カスティリョーニ, ニッコロ(1932-1996)
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20世紀後半のイタリア音楽界において、際立った個性の持ち主であったニッコロ・カスティリョーニ。ボリス・ブラッハーとフリードリヒ・グルダに師事、ストラヴィンスキーに影響を受けた新古典主義の作曲家としてデビューした後、前衛作曲家として活動しました。1966年にアメリカに行き、大学で教えながら次々と作品を発表し、時には不条理な作風で物議を醸しましたが、1970年にイタリアに戻ってからは原点に回帰、ミラノ音楽院で作曲を教えながら1996年に亡くなるまで多くの作品を遺します。世界初録音を含むこの全集の第1巻では、カスティリョーニの初期のピアノ作品から、習作とも言えるピアノ・ソナチネを始め、新古典派風の「小組曲」、12音技法を探求した「4つの歌」などの作品と、彼の死後に遺品から発見された「ソナチネ第2番」などの後期の作品を併せて収録。組曲の1曲のみがアップライトピアノで演奏するように指定された「夏の過ごし方」や晩年の簡素化された作風による「はじめにダンスあり」も興味深い作品です。ピアニストのアルド・オルヴィエートは20世紀イタリア・ピアノ作品のスペシャリストとして、幅広いレコーディングや演奏活動を行っています。(2022/10/14 発売)
レーベル名 | :Grand Piano |
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カタログ番号 | :GP862 |
20世紀後半のイタリアで活躍した作曲家ニッコロ・カスティリョーニ のピアノ曲集、2022年に発売されてアメリカン・レコード・ガイド誌で高く評価された第1集(GP862)の続編が登場。1950年代から1990年にかけて作曲された作品を収録しています。7つの音で構成された低音の旋律が持続する「オスティナート」や聖木曜日の祈りで歌われる讃美歌をモティーフとした「讃歌」でのスタイルから一転、その1年後に書かれた「3つの練習曲」ではデビュー当時の新古典主義の作曲家というイメージを払拭する12音技法が用いられています。1958年の「運動の開始」はダルムシュタット夏季現代音楽講習会での名刺代わりとなった作品。その翌年の「カンジャンティ(絶え間ない変化の意味)」も同じくダルムシュタットのための作品です。そのほぼ20年後の「3つの小品」では作風がすっかり変化し、晩年の特徴である「禁欲的ともいえるシンプルさ」が見て取れます。円熟期の代表作の一つ「優しき慰め」では時折抒情的な響きも現れ、1990年の「He」では更に切り詰められた音楽となり、後半ではE音とF音の隣接したモティーフがなんと100回以上繰り返して演奏されて呪術的な効果を生み出しています。演奏は第1集と 同じくイタリア出身のアルド・オルヴィエートが担当。 (2024/01/12 発売)
レーベル名 | :Grand Piano |
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カタログ番号 | :GP863 |
1960年代はクラシック音楽における実験音楽が盛んで、声楽のジャンルでも、作曲家たちが熱心に声の使い方の実験的な再構築を行いました。そこには作曲家たちのミューズとなる極めて優れた声楽家たちの存在がありました。アメリカのキャシー・バーベリアン(1925-83)は枠にとらわれない大胆なパフォーマンスで、ジョン・ケージ、ブソッティ、そして一時期婚姻関係にあったベリオなどから曲を献呈されています。さらに、日本人のソプラノの平山美智子(1923-2018)も、1953年よりローマやシエナで学び、欧州の劇場で100回以上「蝶々夫人」を歌った後、現代音楽演奏に身を捧げ、様々な作曲家と交流し、シェルシとは特に緊密なコラボレーションを行いました。ここでは、中世音楽から現代曲まで幅広いレパートリーを持つイギリス出身の演奏家サラ・ストウが、ソプラノのみならずハープシコードやパーカッションまでを担当。ストウは、イタリアでベリオのために歌い、平山美智子に師事してシェルシの声楽作品を勉強しており、ドラマティックで大胆な実験音楽の世界を体現しています。(2020/01/17 発売)
レーベル名 | :Metier |
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カタログ番号 | :MSV28593 |
ビレットは1972年にFinnadarレーベルへ録音を開始したのですが、ここは、ワーナー傘下で現代音楽(とりわけ電子音楽)有数のアトランティック・レコードと提携関係にあったため、当時活躍していた現代作曲家たちがこぞってLPをリリースしていたのです。そんな関係で、彼女も最先端の音楽を奏することになり、この1976年録音の希少盤が出来上がることになったのです。トッカータの進化系のようなブークーレシュリエフやブローウェルの作品は、いかにも彼女らしいと頷けますが、ミマールオールの「セッション」もなかなかの大作です。この曲はルイジ・ノーノばりのテープを用いた扇動的な作品で、時としてピアノの音色が頭から飛んでしまうかのような、多元的な音楽で(この作品はビレットのために書かれています)、機械的に処理されたオーケストラの響きなどを巻き込みながら、コラールにも似たピアノの音色で終焉を迎えます。(2011/12/14 発売)
レーベル名 | :Idil Biret Archive |
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カタログ番号 | :8.571276 |
モーツァルト、ベートーヴェンはもちろんのこと、どんな作品でも完璧に弾きこなすトルコの女性ピアニスト、イディル・ビレット。初期のNAXOSレーベルの立役者でもあった彼女は、現在、各レーベルに散らばっている自らの録音を集約し、「イディル・ビレット・アーカイヴズ」として世に出しています。そんなビレットが最も得意としているのはなんと言っても「現代の作品」であり、デビュー直後からブーレーズやリゲティ作品をバリバリ弾きこなすことで評判を取っていたことでも知られています。この15枚組には、バルトークからストラヴィンスキー、そして前述のブーレーズやリゲティまで、1950年代から2010年代までの演奏が収録されています。彼女の恩師であるヴィルヘルム・ケンプの「バッハ編曲集」や、トルコの作曲家サイグン自身が指揮してバックを務めた協奏曲など、興味深い作品が並んでいます。(2016/07/27 発売)
レーベル名 | :Idil Biret Archive |
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カタログ番号 | :8.501504 |