ロペス, ホセ・ラウル
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アルカン(1813-1888)というと、「鉄道」や「短調による練習曲」などの超絶技巧を駆使した一連の見事な作品が知られています。しかし、彼が力を入れていた「トランスクリプション=他の作曲家の作品を編曲したもの」については、まだまだ知られていません。この当時は、フランツ・リストによるベートーヴェンの交響曲のピアノ版のような、「大きな編成→小さな編成」に移し変えることが盛んに行われていました。これは好きな作品を家庭で楽しむために、小さな編成に置き換えて演奏することで、いちいち演奏会に行かなくてもよかったからです。もちろん、多くの場合はこの作業はつまらないものであったかもしれません。結局、現在はこのようなトランスクリプションの必然性は失われてしまい、多くの編曲版を聴く機会は失われてしまいました。そんな中で、アルカンのトランスクリプションの持つ意味はどんなものでしょうか?聴いてわかるとおり、彼の編曲は明快であり、リストのように「余分なパッセージ」を追加することもなく、基本的にスコアを丁寧にピアノに移し替えています。この編曲の妙をぜひ楽しんでみてください。(2015/08/26 発売)
レーベル名 | :Toccata Classics |
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カタログ番号 | :TOCC0240 |
キューバで芸術音楽の普及が始まったのは18世紀後半になってから。エステバン・サラス・イ・カストロ(1725-1803)の典礼音楽が最初とされています。しかしそれ以前、コロンブスが南アメリカに到達した頃にはアボリジニたちの宗教的な歌があったとされますが、先住民たちの減少とともに、これらの記録も失われてしまいました。その後も幾度か音楽が普及する機会がありましたが、どれも定着することはなく、結局、18世紀後半まで「芸術音楽」の普及は待たれることとなったのです。ピアニスト、ホセ・ラウル・ロペスは忘れられた南米音楽の蘇演に積極的に取り組んでおり、以前リリースされたコメリャス作品集(TOCC-347)でも興味深い世界を見せていました。今回のエスパデーロ作品集でも、ショパンを思わせるサロン風の音楽から、華麗なオペラのトランスクリプションまで、レヴェルの高い素晴らしい作品と演奏を披露しています。(2019/11/22 発売)
レーベル名 | :Toccata Classics |
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カタログ番号 | :TOCC0544 |
キューバのロマン派時代の作曲家コメリャス(1842-1888)の珍しいピアノ曲集。この時代のキューバ音楽は、植民地時代の民俗音楽の継承と、アフリカ音楽、ヨーロッパ音楽の影響、この3つの要素が融合して出来ています。かなり充実した作品が多く存在しますが、現代でもほとんど耳にする機会はありません。このコメリャスの作品もそんな中の一つ。コメリャスはハバナの東に位置するマタンザスの生まれ。彼の父はカタロニアからの移民で、バレンシア劇場の音楽監督を務めていたこともある多才な音楽家でした。幼い頃から父にヴァイオリンの指導を受け、6歳でピアニストとしてデビュー、作曲家としても活躍したコメリャス。彼の作品はショパンとゴットシャルクの影響も感じられるサロン風の雰囲気を備えており、このアルバムは当時のキューバの音楽の一端を知る手がかりになる貴重な演奏の記録です。(2016/12/21 発売)
レーベル名 | :Toccata Classics |
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カタログ番号 | :TOCC0347 |
いかにもTOCCATAらしい1枚です。レスピーギ以降のイタリア音楽史に重要な足跡を残した三人の作曲家、カセッラ、ピツェッティ、マリピエロ(1914-2003)は当時全盛を誇っていた「オペラ」からの脱却を図り、モンテヴェルディやフレスコバルディなどの「古いイタリア音楽」と「器楽音楽」の復興に尽力した人として知られています。そのフランチェスコ・マリピエロの甥であるリッカルドが今回の作曲家です。彼はミラノでピアノを学び、トリノ音楽院で作曲の学位を取得しました。1938年頃から12音技法に興味を持ち、手始めに「主題と14の変奏曲」でその技法を使ってみたのでしょう。その後、ダッラピッコラやマデルナとともにイタリアの12音技法を推進する先駆者となりました。他の5つの作品も精緻な技法を凝らして書き上げられていますが、とは言え、12音を徹底的に追求しながらも、表現や色彩を重んじているためか、時にはルールを破ることも厭わなかったようで、時として抒情的な響きが現れるところが面白いものです。(2012/10/24 発売)
レーベル名 | :Toccata Classics |
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カタログ番号 | :TOCC0129 |