リセフスキ, デルテ
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1910年、イタリアの詩人ガブリエーレ・ダンヌンツィオが書いた『聖セバスティアンの殉教』。ドビュッシーはこの膨大な台本に、合唱曲と、オーケストラの間奏曲、アリアで構成された1時間ほどの音楽劇を作曲。翌1911年の5月にパリ・シャトレ座で初演されました。この時はドビュッシーの親友アンドレ・カプレが指揮を執りましたが、キリスト教と異教の伝統を織り交ぜた音楽に加え、ユダヤ系ロシア人のバレリーナ、イダ・ルビンシュタインがセバスティアンを演じたことで騒動に発展。パリの大司教の怒りを買い、カトリック教徒の鑑賞を禁じたのち、ダンヌンツィオの著書も教皇庁から禁書にされてしまいました。この作品を気に入っていたドビュッシーは歌劇への改作を構想していたものの、彼の死によって叶うことがなく、以降は原形での上演機会はほとんどありません。現在ではカプレによる「交響的断章」、もしくはアンゲルブレシュトによるオーケストラと声楽のみのオラトリオ版が演奏されています。このカンプルランの演奏はアンゲルブレシュト版(フランス語歌唱)によりつつ、1951年生まれの作家マルティン・モーゼバッハによる新たなドイツ語の朗読が添えられています。朗読のテキストはダンヌンツィオ作品の中心的な部分を要約したもので、原作を現代的な視点で解釈したもの。カンブルランはオーケストラを見事にコントロール、東洋風な響きも交えた繊細な和声を引き出し、ナタリー・シュトゥッツマンをはじめとした独唱陣と、コレギウム・ヴォカーレ・ヘントの合唱、デルテ・リセウスキの朗読がこの神秘的な物語を見事に描き出しています。当CDはGlor ClassicsレーベルからGC08181として発売されたものと同じ音源です。(2024/05/10 発売)
レーベル名 | :SWR Classic |
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カタログ番号 | :SWR19149CD |