ビュンドゲン, ポーラン(1977-)
Search results:6 件 見つかりました。
「天にまします我らの父よ…」で始まる、キリスト教で最も有名な祈祷文の一つと言える「主の祈り」。これに基づいたゲオルク・ベームのコラール前奏曲を軸に、ドイツ・バロックの宗教的な器楽作品と、アルト(カウンターテナー)独唱によるルター派のカンタータを集めたアルバムです。これらの作品は器楽全盛だった当時のイタリア音楽に強い影響を受けており、声楽の伴奏においても、器楽が大きな役割を担っています。また収められた純器楽作品は全て宗教的題材に基づいており、その多くは、当時のコラールの旋律をもとにしたものです。演奏は、「シャコンヌ」を始めとしたヴィターリ父子の作品をめぐる刺激的なアルバム(RIC326)をリリースしている、ヴァイオリンのステファニー・ド・ファイーとアンサンブル「クレマティス」。ここでも宗教的な敬虔さを大切にしながら、それぞれの作品が持つ抑揚や旋律の美しさを聴き応えたっぷりに歌い上げています。(2018/08/29 発売)
レーベル名 | :Ricercar |
---|---|
カタログ番号 | :RIC389 |
巨匠モンテヴェルディの高弟としてヴェネツィアで頭角をあらわし、すぐにイタリア・オペラ史を最先端でリードする大作曲家となった名匠カヴァッリ。その豊かな実績は諸外国まで知れわたり、後年フランス王ルイ14世が隣国スペイン・ハプスブルク家との抗争にひとたび終止符を打った1659年には、講和祝典のための音楽提供者として白羽の矢が立ちます。翌1660年1月にパリで披露されたその祝典ミサ曲の演奏には、ヴェネツィアから随行した演奏陣のみならずパリ随一の歌手たちも集い、きわめてみごとな音楽と絶賛された記録が残っています。ここではリュリによるフランス叙情悲劇創出の前、この歴史的音楽イベント(詳細は解説参照、国内仕様は日本語訳付)を振りかえるべく、フランスきっての声楽・器楽勢が集うガリレイ・コンソートが当時の様子をしのぶプログラムを編作。管・弦入り混じっての壮麗なヴェネツィア様式の音楽を、ヴェルサイユ宮殿の旧王室礼拝堂に緻密な解釈で響きわたらせます。往年の「三大カウンターテナー」盤でも名高いパスカル・ベルタンはじめ演奏陣の充実度も見事。フランス音楽はイタリアから何を受け取ったのか?ヴェネツィア楽派とのかかわりを解き明かしながら「リュリ前夜」のフランス王室における教会音楽の真相に迫る、多声合唱と古楽器の交錯を十全に楽しめる注目盤です。(2019/03/08 発売)
レーベル名 | :Château de Versailles Spectacles |
---|---|
カタログ番号 | :CVS006 |
【昔日のフランス北部に花開いた「宮廷式恋愛」の息吹】中世の貴人たちを虜にした南フランスの宮廷詩歌人(トルバドゥール)たちの歌を集めた『オクシタニアの夜』(RIC144)、ドイツ語圏のミンネゼンガーによる宮廷音楽を集めた『菩提樹の下で』(RIC447)に続くアンサンブル・セラドンの中世音楽アルバムは、フランスの北側で活躍した宮廷詩歌人(トルヴェール)たちの音楽を厳選。カタルーニャ語やスペイン語にやや近い南フランスの言葉で詩歌を作ったトルバドゥールと違い、ここに集められた曲はどれも現代フランス語の直接の先祖となる北フランスの言葉で詩句が編まれており、パリでノートルダム楽派のポリフォニー教会音楽が花開いた時代にあってフランスの貴人たちが艶やかな恋愛に憧れ、高度な文学・音楽芸術を愉しんでいた様子を窺わせるものとなっています。14世紀に編纂された史料をもとに、セラドンの音楽家たちはニュアンス豊かな詩句の味わいを最大限に活かす音作りでみずみずしい解釈を聴かせ、冒頭トラックのように数十秒にわたり鳥の声など自然音を取り込んだ演出も歌詞に即して導入、各作品の魅力をいっそう豊かに伝えてくれます。ヴィエルのル・グェン、オルガネットのヒュン・ファン・シュアンなど新旧世代の名手が集う器楽勢の頼もしさもセラドンならでは。緑豊かな中世フランスで、既婚女性へのプラトニックな恋慕を軸とした「宮廷式恋愛」がどんな芸術的瞬間へと昇華されていったか、1枚を通じて深く聴き確かめられる内容になっています。 ※ブックレットの歌詞は原詩のみの掲載で英訳等はありません。(2024/07/05 発売)
レーベル名 | :Ricercar |
---|---|
カタログ番号 | :RIC465 |
