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エルサン, フィリップ(1948-)

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    17世紀と21世紀を行き交うヴィオラ・ダ・ガンバの肖像

    【フランス・ヴィオール音楽の精髄に触れる温故知新のプログラム】フランス語ではヴィオールと呼ばれ、ブルボン王朝時代の同国を象徴する楽器として愛され続けたヴィオラ・ダ・ガンバ。生まれて初めて学んだのがこの楽器だったというフランス古楽器演奏シーンの申し子リュシル・ブーランジェは今回、その黄金時代とも言うべき17世紀に活躍した名匠4人の無伴奏作品を厳選。エルサン、ペソン、シニュベールと世代の異なる現代作曲家たちの新作(ライナーノートに各作曲家自身による解説も仏、英、独語で掲載)を組み合わせ、使者のごとく17世紀と21世紀を行き来しながら、この楽器の本質と可能性を鮮やかに引き出す無伴奏アルバムを作り上げました。気負いを感じさせない自在な音作りで綴られながら、一貫して端正な様式感に貫かれたバロック作品群の傍ら、ヴィオラ・ダ・ガンバを通じて描き出しうる音響表現を多面的に活かした21世紀作品の数々は「響きに耳を澄ます」という鑑賞体験をより明敏にし、交互に演奏される17世紀音楽とその解釈に秘められた繊細な機微にも改めて気づかされます。画家カラヴァッジョに関する映像のためモンテヴェルディの『オルフェオ』に基づき作曲されたエルサン作品、リュシル・ブーランジェに捧げられ彼女の愛奏曲となったシニュベールの独奏曲、アルバム発売年に仕上がったペソンの最新委嘱作と、突飛な表現に走らない現代の古楽器音楽の味わい深さに気づかされ、同時にフランス・バロックの奥深さや各作曲家の作風の本質をより深く味わえる充実のプログラムを、ALPHAレーベル初期からの名技師アリーヌ・ブロンディオが細やかな感性で克明に収録した好アルバムです。(2024/09/20 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA1070

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    NO TIME FOR CHAMBER MUSIC~弦楽九重奏で聴くマーラー(コレクティフ9)

    【痛快!室内楽編成によるマーラー】マーラーの交響曲と歌曲を弦楽九重奏への自由なアレンジで収録したアルバム。演奏は、革新的なプログラム構成と個性的な編曲でクラシック作品の数々を聴かせるモントリオールの弦楽アンサンブル、コレクティフ9。今回の編曲は、コントラバスを担当するベルタン=マギによるものです。基本的には各曲の要素を印象的にまとめ上げて伝える原曲に沿った編曲ですが、突然クレズマー風にデフォルメされたりして驚かされるところも。「僕の胸の中には燃える剣が」など、詩の内容を鮮烈に伝えるアレンジと演奏も見事です。「カロ風の幻想曲」は、フランスの人気作曲家フィリップ・エルサンが、マーラーの交響曲第1番のフレーズを自由にコラージュした小品ですが、原曲のように大きく盛り上がることはなく、消え入るように終わります。その雰囲気を受けた「ドン・ファンの幻想」で遠く彼方に過ぎ去っていくようにアルバム全体が閉じられる、美しい作りとなっています。(2021/09/24 発売)

    レーベル名:Alpha
    カタログ番号:ALPHA770

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    マントヴァーニ/ストロッパ/エトヴェシュ/レイボヴィッツ/エルサン:パーカッション作品集(ミローリオ)

    このアルバムに収録された6つの作品はどれも世界初演であり、当然、これまで誰も聴いたことのない音を聴くことができるというものです。本来はリズムが主体となるパーカッションではありますが、例えばヴァイブラフォンのように音の高低を表現できるものや、エレクトロニクスと組み合わせることで夢幻的な響きを齎すものもあり、想像以上に多彩な音を聴くことができるのです。ブルーノ・マントヴァーニの劇的にファンキーな作品、金属的な響きがミステリアスなストロッパの作品、パーカッションの可能性を追求したエトヴェシュの「サンダー」、指揮者としても知られるレイボヴィッツのカプリース、古典の3つの作品からインスパイアされたエルサンの練習曲、自然音への憧れともいえる「コンピューターで生成された音とパーカッションの対話」から生まれたリセの練習曲、など無限の可能性が感じられる興味深い1枚です。(2016/02/24 発売)

    レーベル名:Naxos
    カタログ番号:8.573520