カシオーリ, ジャンルカ(1979-)
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【ベートーヴェンが思い描いた響きを求めて。カシオーリ、当時のウィーンの楽器を奏でる】1990年代半ば巨匠ポリーニに才能を見出され、DGやDECCAなどでの録音で注目されてきたジャンルカ・カシオーリ。現代作曲家として古典的な曲種のピアノ音楽も作曲する一方、演奏家としての幅広い関心は古楽器にも及び、来日公演や近年の録音ではヴァイオリンの庄司紗矢香とモーツァルトのソナタ群を、かの天才作曲家が晩年に弾いていた楽器に近いモデルのフォルテピアノで演奏し話題を呼んでいます。そこで用いられたウィーンのヴァルター工房1805年モデルに基づくフォルテピアノを再現したのは、アレクセイ・リュビモフやロナルド・ブラウティハムら古楽器演奏に長じたプレイヤーたちからの信頼も厚い名工ポール・マクナルティ。今回は同じ楽器を用い、モーツァルトの少し後に同じウィーンで活躍したベートーヴェン初期の傑作群に迫ります。収録曲はどれも、作曲家が1803年にパリのエラール社製の楽器を知る前の作品ばかり。適切な楽器の選択もさることながら、現代楽器での豊かな演奏経験に裏打ちされた音楽性は、古楽器の響きの特徴を活かして作品本来の姿へと迫る上でもブレのない濃やかな音色表現で耳を惹きます。ライナーノートに寄せられたカシオーリへのインタビュー(伊語、英語、仏語)でも明敏な洞察が随所に見られ、その誠実な解釈姿勢がよく伝わってきます。(2024/02/09 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A558 |
【庄司紗矢香&ジャンルカ・カシオーリによるモーツァルトがARCANAから登場!】ドイツ・グラモフォンからのリリースに続き、話題のシリーズがARCANAから発売となります。ケルン大学在学中にピリオド楽器とその奏法に触れる機会があったものの、当時はその研究に十分な時間が充てられず、いつかじっくり挑みたいと考えていたと語る庄司紗矢香。2020-21年に訪れた新型コロナ・ウイルスによる世界的パンデミックで思いがけずその「いつか」が到来し、18世紀の音楽を中心に研究書を読みふけったということです。その成果とも言えるのが、ガット弦とクラシック弓を用いた今回のシリーズ。カシオーリの奏でるフォルテピアノと共に、伸びやかな音色としなやかな表現を駆使し、活き活きとした美しい演奏を聴かせています。《演奏者より》2009年にカシオーリと初共演した際、直感的にいつかこの人とモーツァルトを弾きたいと思ったのを思いだします。以来、私達はまずベートーヴェンを中心に演奏してきましたが、これは実にエキサイティングな経験でした。なぜならルバートや楽章内のテンポの変化、音の不平等さなど、私が幼い頃からやりたくても禁止されてきたこと、でも18世紀当時の研究書には推奨されているようなことを、実際に積極的に取り入れるパートナーが見つかったからです。私が大学時代から読み始めパンデミック中に読み終えることのできた歴史書の数々、そこから得た知識からは実際いくつかの答えが得られます。私は自分にとっての今日の真実が一番大切だと思っています。今日の真実は来年には変わるかもしれません。しかし大きな柱は変わっていません。正しい演奏と間違った演奏があるとは思っていません。ただ聞き慣れた演奏やどこかで耳にした演奏を自動的に模倣することだけは成長した演奏家としては避けたいものです。演奏とは常に新たな創造であり、一つ一つの解釈のチョイスと自分に対して誠実であり、その責任を取ること。その上でその瞬間に空気中から生まれたものを尊重する姿勢が大切です。つまり、私はピリオド楽器で演奏することが最も重要とは思っていません。よく顎当てや肩当てなどの質問をいただきますが、私はバロックヴァイオリン専門家には及びません。クラシック弓はアーティキュレーションや音のヒエラルキーにより容易に表情づけてくれますし、生のガット弦の使用はその響きの美しさが故にパンデミック中に夢中になって練習したのが主な理由です。ですから使用する楽器によって正当性を挙示するつもりは全くありません。モーツァルトのドラマ、繊細な感情とユーモア、血の通った音楽を伝えたい一心で、モーツァルト全集録音に取り組んでいます。繰り返しでのヴァリエーションやフェルマータのカデンツなど、私たちのワクワクを皆さまにお届けできれば何より嬉しいです。 ―――― 庄司紗矢香(2025/02/14 発売)
レーベル名 | :Arcana |
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カタログ番号 | :A575 |