【昔日のダブルリード管楽器世界が色鮮やかに甦る!Ricercarならではの充実企画盤】バッハ以前のバロックやルネサンスにも通じた音楽学者ジェローム・ルジュヌが古楽大国ベルギーで主宰する、40年の歴史を誇るRicercar。このレーベルは折々、現代人にとって馴染みがうすい珍しい古楽器を重点的に紹介するアルバムをリリースしてきましたが、今回はその最新盤として、ボンバルドとドゥルツィアンという、ルネサンスから初期バロックにかけて用いられていた2種の重要なダブルリード管楽器の魅力を紹介します。ボンバルドはショームの一種でオーボエの祖先ともみなしうる楽器ですが、ヴィオラ・ダ・ガンバやリコーダーと同様に大小さまざまなサイズのものがあり合奏も可能。またファゴットの前身である低音管楽器ドゥルツィアンにも、同じように高音・中音向けなどの同属楽器がありました。この新録音では両楽器をそれぞれ、あるときは同属楽器同士で重ね、またあるときは両者を同一楽曲のなかで対置させながら、その変幻自在の演奏編成がたいへん興味深い響きを作り出し、それがアルバムを通して聴くことの面白さを演出しています。またこうしたアルバムの常として、解説テキストの充実も見逃せないところ。マドリガーレやシャンソンといった多声の声楽曲を、楽器だけで演奏できるようにした1600年前後ならではの編曲も多く見られ、2人の俊才古楽歌手が要所で聴かせる独唱との対比も興趣がつきません。専門的知見の集成がいざなう思いがけない音響世界。400年前のリアルなサウンドスケープをじっくり読み解けるアルバムです。(2020/11/13 発売)
レーベル名 | :Ricercar |
---|---|
カタログ番号 | :RIC420 |
【最前線の古楽プレイヤーたちが真相に迫るドイツ音楽の源流 史実のタンホイザーはどんな音楽を奏でたか】かつてドイツ・ロマン主義の芸術家たちも憧れ、ワーグナーやレーヴェ、ブラームスら大作曲家たちも作品の題材をもとめたドイツの中世世界。《タンホイザー》や《ニュルンベルクのマイスタージンガー》にも歌合戦の場面が出てきますが、そこで聴けるのは19世紀ドイツの音楽ですし、民謡に根差したレーヴェのバラードなども多くはピアノ伴奏のロマン派音楽です。生の中世ドイツ人たちは、実際どのような音楽を耳にしていたのでしょう?中世~ルネサンスを専門領域に持ち、さまざまなアンサンブルで活躍を続ける古楽プレイヤーが集うアンサンブル・セラドンは、徹底した史料研究と豊富な演奏経験に裏付けられた抜群の解釈で、数百年前のドイツに花咲いたミンネザング(宮廷恋愛歌)の生々しい素顔を鮮やかに現代に甦らせます。ウェールズの民俗弦楽器クルースや中世リュート、オルガネットなど異界感抜群の響きを奏でる器楽をバックに、名歌手ビュンドゲンの艶やかな高音歌唱は中世写本を彩る色彩豊かな細密画を思わせる美しさ。人文主義の萌芽を感じさせる古代テーマの詩句もあれば、動物寓意物語に取材した独特な自然観が垣間見える歌もあり、聴き深めるほどにドイツ文化のルーツの深さにも唸らざるを得ません。ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデやタンホイザーなど、後世の中世テーマ創作に登場する詩人歌手たちの真相にも迫れる1枚です。(2022/09/23 発売)
レーベル名 | :Ricercar |
---|---|
カタログ番号 | :RIC447 |
【世界初録音!聖マルコ大聖堂楽長が残したアルトのための貴重な宗教モテット集】1676年フランチェスコ・カヴァッリの死去に伴い、ヴェネツィアの聖マルコ大聖堂楽長に就任したナターレ・モンフェッラートは、この聖堂で最も高い地位にあった作曲家のうち、今日最も忘れられていると言ってもよいでしょう。宗教作品の作曲に専念した彼は、1647年から81年にかけて20曲からなる作品集を数回出版しています。その作品は大規模なポリフォニーもありましたが、独唱のためのモテット集も3巻を数えました。彼の作品は当時にしては珍しくアルトを念頭に置いた作品が多く、これはその時代のレパートリーとして重要なものといえ、今回録音された1666年出版の第3巻においても顕著です。これらのモテットはレチタティーヴォとアリアが明確かつ対照的に分かれており、そこには1637年以降ヴェネツィアで盛んであった歌劇の影響を存分に受けています。世界初となる今回の録音は、忘却の彼方へ不当に押しやられてしまった作曲家を再認識する、またとない大きな契機と言えるでしょう。(2019/11/15 発売)
レーベル名 | :Ricercar |
---|---|
カタログ番号 | :RIC405 |