バイエルン国立歌劇場合唱団のメンバー
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19世紀前半の作曲家たちは、本格的な歌劇だけでなく「小さな歌劇」もしばしば作曲しました。これらは特定の人の誕生日や命名日を祝うためや、何か栄誉を受けたときのために演奏され、その題材は神話や寓話から取られることが多かったのです。「小さな歌劇」と言っても、素晴らしい歌手とフルオーケストラ、そして合唱が要求され、規模は小さいものの、通常の歌劇を上演するのとさして変わらない手間が掛かったのですが、何分にも目的が「個人的使用」だったため1回上演すれば用が終わり。その後はそのまま忘れられてしまうが、もしくは作曲家が別の歌劇に「転用」するかして、かろうじて曲の一部が残るという運命を辿るものが多かったのです。このドニゼッティ(1797-1848)のカンタータも、ブルボン君主フェルディナンド1世とシチリア王アルフレッド大王に敬意を表して書かれたもので、牧歌的風景の中に、父と娘の葛藤を盛り込み、最後は平和的解決を得るというもので、ドニゼッティの初期作品らしく、幾分ロッシーニの影響も感じられながらも、後の革新的な作風を予見させる見事な音絵巻となっています。(2014/07/23 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573360 |
ドイツの合唱音楽の伝統では「宗教的作品では楽しい旋律を避ける」と「世俗作品ではどんな旋律でも構わない」と各々を厳密に区別していましたが、19世紀のイタリアでは、ミサ曲がまるでオペラのように華やかな雰囲気を持ち、独唱も二重唱も、アリアのような美しい旋律で書かれたものが多く、あまり厳格な区別はなされていませんでした。これら「ベルカントの教会音楽」は19世紀に南ドイツで起こった"セシリア運動=教会音楽を堕落から救い、グレゴリオ聖歌もしくはパレストリーナの音楽に立ち返ろう"により排斥されながらも、イタリアの作曲家たちは美しい宗教曲を作り続けていました。オペラ作曲家として知られるドニゼッティ(1797-1848)も、学生時代から数多くの宗教曲を書き、時には小品を組み立てて大きなミサにすることもあり、それらを全て合わせると150曲以上が数えられます。この「グローリア・ミサとクレド」は1837年11月にナポリで初演された作品ですが、その後、自身で曲を組み替えたり、彼の師マイール(1763-1845)がその中の曲を自作に組み込んだりと、原曲は様々な形で素材として使われ、現在に至っています。これらを研究者フランツ・ハウクが当時の状況を熟考し、復元して演奏しました。単なる研究結果を超えた普遍的な美しさが宿るミサ曲です。(2016/12/21 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573605 |
古代ギリシャの長編叙事詩「オデュッセイア」(ホメロス作と伝承される)の最初の部分に登場する、オデュッセウスの息子テレマーコ(テレマコス)を主人公とした物語。遺産目当てに母ペネロペに群がる男たちを排除するために、死んだとされる父オデュッセウスを探す旅に出るテレマーコ。彼に付き添う父の友人メントーレ(実は女神アテナが姿を変えている)。彼らは旅の途中で嵐に遭い、海岸に漂着。そこで美しいカリプソと出会うのです。この冒険物語は様々なオペラの主題に取り入れられて人気を博しており、マイールの作品も初演当時高く評価されました。しかし、物語がハッピーエンドでなかったためか、人気が衰えてしまい、以降演奏されることもなく歴史の片隅に埋もれてしまっていました。マイール研究家であるハウクの尽力によってようやく甦った作品です。(2017/03/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.660388-89 |
すでにNAXOSではおなじみの作曲家ヨハン・ジモン・マイール。フランツ・ハウクが指揮するオペラや宗教曲などの一連の作品は、どれも高い人気を博しています。今回の新譜は、中世イギリスの騎士道をテーマにした歌劇《2人の公爵夫人》。物語の舞台はエドガー王が統治する10世紀のイングランド。中世イングランドに魅了されていたマイールは、この作品の他にも“薔薇戦争”や“アルフレッド大王”をテーマにしたオペラを書いていますが、この《2人の公爵夫人》は、波乱に満ちた物語の台本とイタリア風の様式がうまく溶け合った野心的、かつ素晴らしい出来栄えを誇っています。この世界初録音となる演奏では韓国の歌手たちが多数起用されており、若々しくかつ柔軟な演奏が楽しめます。(2020/05/15 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.660422-23 |
