カラブチェフスキー, イサーク
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ヴィラ=ロボス(1887-1959)の「戦争」と「勝利」の交響曲は、第一次世界大戦の休戦を記念するためのブラジル政府から委嘱された作品です。当時32歳の彼は、すでに「国際的なモダニズム感を持つブラジルの芸術家グループの中心人物」として位置づけられており、この依頼を受けた彼は、決して勝ち誇った態度をとることのないように細心の注意を払った上で、この2つの曲を書き下ろしたのです。第3番「戦争」では、ブラジルの国家と「ラ・マルセイエーズ」の断片が聴こえてきたり、リゴレットの苦悩のモティーフが引用されたりと、かなりコラージュ的な手法で書かれています。第4番はさらに情熱的になり、最終楽章では狂乱の真っただ中に放り込まれるかのような陶酔感に満ちています。(2013/04/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573151 |
「ブラジル風バッハ」で知られる作曲家ヴィラ=ロボス(1887-1959)は、生涯に12曲の交響曲を残しました。このアルバムはNAXOSにおける彼の交響曲全集の第1作目となるものです。1944年に書かれた第6番はエキゾチック、かつ雄大な音楽で幕を開けます。平明さを湛えながらも一筋縄ではいかない手の込んだ音は、まさに入り組んだ山並みを思い起こさせます。第2楽章の美しさも特筆すべき点でしょう。賑やかな第3楽章を経て、これまたダイナミックな終楽章へと傾れ込む見事な展開は、まさに手に汗を握るがごとしです。その翌年に書かれた第7番は、近代的な響きに彩られた野心的な作品で、ハープや打楽器を駆使した大管弦楽の咆哮は、胸を躍らせること間違いなし。20世紀音楽をじっくり語りたいなら、必ず通らなくてはいけない道と言えそうです。(2012/10/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573043 |
生涯に12曲の交響曲を書いたヴィラ=ロボス。自由な作風を求めた彼と「新古典派」の様式は必ずしも親和性の高いものではなく、1910年代に書かれた交響曲第1番や第2番は、まだまだ後期ロマン派の影響が強く、実験的要素の高いものでしたが、1940年代から50年代に書かれた第6番以降の交響曲では、ブラジルの民族音楽をふんだんに取り入れた独自の作風を確立させることに成功、世界大戦中の不穏な空気も取り込んだ激しい作品を次々と書き上げました。ちょうどその頃の北アメリカの主要な都市のオーケストラは、行政的な援助を受け、芸術的な発展を見せていた時期で、ラテンアメリカ最大の作曲家として広範に認められていたヴィラ=ロボスの作品も盛んに演奏され、これらの交響曲は、コンサートで高い人気を博していました。しかし、聴衆の好みは「ブラジル風バッハ」などに移り、彼の交響曲は次第に演奏頻度が減少。21世紀になってようやく「交響曲作曲家」としてのヴィラ=ロボスが再評価され始めています。(2017/06/23 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573777 |
最近、人気沸騰中の作曲家ヴィラ=ロボス(1887-1959)は、ブラジル音楽文化の発展のために大変な力を尽くしました。この交響曲第10番「アメリンディア」はサンパウロ創立400周年の記念行事のために1954年に作曲された、壮大なカンタータです。曲はしばしば暴力的なリズムと野性的な響き、そして時には繊細さを持つ、ブラジルのセンチメンタリズムを想起させるもので、色彩的で派手な様相を備えています。ヴィラ=ロボスの交響曲は、第9番までは基本的にオーソドックスなもので、珍しい楽器を使ったり、型破りなことなどはせず、彼の作品の中では「おとなしいもの」として捉えられており、演奏される機会もあまりありません。しかしこの第10番は例外的な仕事であり、この作風の多様性と折衷主義はとてもユニークなものとして聴き手の目に映ることでしょう。この楽譜のスコアには2つの副題が付けられており…「アメリンディア」と「Sume, Father of Fathers(神話の登場人物)」…ベートーヴェンの第9のようではなく、マーラーの第8番、もしくはヤナーチェクのグラゴルミサのようなものと説明されています。様々な事象が内包された素晴らしいこの作品。ぜひ味わってみてください。(2014/12/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573243 |
