ロストック北ドイツ・フィルハーモニー
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1990年代から始まった「頽廃音楽」の復興は、ナチスに迫害された多くの作曲家たちを歴史の闇から救い出しています。このカール・ヴァイグル(1881-1949)もその中の一人、まだまだ全貌を知るまでには至りませんが、このアルバムはその手がかりになることでしょう。彼はウィーンの裕福な家庭に生まれ、少年時代から音楽に親しんでいます。あのツェムリンスキーと家族ぐるみの付き合いがあり、作曲の手ほどきもツェムリンスキーから受けています。その後はウィーン大学に進み、音楽学をアドラーの元で学び、ウィーン音楽院ではローベルト・フックスに作曲を学んでいます。この頃にシェーンベルクとも知り合い、強く影響を受けましたが、結局ヴァイグル自身は十二音技法に同調することはなく、その作品も後期ロマン派の作風から外れることはありませんでした。彼の「左手のためのピアノ協奏曲」は、あの戦争で左手を失ったヴィトゲンシュタインのために書かれたものですが、なぜかヴァイグルの作品は演奏されることはなく、2002年にようやくウィーンで初演されたというものです。このアルバムには、同じく忘れられた作品である「ヴァイオリン協奏曲」がカップリングされています。(2015/10/28 発売)
レーベル名 | :Capriccio |
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カタログ番号 | :C5232 |
「クラリネットのパガニーニ」と称されるイタリアのクラリネット奏者カヴァッリーニ(1807-1874)の作品集です。ミラノで生まれ、9歳の時にミラノ音楽院でカルッリに師事、瞬く間に才能を開花されたカヴァリーニ。彼は1824年に卒業後、スカラ座の第1クラリネット奏者に任命され、また各地で演奏旅行を行うなど、ヨーロッパ中にその名声を広めていきました。その後、演奏旅行で訪れたロシアで皇帝に気に入られ、マリインスキー劇場の第1クラリネット奏者に就任します。この時期に上演されたベルディの「運命の力」において、彼の演奏に感銘した作曲家が、第3幕のオープニングに美しいクラリネットのソロ・パートを付け加えたというエピソードもあるほどです。ここで聞けるのは彼の書いた2つのクラリネット協奏曲と、当時流行していたオペラのメロディを用いた幻想曲、そしてロシアで想起された変奏曲です。クラリネットの名手が書いた、本当に美しいクラリネットのための名曲です。(2015/05/27 発売)
レーベル名 | :CPO |
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カタログ番号 | :777948-2 |
韓国のみならず世界中で注目を浴びている若き女性チェリスト、ユジョン・イのプロコフィエフ(1891-1953)。彼女の暖かい音色と驚異的な音楽性、そして大胆なパフォーマンスは全ての聴衆の心を鷲掴みすること間違いありません。9歳でチェロを始めた彼女ですが、瞬く間に才能を発揮し、通常なら15歳から入学を認められるパリ国立高等音楽を始め、ブリュッセル王立音楽院を経て、ジュリアード音楽院に留学し、ジュヌヴィエーヴ・ハステッド奨学金を授与されました。13歳で韓国デビューしてからは、世界中でリサイタルを行うなど活発に活動しています。このプロコフィエフの協奏曲は、1938年に初演された第1番の協奏曲を、名手ロストロポーヴィチの提言で1951年から1952年にかけて改訂したもの。もともと不評だった作品(演奏が難しすぎたと言われる)ものを作り替えたとはいえ、全く違う作品となり、またオーケストラ部分の色彩が豊かになるなど、大規模で堂々とした曲に仕上がっています。これを聴いてショスタコーヴィチもチェロ協奏曲の作曲を決意したと言われています。カップリングの「ロメオとジュリエット」も含め、指揮者のクルムベックの手腕も聴きどころです。(2012/10/24 発売)
レーベル名 | :Solo Musica |
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カタログ番号 | :SM171 |