小宅勇輔
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ある時は、あの壮大かつ実験的な音楽「涅槃交響曲」の作者として、またある時は「題名のない音楽会」の司会者として、他、様々な才能を発揮した黛敏郎。おのおのの聴き手の年齢によっても、頭に浮かぶ姿が微妙に違うのではないでしょうか。そんな黛の作品、映画音楽から吹奏楽、電子音楽まで本当に幅広いジャンルに渡っていますが、ここに選ばれた4つの作品で、それらを万遍なく体現できることでしょう。極めて考え抜かれた十二音音列による厳格な音を放つのは、予想もつかないような楽器群であり、電気的な音と、アコースティックな音が交錯する不可解な世界は、まさに小宇宙そのものです。「オーケストラのための呪」は、まさに映画音楽そのもの。「プリペアド・ピアノと弦楽のための小品」は詩的な感情こそあれど、音としてはとてもシリアスなもの。そして「カンパノロジー」は、後の「涅槃交響楽」を予感させる、梵鐘の音を使った気も遠くなるような音響、録音技術(ミュージック・コンクレート)への挑戦です。今作では、日本の電子音楽批評の第一人者である川崎弘二氏に解説を執筆を依頼。曲に対する詳細なアナリーゼを含めた資料価値のみならず、大変興味深い一つの読み物としても成立する素晴らしい解説です。(2011/12/14 発売)
レーベル名 | :Naxos Japan |
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カタログ番号 | :NYNG-007 |