ヴィラ=ロボス(1887-1959)の最後の交響曲である第12番は、彼の70歳の誕生日に完成させたもの。その翌年にワシントン・ナショナル交響楽団によって初演され、大好評を博しました。シュトックハウゼンやカーゲルらが電子音楽やミュージック・コンクレートなどを模索していた時代に、このようなメロディックで壮大な作品は、若干時代遅れの感もありましたが、ロシアなどでは伝統に回帰する試みも起こったりと、この作品が却って当時の作曲家たちの創作意欲を刺激したであろうことも間違いありません。湧き上がるように快活な第1楽章、ワーグナーのトリスタンを思わせる静かで神秘的な第2楽章、短くとも印象的な第3楽章、熱情的で大胆な終楽章と、確かに交響曲の伝統に則りながらも、革新的な味わいを持つ見事な作品です。「魔法の島」という意味を持つ野趣溢れるバレエ音楽「ウイラプルー」、エキサイティングなカンタータ「マンドゥ=サララ」(かなり内容は強烈!)と、この1枚でヴィラ=ロボスの魅力をじっくり味わうことができるでしょう。(2015/05/27 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573451 |
ヴィラ=ロボス以前のブラジルで「交響曲」と名の付く作品を書いた人は数えるほどしかいませんでした。彼の少し前の世代のオズワルドの交響曲第1番が初演されたのは1917年頃とされていますが、この曲がヴィラ=ロボスに影響を与えたのかは、わかっていません。それよりも当時のヴィラ=ロボスの関心はフランス音楽にあり、この2曲の交響曲もフォーレやダンディの作品との共通性を探ることができます。交響曲第1番は時にブラジル風の情熱を示しており、かたや、交響曲第2番は1917年に構想されたものの、1944年の初演時までに再考を繰り返したためか、熟達した技法が感じられます。ヴィラ=ロボスの交響曲のタイトルは、どれも想像を働かせることはできますが、作品を直接表現するものではなく、この第2番も当時の作曲家の心理状態を描いたものと推測されます。数々の引用が、独特のハーモニーで包み込まれた面白い作品で、後の「ブラジル風バッハ」も予見させます。(2017/11/29 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573829 |
ブラジル外務省が主導するプロジェクト「Brasil em Concerto」。19世紀から20世紀にかけて作曲された約100曲のブラジル音楽をブラジルのオーケストラが演奏、録音するという、これまでになかった大がかりな企画です。今作はブラジルを代表する作曲家ヴィラ=ロボスのチェロと管弦楽のための作品集。収録曲は、サイレント映画のサウンドトラックを思わせる第1番、セルゲイ・クーセヴィツキーに捧げられた3つの楽章からなる「幻想曲」、最晩年の大作第2番の3作品。幼い頃に父からチェロを学び、生涯を通じてこの楽器に強い愛着を抱いていたというだけあり、どれも素晴らしい仕上がりを誇ります。ヴィラ=ロボス交響曲全集の名演が印象に残るカラブチェフスキーとサンパウロ交響楽団の名コンビが世界的チェリストのアントニオ・メネセスをソロに迎えた、「チーム・ブラジル」による待望の録音の登場です。(2023/09/22 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.574531 |
カマルゴ・グァルニエリ(1907-1993)の作品カタログは、ブラジルの文化にとって計り知れないほどの価値ある遺産であり、若い世代の作曲家たちの優れた先達として強い影響力を有しています。グァルニエリは1928年に詩人、音楽学者のマリオ・デ・アンドラーデと出会い、アンドラーデが提唱した「ブラジル・モダン・アート」のアイデアに共感、伝統的なブラジル音楽をクラシックの様式に反映する試みを行います。1951年に作曲された「ショーロ-ヴァイオリンとオーケストラのための」はそのアイデアを生かした作品で、1945年にこの世を去ったアンドラーデの理想「ブラジル音楽の継承」をそのまま形にしたかのような民族的な雰囲気に彩られています。ちなみに「ショーロ」とはブラジルのポピュラー音楽のスタイルであり、グァルニエリは「協奏曲」を「ショーロ」に置き換えることが可能だと考えていました。ピアノをはじめ多彩な楽器を用いた「セレスタ」もショーロの一種。チェンバロを用いた古典的なイディオムを持つフルートの「ショーロ」、晩年の作品となったファゴットを独奏にした抒情的な「ショーロ」。どれも実験的でありながら、ブラジルのインスピレーションに彩られた見事な作品です。(2020/08/28 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.574197 |