒャエル・コルスティック。もちろんレパートリーはベートーヴェンだけではなく、リスト、レーガー、ドビュッシーやケクランなどのフランス作品、ヒナステラ、カバレフスキーなどの近代作品も得意としています。今作は、ピアニストの王道レパートリーとも言えるラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番。コルスティックにとっては初めての録音ですが、彼は超絶技巧を駆使しながら共感溢れる素晴らしい演奏を聴かせます。アルバムには2018年2月に録音された「コレッリ変奏曲」と2005年8月の「ピアノ・ソナタ 第2番」も収録されており、10年以上かけて熟成された彼の音楽性も確かめることができる1枚です。(2018/09/28 発売)
レーベル名 | :Oehms Classics |
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カタログ番号 | :OC1896 |