キリストが誕生した頃の古代ゲルマニア。この地で勢力を誇っていたのがケルスキ人です。族長であるアルミニウスの下、ローマ軍をトイトブルクの森の戦いで撃滅し,ローマのゲルマニア侵攻を挫折させたことは画期的なこととして知られています。マイールが彼らを題材に歌劇《ケルスキの人々》を作曲したのは、ナポレオンの軍隊がヨーロッパを駆け巡っていた時のこと。不安な時代だからこそ、台本作家のロッシは勇敢な古代の人々に思いを馳せたのでしょう。家族の絆、ロマンス、嫉妬、愛国心、これらが描かれた勇壮な作品は当時の聴衆の心を奮い立たせました。この録音ではピリオド楽器を用い、1808年初演時の響きが再現されています。(2019/02/22 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.660399-400 |
ドイツで生まれ、イタリアで活躍した作曲家ジモン・マイール(1763-1845)。彼は生涯に70曲ほどのオペラを残しましたが、この「サッフォー」は彼の記念すべき最初の歌劇とされています。1787年に生まれ故郷のバイエルンを離れ、ベルガモからヴェネツィアに移った彼は、この地でオペラが生活の一部に溶け込んでいることに驚いたようです。その頃、火災で焼失(1773年)したサン・ベネデット劇場の後継として建設されたフェニーチェ劇場が1792年に完成し、マイールもここでヴァイオリンを弾いていたという伝説もあります。この歌劇「サッフォー」は1794年に完成、初演はこのフェニーチェ歌劇場で行われ、熱狂的な成功を収めました。以降マイールはこの劇場のために数多くの作品を書くことになるのです。この「サッフォー」。曲には幾分モーツァルト風な趣きもありますが、テキストと音楽の力強い結びつきや木管の使い方などが印象的で、また不幸な愛を描きつつも最後はハッピーエンドを迎えるなど、かなり独創的な部分もあり、とても興味深い作品となっています。マイール作品の普及に尽力するハウクの的確な演奏で。(2016/02/24 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.660367-68 |
13世紀に生まれたスターバト・マーテル(悲しみの聖母)は、17世紀から18世紀にかけてイタリアと南ドイツを中心に数多くの作曲家がこの悲痛な詩に曲を付けています。とりわけ有名なのはペルゴレージやロッシーニの作品であり、19世紀にはドヴォルザークやシマノフスキ、20世紀にはペルト、ペンデレツキら、数多くの名作が生まれています。このマイールの「スターバト・マーテル」は一部が失われていますが、マイール研究家ハウクの手によって、不足している部分が埋められています。マイール自身はこの作品を気に入っており、後のレクイエムでも一部が転用されているなど、折りに触れこの作品に手を加えていたようです。悲痛な内容でありながらも、全体的に明るさに満ちており、最後に置かれた賛美歌はとりわけ清冽な美しさを湛えています(2017/09/29 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573781 |
ドイツで生まれ、イタリアで活躍した古典派の作曲家ジモン・マイール。NAXOSからはこれまでに歌劇や宗教曲など多数の作品がリリースされています。マイールは182年にベルガモのサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の終身教会楽長に就任しましたが、その時にはすでに「教会音楽の大家」としてヴェネツィアで高く尊敬されていました。この「ミゼレーレ-あわれみたまえ」と「ロレトの連祷」はこの時期に作曲されたものと推測されます。「ミゼレーレ」は合唱とソロとの親密な対話を包む、控え目ながらも美しいオーケストラ伴奏が特徴の大作。「ロレトの連祷」は全編悲痛な表情が貫かれた悲し気な作品です。(2017/12/22 発売)
レーベル名 | :Naxos |
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カタログ番号 | :8.573782 |