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ミランダ, リカルド・ロドリゲス

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    鏡 Kagami ~ヴィオール小曲集~(上村かおり/ミランダ/ジルベライヒ)

    【ヴィオールの名優、上村かおりのソロ第2作。人間の感情を伝える音楽の不思議へのオマージュ】日本語の固有語である「かがみ」は、「神(かみ)」が「我(が)」を囲んでいると読み解くこともできる。鏡を見ると、そこに映るのは神性に囲まれた我である、と。わたしは、音楽が内にある感情を鏡で見るように浮き上がらせ、その伴奏をしてくれることを思い、この物語のタイトルを「かがみ」とした。このCDはまた、バロック時代の作曲家たちが、音楽を、神による天地創造を映し出す鏡であるだけではなく、人間の感情を「フィグーラ」(音形の上行や下行、また跳躍、調性、フラット、シャープなど)によって表現し、「アフェクト」(特定の感情を喚起する作用)を生み出し得るものと考えていたことへのオマージュでもある。 ――上村かおり(解説より)ベルギーのブリュッセルを拠点に、リチェルカール・コンソートやレザール・フロリサン、ル・ポエム・アルモニークといった幅広い世代の第一線古楽アンサンブルで中心的なメンバーとして活躍を続けるヴィオール奏者の上村かおり。長く充実したキャリアを経て2021年に満を持してリリースされた初のソロ・アルバム『優 Yuu』(『レコード芸術』誌特選)は、ヴィオールという楽器ひとつで驚くほど豊かな世界が紡ぎ出される無伴奏作品集でしたが、今回新たに届けられたアルバムは世界中に共演者を持つフランスのチェンバロ奏者アリーン・ジルベライシュと、やはりベルギーやフランスで多忙な活躍を続けるリカルド・ロドリゲス・ミランダという頼もしい演奏仲間との室内楽。17~18世紀の英仏独さまざまな地域のヴィオール作品を自在かつ入念に配したプログラムは3幕仕立ての演劇風に編まれ、冒頭の無伴奏曲から静かに動き出すその音楽物語は起伏に富んで変幻自在、まさに数百年前のヨーロッパで、客席と親密な距離感の舞台に心を吸い寄せられるような静かな求心力に満ちています。18世紀半ばに活躍したドレの珍しい曲集やマレ、クープランなどフランス宮廷流音楽の見事な演奏もさることながら、美しい陰翳を感じさせる鍵盤の低音に続いて主旋律がヴィオールで描き出される「イタリア協奏曲」の緩徐楽章や、パーセルの傑作歌劇《ダイドーとイニーアス》の名場面から紡ぎ出された坂本龍右の編曲による思わぬ独奏など、知っていたはずの曲が思わぬ装いで登場するトラックも実に魅力的。演奏者の上村自身が書き下ろした日本語解題とともに、擦弦と撥弦の交錯に深く引き込まれるアルバムです。(2023/08/25 発売)

    レーベル名:Ramee
    カタログ番号:RAM2204